【PHP8.x】curl_reset関数の使い方

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curl_reset関数は、指定されたCURLハンドルを初期状態にリセットする関数です。PHPのCURL拡張機能は、ウェブサイトとのデータ送受信など、ネットワーク通信を行う際に利用されます。一度HTTPリクエストを実行したCURLハンドルには、URL、オプション、ヘッダー、POSTデータなどの設定が保持されています。

この関数を使用すると、これらの既存の設定や状態をすべてクリアし、ハンドルを初期のクリーンな状態に戻します。これにより、毎回新しいCURLハンドルを作成することなく、既存のハンドルを再利用して別のHTTPリクエストを安全に実行できます。複数のリクエストを繰り返し行う際に、新しいハンドルの作成に伴う処理負担(オーバーヘッド)を削減し、パフォーマンス向上に貢献します。

curl_reset関数は、引数としてリセットしたいCURLハンドルを一つ受け取ります。成功時にはtrueを、失敗時にはfalseを返します。既存のCURL接続を閉じずに、次の通信のためにハンドルを効率的に準備できます。

基本的な使い方

構文(syntax)

<?php
$ch = curl_init();
curl_reset($ch);
curl_close($ch);
?>

引数(parameters)

CurlHandle $handle

  • CurlHandle $handle: リセットしたいcURLセッションを表すリソース

戻り値(return)

void

curl_reset関数は、指定されたcURLセッションを初期状態にリセットします。この操作は、同じcURLハンドルを再利用する際に、以前の接続設定やオプションをクリアするために使用されます。戻り値はありません。

サンプルコード

PHP curl_reset による接続リセットの準備

<?php

/**
 * CURLハンドルをリセットして再利用するサンプル関数。
 *
 * この関数は、単一のCURLハンドルを複数回使用する際に、
 * 各リクエストの前に設定を初期状態に戻す `curl_reset` の使用方法を示します。
 * これは、連続するリクエスト間で以前の設定が干渉するのを防ぎ、
 * "connection reset by peer" のような予期せぬ接続エラー後の再試行の準備にも役立ちます。
 */
function demonstrateCurlResetUsage(): void
{
    // 1. CURLハンドルの初期化
    $ch = curl_init();

    if ($ch === false) {
        echo "CURLハンドルの初期化に失敗しました。\n";
        return;
    }

    echo "--- 最初のCURLリクエスト --- \n";

    // 2. 最初のリクエストの設定(存在しないURLを使ってエラーを発生させる例)
    $firstUrl = 'https://example.com/non-existent-page-12345';
    curl_setopt($ch, CURLOPT_URL, $firstUrl);
    curl_setopt($ch, CURLOPT_RETURNTRANSFER, true); // 結果を文字列で取得
    curl_setopt($ch, CURLOPT_TIMEOUT, 3);          // タイムアウトを3秒に設定

    // 3. 最初のリクエストの実行
    $response = curl_exec($ch);

    if (curl_errno($ch)) {
        echo "最初のCURLリクエストでエラーが発生しました: " . curl_error($ch) . "\n";
        // 注記: "connection reset by peer" のようなエラーが発生した場合も、
        // この後の `curl_reset` によってハンドルをクリーンな状態に戻し、
        // 次の健全なリクエストに備えることができます。
    } else {
        echo "最初のCURLリクエストが成功しました (ただし、URLが存在しない場合は404など).\n";
        // echo "レスポンス (一部): " . substr($response, 0, 100) . "...\n";
    }

    echo "\n--- CURLハンドルのリセット --- \n";

    // 4. `curl_reset`でハンドルをリセット
    // これにより、`$ch`に設定されていたすべてのオプション(URL, タイムアウトなど)がクリアされ、
    // ハンドルは初期状態に戻ります。
    curl_reset($ch);
    echo "CURLハンドルをリセットしました。すべてのオプションが初期状態に戻っています。\n";

    echo "\n--- 二番目のCURLリクエスト --- \n";

    // 5. 二番目のリクエストの設定(実際に存在するURLを使用)
    // リセットされたハンドルに新しいURLと設定を適用します。
    // 前回の CURLOPT_TIMEOUT はリセットされているため、ここで再設定しない限りデフォルト値に戻ります。
    $secondUrl = 'https://www.google.com';
    curl_setopt($ch, CURLOPT_URL, $secondUrl);
    curl_setopt($ch, CURLOPT_RETURNTRANSFER, true);
    curl_setopt($ch, CURLOPT_FOLLOWLOCATION, true); // リダイレクトを追跡する設定を新しく追加

