【PHP8.x】date_create関数の使い方
『date_create関数は、指定された日付と時刻の情報から新しいDateTimeオブジェクトを生成する関数です。これは、オブジェクト指向形式の new DateTime()
と同じ機能を持つ、手続き型のエイリアスとして提供されています。第1引数には、"2024-01-01 12:30:00" のような具体的な日時や、"now"、"+1 day" といった相対的な書式を含む、PHPが解釈可能な日付・時刻文字列を渡します。この引数を省略すると、関数が呼び出された時点の現在の日時が使用されます。第2引数には、タイムゾーンを指定するためのDateTimeZoneオブジェクトを渡すことができます。これを省略した場合は、スクリプトで設定されているデフォルトのタイムゾーンが適用されます。関数が正常に実行されると、生成されたDateTimeオブジェクトが返され、このオブジェクトを用いて日付のフォーマット変更や加算・減算などの操作を行えます。もし引数の日付文字列が不正であるなど、処理に失敗した場合は false
を返します。この関数は、PHPで日付や時刻を扱う際の基本的な入り口となります。』
基本的な使い方
構文(syntax)
date_create(?string $datetime = "now", ?DateTimeZone $timezone = null): DateTime|false
引数(parameters)
?string $datetime = "now", ?DateTimeZone $timezone = null
- ?string $datetime = "now": 生成する日付と時刻を表す文字列。省略した場合、現在日時が使用されます。
- ?DateTimeZone $timezone = null: 日付と時刻のタイムゾーンを指定するDateTimeZoneオブジェクト。省略した場合、デフォルトのタイムゾーンが使用されます。
戻り値(return)
DateTime|false
指定された日時を表すDateTimeオブジェクト、または失敗した場合はfalseを返します。
サンプルコード
PHPで日付文字列をフォーマットから解析する
<?php
/**
* 指定されたフォーマットの日付文字列からDateTimeオブジェクトを作成し、結果を出力する関数。
*
* システムエンジニアを目指す初心者向けに、日付の解析と基本的なエラーハンドリングの例を示します。
*
* @param string $format 期待される日付のフォーマット (例: 'Y-m-d H:i:s')。
* @param string $dateString 解析する日付文字列 (例: '2023-10-26 15:30:00')。
* @param string $timezoneIdentifier 使用するタイムゾーンの識別子 (例: 'Asia/Tokyo', 'UTC')。
* @return void
*/
function createAndDisplayDateTimeFromFormat(string $format, string $dateString, string $timezoneIdentifier = 'UTC'): void
{
echo "--- Parsing: '{$dateString}' (Format: '{$format}', Timezone: '{$timezoneIdentifier}') ---\n";
// タイムゾーンオブジェクトを作成。無効な識別子の場合は例外を捕捉。
try {
$timezone = new DateTimeZone($timezoneIdentifier);
} catch (Exception $e) {
echo "Error: Invalid timezone identifier '{$timezoneIdentifier}'. " . $e->getMessage() . "\n\n";
return;
}
// DateTime::createFromFormat() を使用してDateTimeオブジェクトを作成します。
// 第1引数: 期待する日付のフォーマット文字列
// 第2引数: 解析する日付文字列
// 第3引数: 適用するDateTimeZoneオブジェクト (省略可能)
$dateTime = DateTime::createFromFormat($format, $dateString, $timezone);
// DateTime::createFromFormat() は成功した場合DateTimeオブジェクトを、失敗した場合falseを返します。
if ($dateTime instanceof DateTime) {
// オブジェクトが正常に作成された場合
echo "Success: DateTime object created.\n";
echo " Formatted Output: " . $dateTime->format('Y/m/d H:i:s T') . "\n";
