【PHP8.x】date_modify関数の使い方

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date_modify関数は、PHPのDateTimeオブジェクトのタイムスタンプを変更する関数です。この関数は、指定されたDateTimeオブジェクトに、相対的な日時変更を適用するために利用されます。

関数は二つの引数を受け取ります。一つ目は変更対象となるDateTimeオブジェクト、二つ目は変更内容を表す文字列です。この文字列には、「+1 day」や「-2 weeks」、「next Monday」といった柔軟な形式で、日時をどのように調整するかを指定できます。

date_modify関数を実行すると、渡されたDateTimeオブジェクト自身が直接変更され、その変更後のDateTimeオブジェクトが戻り値として返されます。これにより、元のオブジェクトが意図した日時に更新されます。

DateTimeオブジェクトを操作することで、タイムゾーンの概念を適切に扱いながら、日付や時刻の加算、減算、特定の時点への移動といった複雑な日時操作を安全かつ簡潔に行うことができます。特に、多様な書式で日時調整を指定できるため、さまざまな要件に対応した日時処理を効率的に実装する際に役立ちます。システム開発において、日時データの正確な管理と操作は非常に重要であり、この関数はその強力なツールの一つです。

基本的な使い方

構文(syntax)

<?php
$dateTimeObject = new DateTime('now');
$modifierString = '+1 week';

date_modify($dateTimeObject, $modifierString);
?>

引数(parameters)

DateTime $object, string $modifier

  • DateTime $object: 操作対象となるDateTimeオブジェクト
  • string $modifier: 日付や時刻の変更内容を指定する文字列

戻り値(return)

DateTime|false

date_modify関数は、DateTimeオブジェクトの指定された変更を適用した結果、成功した場合は変更後のDateTimeオブジェクトを、失敗した場合はfalseを返します。

サンプルコード

PHP: DateTimeをdate_modifyで変更する

<?php

// DateTimeオブジェクトを生成し、初期の日時を設定します。
// これは、現在の日時ではなく、特定の基準日として使用します。
$date = new DateTime('2023-10-26 15:30:00');

echo "元のDateTimeオブジェクト: " . $date->format('Y-m-d H:i:s') . "\n";

// date_modify関数を使って、DateTimeオブジェクトの日時を変更します。
// 第一引数には変更したいDateTimeオブジェクト、
// 第二引数には変更内容を示す文字列(modifier)を指定します。

// 例1: 5日後を追加する
// modifierとして '+5 days' を指定します。
// date_modifyは、成功すると変更されたDateTimeオブジェクトを返し、
// 失敗すると false を返します。
if (date_modify($date, '+5 days') !== false) {
    echo "5日後: " . $date->format('Y-m-d H:i:s') . "\n";
} else {
    echo "日付の変更に失敗しました。\n";
}

// 例2: そこから2時間前
// modifierとして '-2 hours' を指定します。
// `$date`オブジェクトは前回の操作で既に変更されています。
if (date_modify($date, '-2 hours') !== false) {
    echo "そこから2時間前: " . $date->format('Y-m-d H:i:s') . "\n";
} else {
    echo "日付の変更に失敗しました。\n";
}

// 例3: 次の月曜日に変更
// modifierとして 'next monday' を指定します。
if (date_modify($date, 'next monday') !== false) {
    echo "次の月曜日に変更: " . $date->format('Y-m-d H:i:s') . "\n";
} else {
    echo "日付の変更に失敗しました。\n";
}

// 注意: date_modify関数は、引数として渡されたDateTimeオブジェクト自体を直接変更します。
// そのため、毎回同じ `$date` 変数の内容が更新されていきます。

?>

PHPのdate_modify関数は、既存のDateTimeオブジェクトの日時を簡潔に変更するために用いられます。システムエンジニアを目指す上で、日付や時刻の操作は基本的なスキルとなるため、この関数の使い方を理解することは重要です。

この関数は、第一引数に変更したいDateTimeオブジェクトを、第二引数に変更内容を示す文字列(modifier)を受け取ります。modifier文字列は非常に柔軟で、「+5 days」のように具体的な時間の増減を指定できるほか、「next monday」のように相対的な日時への変更も可能です。

date_modify関数が成功すると、変更されたDateTimeオブジェクトが返されます。しかし、最も重要な点は、この関数が引数として渡されたDateTimeオブジェクト自体を直接変更するという挙動です。そのため、サンプルコードのように、一度$dateオブジェクトを生成した後、date_modifyを呼び出すたびに$date変数の内容が順次更新されていくことを確認できます。例えば、最初に設定された2023-10-26 15:30:00+5 daysで変更され、さらにその変更された日時から-2 hoursnext mondayといった操作が適用されていきます。