    // 6. 二番目のCURLリクエストの実行
    $response = curl_exec($ch);

    if (curl_errno($ch)) {
        echo "二番目のCURLリクエストでエラーが発生しました: " . curl_error($ch) . "\n";
    } else {
        echo "二番目のCURLリクエストが成功しました。\n";
        // echo "レスポンス (一部): " . substr($response, 0, 100) . "...\n";
    }

    // 7. CURLリソースのクローズ
    curl_close($ch);
    echo "\nCURLリソースをクローズしました。\n";
}

// 関数を実行して、`curl_reset` の動作を確認
demonstrateCurlResetUsage();

curl_resetは、PHP 8.4のCURL拡張機能に属する関数で、既存のCURLハンドルの設定を初期状態にリセットするために使用されます。この関数は、単一のCURLハンドルを複数回再利用する際に特に役立ちます。curl_resetが呼び出されると、URL、HTTPヘッダ、タイムアウトなどの以前に設定されたすべてのオプションがクリアされ、ハンドルは新しいリクエストを受け付ける準備が整います。

引数にはリセットしたいCURLハンドル(CurlHandle型)を指定します。戻り値はvoidで、何も返しません。

この関数は、例えば連続する複数のHTTPリクエストにおいて、前のリクエストの設定が次のリクエストに影響しないようにしたい場合に非常に有効です。また、「connection reset by peer」のようなネットワーク接続エラーが発生した後、CURLハンドルを健全な状態に戻し、安全にリクエストを再試行するための準備としても利用できます。

サンプルコードでは、まずCURLハンドルを初期化し、最初のリクエストを実行します。この際にエラーが発生する可能性も考慮されます。その後、curl_resetを呼び出すことで、ハンドルに設定されていたすべてのオプションがクリアされます。リセットされたハンドルに対して改めて新しいURLやオプションを設定し、二番目のリクエストを実行することで、curl_resetがハンドルをクリーンな状態に戻し、新たなリクエストの設定を可能にしている様子が示されています。

curl_reset関数は、既存のCURLハンドルの設定をすべて初期状態に戻すためのものです。これにより、同じCURLハンドルを複数回利用する際に、前回のリクエストで行ったURLやタイムアウトなどの設定が次以降のリクエストに誤って引き継がれるのを防ぐことができます。

利用する際の注意点として、curl_resetはハンドルをクローズするわけではありません。あくまで設定をリセットするだけですので、CURLリソースの利用が完全に終了した際には、必ずcurl_closeを呼び出してリソースを解放するようにしてください。また、リセット後はすべての設定がクリアされるため、続けてリクエストを行う場合は、必要なオプション(URL、タイムアウトなど)を改めてcurl_setoptで設定し直す必要があります。

connection reset by peerのような接続エラーが発生した場合にも、ハンドルを健全な状態にリセットし、次のリクエストに備えるために活用できます。ハンドルの初期化コストを削減し、アプリケーションのパフォーマンス向上に貢献する場合があります。curl_resetvoidを返すため、関数の成功・失敗を戻り値で直接判断することはできません。

PHP curl_resetでオプションをリセットする

<?php

/**
 * プログラミング初心者のシステムエンジニア向けに、
 * curl_reset()関数の基本的な使い方を示すサンプルコードです。
 *
 * この関数は、既存のcURLハンドルに設定された全てのオプションをクリアし、
 * 初期状態に戻すために使用されます。これにより、同じcURLハンドルを再利用して
 * 全く異なるリクエストを実行する際に、以前の設定が干渉するのを防ぎます。
 */
function demonstrateCurlReset(): void
{
    // 1. cURLハンドルを初期化します。
    // PHP 8以降では、curl_init()はCurlHandleオブジェクトを返します。
    $ch = curl_init();

    if ($ch === false) {
        echo "cURLハンドルの初期化に失敗しました。cURL拡張機能が有効か確認してください。\n";
        return;
    }

    echo "--- 最初のリクエストの準備 ---\n";
    // 2. 最初のリクエストのためのオプションを設定します。
    // 例として、'https://example.com'にアクセスする設定を行います。
    curl_setopt($ch, CURLOPT_URL, "https://example.com");
    // 実行結果を文字列として取得するように設定します。
    curl_setopt($ch, CURLOPT_RETURNTRANSFER, true);
    // タイムアウトを5秒に設定します。
    curl_setopt($ch, CURLOPT_TIMEOUT, 5);
    echo "CURLOPT_URLを 'https://example.com' に設定しました。\n";
    echo "CURLOPT_RETURNTRANSFERを true に設定しました。\n";
    echo "CURLOPT_TIMEOUTを 5 秒に設定しました。\n";

