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【ITニュース解説】なぜ西洋人は海藻をあまり食べないのか?日本とイギリスを比較した研究が発表される

2025年09月14日に「GIGAZINE」が公開したITニュース「なぜ西洋人は海藻をあまり食べないのか?日本とイギリスを比較した研究が発表される」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

栄養豊富で環境負荷の低い海藻だが、西洋ではあまり食べられない。その理由を解明するため、日常的に海藻を食べる日本と、習慣がないイギリスを比較した研究が発表された。持続可能な食品としての海藻の普及に向け、食文化や背景の違いを探る試みだ。

ITニュース解説

海藻は、地球上で栄養価が高く、環境への負荷が少ない持続可能な食品として、近年世界中で注目を集めている。しかし、その一方で、欧米諸国では海藻を日常的に食べる習慣がほとんどないのが現状だ。なぜこのような差があるのか、その理由を探るため、ブルネル大学ロンドン校などの研究チームが、海藻食が定着している日本と、その習慣が乏しいイギリスを比較する詳細な調査を実施し、その研究結果が発表された。

この研究は、両国の消費者が海藻に対してどのような認識や態度を持ち、どのような消費行動を取るのか、そしてその背景にある文化的要因は何なのかを深く掘り下げたものだ。日本における海藻の立ち位置は、非常に多様で深い。日本では古くから海藻が食卓に上り、食文化の重要な一部として根付いている。多くの日本人は海藻を健康的な食品、重要な栄養源と認識しており、日常の食事に当たり前のように取り入れている。味噌汁の具材として、おにぎりの海苔として、サラダのトッピングとして、あるいは昆布だしとして、様々な形で食卓に登場し、スーパーマーケットでは手軽に多種多様な海藻が購入できる。日本人は海藻の独特の風味や食感を肯定的に捉え、その多様な調理法も自然と受け入れている。

一方、イギリスにおける海藻の状況は日本とは大きく異なる。イギリスの消費者は海藻を食品として認識していることが少なく、積極的に食べる習慣もほとんど見られない。研究チームが調査した結果、イギリスの消費者からは、海藻に対して「馴染みがない」「どう調理して良いか分からない」「味が好きではない」「見た目が悪い」といった否定的な意見が多く聞かれた。また、スーパーマーケットなどで海藻を手に入れにくいというアクセスの問題も指摘されている。実際に海藻を口にしたことがある人の中には、「魚臭い」「塩辛い」「ぬるぬるした不快な食感」と感じる人も少なくなかった。このような感覚は、日本人が海藻に抱く肯定的なイメージとは対照的である。

これらの認識や態度の違いは、それぞれの国の文化や歴史的背景に深く根ざしていることが研究から明らかになった。日本では縄文時代から海藻を食べる習慣があり、長い歴史の中で食文化の一部として受け継がれ、発展してきた。海藻は伝統的な祭りや行事にも登場し、幼い頃からの食育を通じて自然と親しみが育まれる。食卓に海藻が並ぶことはごく自然なことであり、その栄養価や美味しさは世代を超えて伝えられてきた。しかし、イギリスにはこのような海藻食の歴史や文化が乏しい。過去に飢饉の際に一部で食された記録はあるものの、日常的な食材として定着することはなかった。そのため、海藻に対する知識や経験がほとんどなく、新たな食品として受け入れにくい土壌があると言える。

この比較研究は、食品の受容性には食文化、歴史、教育、そして入手しやすさといった複数の要因が複雑に絡み合っていることを明確に示している。単に栄養価が高いとか、環境に良いという情報だけでは、人々の食習慣を変えることは難しいのだ。特に、幼い頃からの食経験や、周囲の人間がどのようにその食品を捉えているかという社会的な側面が、個人の好みや習慣形成に大きな影響を与えることが浮き彫りになった。

今後、西洋諸国で海藻の消費を拡大し、持続可能な食料源としての可能性を最大限に引き出すためには、いくつかの重要な課題を克服する必要がある。まず、海藻が持つ栄養学的メリットや、環境への貢献といったポジティブな側面を広く啓発することが不可欠だ。次に、消費者が海藻を日常生活に取り入れやすいよう、シンプルで魅力的な調理法を提案し、その美味しさを積極的にPRしていく必要がある。また、スーパーマーケットなどでの入手チャネルを拡大し、より手軽に購入できるようにすることも重要だ。さらに、子供の頃からの食育を通じて、海藻に対するポジティブなイメージを醸成していく長期的な取り組みも求められる。

この研究は、単に海藻食の地域差を分析しただけでなく、新たな食品が社会に受け入れられるプロセスや、文化が食習慣に与える影響についての貴重な知見を提供している。持続可能な社会の実現に向けて、食料問題が深刻化する中で、海藻のような未利用資源の活用は地球規模の課題解決に貢献する可能性を秘めている。この研究結果は、食品イノベーションや食の多様性を推進し、世界中の人々の健康と地球環境の改善に繋がる重要なステップとなるだろう。

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