echo " Unix Timestamp: " . $dateTime->getTimestamp() . "\n";
} else {
// オブジェクトの作成に失敗した場合
echo "Failure: Could not create DateTime object.\n";
// DateTime::getLastErrors() で詳細なエラー情報を取得できます。
$errors = DateTime::getLastErrors();
if (!empty($errors['errors'])) {
echo " Parsing Errors: " . implode(', ', $errors['errors']) . "\n";
}
if (!empty($errors['warnings'])) {
echo " Parsing Warnings: " . implode(', ', $errors['warnings']) . "\n";
}
}
echo "\n";
}
// --- サンプル使用例 ---
// 1. 正常に解析される例
createAndDisplayDateTimeFromFormat('Y-m-d H:i:s', '2023-10-26 15:30:00', 'Asia/Tokyo');
// 2. フォーマットが一致しないため失敗する例
// 日付文字列の区切り文字が'/'のため、'Y-m-d'フォーマットと一致しません。
createAndDisplayDateTimeFromFormat('Y-m-d H:i:s', '2023/10/26 15:30:00', 'Asia/Tokyo');
// 3. 日付として無効な値を含むため失敗する例 (2月30日は存在しません)
createAndDisplayDateTimeFromFormat('Y-m-d', '2023-02-30', 'UTC');
// 4. タイムゾーンを省略した例 (PHPのデフォルトタイムゾーンを使用します)
// PHPのdate.timezone設定に依存するため、環境によって結果が変わる可能性があります。
createAndDisplayDateTimeFromFormat('Y-m-d', '2024-01-01');
// 5. 無効なタイムゾーンを指定した例 (DateTimeZoneのコンストラクタが例外をスローし、関数内で処理されます)
createAndDisplayDateTimeFromFormat('Y-m-d H:i:s', '2023-11-15 10:00:00', 'Invalid/TimeZone');
PHPのdate_create
関数は自由な形式の日付文字列を解析しますが、このサンプルコードは、より厳密な日付解析を行うDateTime::createFromFormat
メソッドの利用方法をシステムエンジニアを目指す初心者の方に解説しています。このメソッドは、指定されたフォーマットの日付文字列からDateTime
オブジェクトを生成する際に使用され、外部からの入力など、形式が厳密に決まっている日付データを扱う場合に特に有効です。
関数createAndDisplayDateTimeFromFormat
は、期待する日付のフォーマット($format
)、解析する日付文字列($dateString
)、そして適用するタイムゾーンの識別子($timezoneIdentifier
)を引数として受け取ります。まず、指定されたタイムゾーン識別子からDateTimeZone
オブジェクトを作成し、もし識別子が無効であれば例外を捕捉してエラーメッセージを表示します。
次に、DateTime::createFromFormat
メソッドが呼び出され、日付文字列を解析します。このメソッドは、解析に成功した場合に日付と時刻の情報を持つDateTime
オブジェクトを返し、失敗した場合はfalse
を返します。サンプルでは、戻り値がDateTime
オブジェクトであるかを確認し、成功時には日付の整形表示やUnixタイムスタンプの取得例を示しています。一方、解析に失敗した場合は、DateTime::getLastErrors()
を使用して、具体的なエラーや警告情報を取得し、その原因を特定する方法を紹介しています。
このように、日付のフォーマット指定、タイムゾーンの適切な扱い、そして堅牢なエラーハンドリングを組み合わせることで、信頼性の高い日付処理をPHPで実装することができます。
DateTime::createFromFormat
関数は、指定されたフォーマットと日付文字列が完全に一致しないと日付オブジェクトを作成できません。関数の戻り値は成功時にDateTime
オブジェクト、失敗時にfalse
となるため、必ずinstanceof DateTime
で型をチェックしてください。失敗時にはDateTime::getLastErrors()
を使うと、具体的な解析エラーや警告を確認でき、デバッグに役立ちます。タイムゾーンを省略するとPHPのデフォルト設定に依存し、環境によって結果が変わるため、明示的にDateTimeZone