    // 3. 最初のリクエストを実行します。
    echo "\n'https://example.com' へのリクエストを実行中...\n";
    $result1 = curl_exec($ch);

    if ($result1 === false) {
        echo "最初のリクエストでエラーが発生しました: " . curl_error($ch) . "\n";
    } else {
        echo "最初のリクエストは成功しました。コンテンツの冒頭部分 (最初の100文字):\n";
        echo substr($result1, 0, 100) . "...\n";
    }

    // 4. curl_reset()関数を呼び出して、cURLハンドルの全てのオプションをリセットします。
    // これにより、CURLOPT_URL、CURLOPT_RETURNTRANSFER、CURLOPT_TIMEOUTなど、
    // 上記で設定した全てのオプションがクリアされます。
    echo "\n--- curl_reset() の呼び出し ---\n";
    echo "cURLハンドルの全てのオプションが初期状態にリセットされます。\n";
    curl_reset($ch); // PHP 8.4のCurlHandle型引数を使用

    echo "\n--- リセット後の2番目のリクエストの準備 ---\n";
    // 5. オプションがリセットされたことを確認するため、新しいオプションを設定して
    // 同じcURLハンドルを使って異なるリクエストを実行します。
    // もしここでCURLOPT_URLを設定せずに実行しようとすると、URLが未設定のため失敗します。
    curl_setopt($ch, CURLOPT_URL, "https://httpbin.org/get");
    curl_setopt($ch, CURLOPT_RETURNTRANSFER, true); // 再度、結果を文字列として取得するように設定
    curl_setopt($ch, CURLOPT_TIMEOUT, 10); // 新しいリクエストのためのタイムアウトを10秒に設定
    echo "CURLOPT_URLを 'https://httpbin.org/get' に再設定しました。\n";
    echo "CURLOPT_RETURNTRANSFERを true に再設定しました。\n";
    echo "CURLOPT_TIMEOUTを 10 秒に再設定しました。\n";

    // 6. 2番目のリクエストを実行します。
    echo "\n'https://httpbin.org/get' へのリクエストを実行中...\n";
    $result2 = curl_exec($ch);

    if ($result2 === false) {
        echo "2番目のリクエストでエラーが発生しました: " . curl_error($ch) . "\n";
    } else {
        echo "2番目のリクエストは成功しました。コンテンツの冒頭部分 (最初の100文字):\n";
        echo substr($result2, 0, 100) . "...\n";
    }

    // 7. cURLハンドルを閉じ、リソースを解放します。
    curl_close($ch);
    echo "\ncURLハンドルを閉じました。\n";
}

// 上記のデモンストレーション関数を実行します。
demonstrateCurlReset();

curl_reset関数は、PHPのcURL拡張機能が提供する機能の一つで、既に初期化されたcURLハンドルに設定されている全てのオプションをクリアし、初期状態に戻すために使用されます。

この関数は、引数としてリセットしたいcURLハンドル(CurlHandleオブジェクト)を受け取ります。例えば、curl_init()で作成した$chのような変数を指定します。戻り値はvoidであり、何も値を返しません。

curl_resetを使う主な目的は、同じcURLハンドルを再利用して複数のWebリクエストを実行する際に、以前のリクエストで設定したオプション(URL、タイムアウト、HTTPヘッダーなど)が次のリクエストに影響を与えないようにすることです。これにより、リソースの無駄をなくしつつ、各リクエストを独立した設定で行うことができます。

サンプルコードでは、最初にhttps://example.comへのリクエスト設定を行い、実行しています。その後、curl_reset($ch)を呼び出すことで、そのハンドルに設定されていた全てのオプションがリセットされます。リセット後、今度はhttps://httpbin.org/getへの新たなリクエスト設定を行い、実行することで、ハンドルが完全に初期状態に戻されたことを示しています。これにより、効率的なWebリクエスト処理が可能になります。

curl_reset()は、cURLハンドルの設定オプションを全て初期状態に戻す関数です。同じハンドルを再利用して異なるリクエストを行う際に、以前の設定が干渉するのを防ぐ目的で利用します。リセット後は、再度必要なオプション(特にリクエスト先のURLなど)を全て設定し直す必要があります。これを忘れると、リクエストが失敗したり、意図しない動作になったりする原因となりますのでご注意ください。また、この関数はcURLハンドル自体を閉じませんので、処理の最後には必ずcurl_close()でリソースを解放するようにしてください。PHP 8.0以降ではcurl_init()CurlHandleオブジェクトを返し、この関数もそれを受け取ります。

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