【PHP8.x】curl_file_create関数の使い方
curl_file_create関数は、cURL拡張機能で使用されるcurl_fileオブジェクトを生成する関数です。この関数は、ファイルをアップロードする際に、ファイル名、MIMEタイプ、および表示名を指定するために使用されます。従来の @
記法によるファイルアップロード方法に代わる、より安全で柔軟な方法を提供します。
具体的には、ファイルアップロードを行う際に、CURLOPT_POSTFIELDS
オプションに配列形式でデータを渡す場合、ファイルの内容を直接文字列として埋め込むのではなく、curl_file_create
関数で生成されたオブジェクトを代わりに指定します。
引数として、ファイルのパスを必須で指定します。オプションとして、MIMEタイプや表示名も指定可能です。MIMEタイプを指定することで、サーバーに正しいファイルの種類を通知できます。表示名は、サーバー側でファイル名として使用される場合があります。
curl_file_create
関数を使用することで、ファイルアップロード処理をより明確に記述でき、セキュリティリスクを低減できます。また、MIMEタイプや表示名を明示的に指定することで、ファイルアップロードの制御をより細かく行うことが可能になります。システムエンジニアは、この関数を利用することで、堅牢で安全なファイルアップロード機能を実装できます。
基本的な使い方
構文(syntax)
curl_file_create(string $filename, string $mimetype = '', string $postname = ''): CurlFile
引数(parameters)
string $filename, ?string $mime_type = null, ?string $posted_filename = null
- string $filename: アップロードするファイルのパスを指定する文字列
- ?string $mime_type: ファイルのMIMEタイプを指定する文字列。省略可能で、指定しない場合はPHPが自動的に推定します。
- ?string $posted_filename: サーバーに送信する際のファイル名を指定する文字列。省略可能で、指定しない場合は元のファイル名が使用されます。
戻り値(return)
CURLFile
curl_file_create
関数は、CURLFile
クラスのインスタンスを返します。これは、cURL を使用してファイルをアップロードする際に、ファイルの名前、MIME タイプ、およびファイルの内容を表現するためのオブジェクトです。
サンプルコード
PHP curl_file_createでファイルをアップロードする
<?php
/**
* curl_file_createを使用してファイルをアップロードするサンプル関数
*
* この関数は、ローカルに一時ファイルを作成し、
* curl_file_createでCURLFileオブジェクトを生成して、
* httpbin.orgのPOSTエンドポイントにファイルをアップロードします。
* 実行後、レスポンス内容を表示し、一時ファイルを削除します。
*
* @return void
*/
function uploadFileExample(): void
{
// アップロード先のURL (受信したリクエスト情報をJSONで返すサービス)
$targetUrl = 'https://httpbin.org/post';
// アップロードするダミーファイルを作成
$dummyFilePath = __DIR__ . '/upload_test.txt';
$dummyFileContent = 'これはcurl_file_createのテスト用ファイルです。';
file_put_contents($dummyFilePath, $dummyFileContent);
echo "一時ファイルを作成しました: {$dummyFilePath}" . PHP_EOL;
try {
// 1. CURLFileオブジェクトの作成
// curl_file_create(ファイルのパス, MIMEタイプ, サーバー側で認識されるファイル名)
$cfile = curl_file_create(
$dummyFilePath,
'text/plain',
'sample.txt'
);
// 2. POSTデータの設定
// 'file_field' がHTMLの <input type="file" name="file_field"> のnameに相当します。
$postData = [
'file_field' => $cfile,
'user_name' => 'Taro Yamada',
'user_id' => '12345',
];
// 3. cURLセッションの初期化と設定
$ch = curl_init();
curl_setopt_array($ch, [
CURLOPT_URL => $targetUrl,
CURLOPT_RETURNTRANSFER => true, // 結果を文字列で返す
CURLOPT_POST => true, // POSTリクエストを指定
CURLOPT_POSTFIELDS => $postData, // POSTデータを設定
CURLOPT_SAFE_UPLOAD => true, // PHP 5.6.0以降ではデフォルトでtrue
]);
// 4. cURLリクエストの実行
echo "ファイルをアップロードしています..." . PHP_EOL;
$response = curl_exec($ch);
// 5. エラーチェック
if (curl_errno($ch)) {
echo 'cURLエラー: ' . curl_error($ch) . PHP_EOL;
} else {
// 6. 結果の表示
echo "サーバーからのレスポンス:" . PHP_EOL;
// httpbin.orgはJSONを返すので、見やすく整形して表示
$responseData = json_decode($response, true);
echo json_encode($responseData, JSON_PRETTY_PRINT | JSON_UNESCAPED_UNICODE) . PHP_EOL;
}
// 7. cURLセッションの終了
curl_close($ch);
} finally {
// 8. 作成した一時ファイルを削除
if (file_exists($dummyFilePath)) {
unlink($dummyFilePath);
echo "一時ファイルを削除しました: {$dummyFilePath}" . PHP_EOL;
}
}
}
// 関数を実行
uploadFileExample();
curl_file_create
関数は、PHPのcURL機能を使ってファイルをアップロードする際に、アップロード対象のファイル情報をまとめたCURLFile
オブジェクトを生成するために使用します。これにより、安全なファイルアップロード処理を実現できます。
関数の第一引数$filename
には、アップロードしたいファイルのローカルパスを文字列で指定します。第二引数$mime_type
には、'text/plain'のようなファイルのMIMEタイプを、第三引数$posted_filename
には、サーバー側で認識させたいファイル名を指定します。後ろ2つの引数は省略可能です。
このサンプルコードでは、まずテスト用のテキストファイルを一時的に作成します。次にcurl_file_create
を使い、そのファイルのパス、MIMEタイプ、サーバー側でのファイル名を指定してCURLFile
オブジェクトを生成しています。このオブジェクトを、他の送信データ(ユーザー名など)と一緒に配列に格納し、curl_setopt
関数のCURLOPT_POSTFIELDS
オプションに設定することで、ファイルを含むPOSTリクエストを送信します。リクエスト実行後は、サーバーからの応答を表示し、最後に作成した一時ファイルを削除して処理を終えます。
curl_file_create
関数で指定するファイルパスは、意図しない動作を防ぐため絶対パスでの指定が推奨されます。また、第2引数のMIMEタイプと第3引数のアップロードファイル名は、サーバーがファイルを正しく認識するために、可能な限り明示的に指定しましょう。ファイルを送信する際、CURLOPT_POSTFIELDS
には必ず配列を渡す必要があります。これにより、リクエスト形式がファイルアップロードに適したmultipart/form-data
に自動で設定されます。PHP 5.5より前の@
記法は非推奨で現在は利用できないため、必ずこの関数を使用してください。最後に、処理の成功・失敗に関わらずcurl_close
でリソースを解放し、一時ファイルを削除する習慣をつけましょう。