オブジェクトを渡すことを推奨します。無効なタイムゾーン識別子はDateTimeZone
コンストラクタが例外をスローするので、try-catch
でのエラー処理が重要です。
PHP date_createで日付文字列からDateTimeオブジェクトを生成する
<?php
/**
* 指定された日付文字列からDateTimeオブジェクトを生成し、
* フォーマットして表示するサンプル関数。
*
* @param string $dateString 日付として解釈する文字列 (例: '2023-10-27 15:00:00')
* @return void
*/
function createDateTimeObjectFromString(string $dateString): void
{
// date_create() は、指定された文字列を解析して新しいDateTimeオブジェクトを生成します。
// この関数は、多くの一般的な日付・時刻フォーマットを自動的に認識できます。
$dateTimeObject = date_create($dateString);
// date_create() は、無効な文字列が渡された場合に false を返します。
// そのため、オブジェクトが正しく生成されたかをチェックすることが重要です。
if ($dateTimeObject instanceof DateTime) {
// オブジェクトの生成に成功した場合
echo "入力文字列: '" . $dateString . "'" . PHP_EOL;
// format()メソッドを使用して、目的の形式で日付と時刻を出力します。
// 'Y-m-d H:i:s' は「年4桁-月2桁-日2桁 時24時間制:分2桁:秒2桁」を表します。
echo "生成された日時: " . $dateTimeObject->format('Y-m-d H:i:s') . PHP_EOL;
} else {
// オブジェクトの生成に失敗した場合
echo "エラー: '" . $dateString . "' は有効な日付文字列ではありません。" . PHP_EOL;
}
}
// --- 関数の実行例 ---
// 具体的な日付文字列からDateTimeオブジェクトを生成する
createDateTimeObjectFromString('2025-01-20 10:30:00');
echo PHP_EOL; // 見やすくするために改行を出力
// 別のフォーマットの文字列からDateTimeオブジェクトを生成する
createDateTimeObjectFromString('31 December 2024');
echo PHP_EOL;
// 無効な文字列を渡して、失敗するケースを確認する
createDateTimeObjectFromString('invalid date string');
?>
date_create
関数は、PHPで日付や時刻を扱うための重要な関数の一つです。この関数は、指定された日付・時刻を表す文字列を解析し、DateTime
オブジェクトというより扱いやすい形式に変換します。
第一引数$datetime
には、'2025-01-20 10:30:00'や'31 December 2024'のような、日付として解釈できる文字列を渡します。この引数を省略すると、デフォルトで現在の時刻が使用されます。
date_create
関数の戻り値は、文字列の解析に成功した場合はDateTime
オブジェクト、解析に失敗した場合(例えば「invalid date string」のような無効な文字列が渡された場合)はブール値のfalse
となります。そのため、サンプルコードのようにif ($dateTimeObject instanceof DateTime)
で戻り値の型を確認し、エラーが発生していないかをチェックすることが重要です。
成功してDateTime
オブジェクトが得られた場合、そのオブジェクトが持つformat()
メソッドを利用して、'Y-m-d H:i:s'のように指定した書式で日付や時刻を表示することができます。この関数を使うことで、様々な形式の文字列から柔軟に日付オブジェクトを生成し、プログラム内で利用できるようになります。
date_create
関数は、指定された文字列を日付として解析できない場合、false
を返します。そのため、戻り値がDateTime
オブジェクトであるかをinstanceof DateTime
などで必ず確認し、オブジェクトが正しく生成されたかチェックすることが非常に重要です。無効な日付文字列をそのまま扱うと、プログラムが予期しないエラーや動作停止につながる可能性があります。また、引数$datetime
に文字列を指定しない場合、現在日時("now")が使われます。タイムゾーンを指定しない場合、PHPのデフォルト設定に依存しますので、意図したタイムゾーンで日時を扱いたい場合は、引数にDateTimeZone
オブジェクトを明示的に指定することをおすすめします。生成されたDateTime
オブジェクトはformat()
メソッドで多様な表示形式に整形できます。