もし日時の変更処理が失敗した場合は、戻り値としてfalseが返されます。そのため、サンプルコードのようにif (date_modify(...) !== false)という条件式を用いて、変更が正常に行われたかを確認することが推奨されます。これにより、予期せぬ日付の変更を防ぎ、堅牢なコードを記述することができます。date_modify関数は、日時の計算や調整をシンプルかつ効率的に行うための強力なツールです。

date_modify関数は、引数で渡されたDateTimeオブジェクト自体を直接変更します。新しいオブジェクトを返すわけではないため、元のオブジェクトの値を残しておきたい場合は、操作の前にcloneキーワードを使って複製することを検討してください。また、この関数は日時の変更に失敗した場合にfalseを返します。予期せぬエラーを防ぐため、必ず戻り値をチェックし、適切なエラーハンドリングを行うようにしましょう。modifier文字列は非常に柔軟ですが、意図通りの日時変更が行われるよう、常に正確な記述を心がけることが大切です。

PHPでDateTimeを月末に変更する

<?php

/**
 * 指定されたDateTimeオブジェクトをその月の最終日に変更し、変更されたオブジェクトを返します。
 *
 * date_modify関数は、渡されたDateTimeオブジェクト自体を変更します。
 * そのため、引数に渡された$dateオブジェクトもこの関数内で変更されます。
 * この関数は、変更後のDateTimeオブジェクトを返しますが、これは引数に渡されたものと同じインスタンスです。
 *
 * @param DateTime $date 変更したい日付のDateTimeオブジェクト。このオブジェクト自体が変更されます。
 * @return DateTime|false 変更されたDateTimeオブジェクト(成功時)、または処理に失敗した場合はfalse。
 */
function modifyDateToLastDayOfMonth(DateTime $date): DateTime|false
{
    // date_modify関数を使用して、DateTimeオブジェクトをその月の最終日に変更します。
    // "last day of this month"というmodifierは、現在のDateTimeオブジェクトの月を基準に
    // その月の最終日を設定します。
    return date_modify($date, 'last day of this month');
}

// --- 使用例 ---

// 1. 閏年の2月の日付で試す
// 2024年2月15日のDateTimeオブジェクトを作成
$dateFebruary = new DateTime('2024-02-15');
echo "元のDateTimeオブジェクト (2月): " . $dateFebruary->format('Y-m-d') . "\n";

// modifyDateToLastDayOfMonth関数を呼び出して、日付をその月の最終日に変更
$modifiedDateFebruary = modifyDateToLastDayOfMonth($dateFebruary);

if ($modifiedDateFebruary instanceof DateTime) {
    echo "変更後のDateTimeオブジェクト (2月の最終日): " . $modifiedDateFebruary->format('Y-m-d') . "\n";
    // 注意: $dateFebruary 変数自体も変更されています。
    echo "元の変数 (\$dateFebruary) の現在の値: " . $dateFebruary->format('Y-m-d') . "\n";
} else {
    echo "日付の変更に失敗しました。\n";
}

echo "\n"; // 出力を見やすくするための区切り

// 2. 31日まである月の日付で試す
// 2023年1月20日のDateTimeオブジェクトを作成
$dateJanuary = new DateTime('2023-01-20');
echo "元のDateTimeオブジェクト (1月): " . $dateJanuary->format('Y-m-d') . "\n";

// modifyDateToLastDayOfMonth関数を呼び出して、日付をその月の最終日に変更
$modifiedDateJanuary = modifyDateToLastDayOfMonth($dateJanuary);

if ($modifiedDateJanuary instanceof DateTime) {
    echo "変更後のDateTimeオブジェクト (1月の最終日): " . $modifiedDateJanuary->format('Y-m-d') . "\n";
    // 注意: $dateJanuary 変数自体も変更されています。
    echo "元の変数 (\$dateJanuary) の現在の値: " . $dateJanuary->format('Y-m-d') . "\n";
} else {
    echo "日付の変更に失敗しました。\n";
}

?>

PHPのdate_modify関数は、既存のDateTimeオブジェクトの日付や時刻を、指定されたルールに基づいて変更するために利用されます。第一引数には変更したいDateTimeオブジェクトを渡し、第二引数には日付変更の指示を示す文字列(モディファイア)を指定します。特に重要な点は、この関数が引数として渡されたDateTimeオブジェクト自体を直接変更することです。そのため、関数呼び出し後には元の変数の値も変更されています。戻り値は、変更が成功した場合は変更後のDateTimeオブジェクトを、失敗した場合はfalseを返します。成功時に返されるオブジェクトは、引数に渡されたものと全く同じインスタンスです。

サンプルコードでは、date_modify関数を使い「last day of this month」(現在の月の最終日)というモディファイアで、指定された日付をその月の最終日に変更するmodifyDateToLastDayOfMonth関数を定義しています。例えば、2024年2月15日のDateTimeオブジェクトをこの関数に渡すと、date_modifyによってそのオブジェクトは2024年2月29日(閏年の最終日)に変更されます。関数実行後、元の変数$dateFebruaryも変更後の値を持つことが確認でき、日付計算を直感的に行えることを示しています。

date_modify関数は、引数として渡されたDateTimeオブジェクト自体を直接変更します。そのため、関数呼び出し後には元の変数の日付も更新されている点に特に注意が必要です。予期せぬ副作用を避けるためには、変更前にDateTimeオブジェクトをcloneで複製して使うことを推奨します。また、この関数は処理に失敗するとfalseを返すため、必ず戻り値がDateTimeオブジェクトであるかを確認し、適切にエラー処理を行ってください。これにより、安全かつ意図した通りにコードを動作させることができます。

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