【PHP8.x】date_time_set関数の使い方

作成日: 更新日:

date_time_set関数は、指定されたDateTimeオブジェクトの時刻(時、分、秒)を設定または変更するために使用される関数です。この関数は、すでに日付と時刻の情報を持つDateTimeオブジェクトに対し、その日付部分はそのままに、時間のみを新しい値で上書きしたい場合に役立ちます。

具体的には、第一引数に操作対象のDateTimeオブジェクトを渡し、第二引数以降に設定したい時(0-23)、分(0-59)、秒(0-59)を整数値で指定します。例えば、ある日付が今日の日中を指していても、この関数を使えば、その日の夜10時に時刻を変更するといった操作が可能です。関数は、時刻が正常に設定されたDateTimeオブジェクトを返します。もし不正な引数が渡されるなどの問題が発生した場合は、falseを返してエラーを示します。

注意点として、このdate_time_set関数はPHPの以前のバージョンで利用されていました。現在のPHP 8.4.12のような新しいバージョンでは、DateTimeクラスのsetTimeメソッド(例: $dateTimeObject->setTime($hour, $minute, $second);)を使用することが標準的な方法とされています。機能としては同様ですが、DateTimeオブジェクト指向の記述が推奨されており、より一貫性のあるコード記述が可能です。システムエンジニアを目指す上では、現在の推奨されるsetTimeメソッドの利用方法を習得することが重要です。

基本的な使い方

構文(syntax)

date_time_set(DateTime $object, int $hour, int $minute, int $second = 0): bool;

引数(parameters)

DateTime $object, int $hour, int $minute, int $second = 0, int $microsecond = 0

  • DateTime $object: 時刻を設定する対象のDateTimeオブジェクト
  • int $hour: 設定する時 (0から23)
  • int $minute: 設定する分 (0から59)
  • int $second: 設定する秒 (0から59、デフォルトは0)
  • int $microsecond: 設定するマイクロ秒 (0から999999、デフォルトは0)

戻り値(return)

DateTime

指定された日付と時刻の情報を持つDateTimeオブジェクトを返します。

サンプルコード

DateTimeの時刻を0にする

<?php

// 現在の日付と時刻を持つDateTimeオブジェクトを作成します。
// 例: '2023-10-27 15:30:45.123456' のような日時で初期化されます。
$dateTime = new DateTime();

// 時刻設定前のDateTimeオブジェクトを表示します。
echo "元のDateTimeオブジェクト: " . $dateTime->format('Y-m-d H:i:s.u') . PHP_EOL;

// date_time_set() メソッドを使って、DateTimeオブジェクトの時刻を00:00:00.000000に設定します。
// 引数は (時, 分, 秒, マイクロ秒) の順です。
// このメソッドは、対象のDateTimeオブジェクト自身を変更し、そのオブジェクトを返します。
$dateTime->date_time_set(0, 0, 0, 0);

// 時刻設定後のDateTimeオブジェクトを表示します。
// 日付は変更されず、時刻のみが00:00:00に設定されていることを確認できます。
echo "時刻を00:00:00に設定後のDateTimeオブジェクト: " . $dateTime->format('Y-m-d H:i:s.u') . PHP_EOL;

// 特定の日付で時刻を00:00:00に設定する別の例
$specificDateTime = new DateTime('2024-01-15 10:20:30.987654');
echo "元の特定日付DateTimeオブジェクト: " . $specificDateTime->format('Y-m-d H:i:s.u') . PHP_EOL;

$specificDateTime->date_time_set(0, 0, 0, 0);
echo "時刻を00:00:00に設定後の特定日付DateTimeオブジェクト: " . $specificDateTime->format('Y-m-d H:i:s.u') . PHP_EOL;

?>

PHPのDateTimeオブジェクトが提供するdate_time_setメソッドは、既存のDateTimeオブジェクトの時刻部分(時、分、秒、マイクロ秒)を任意の値に設定するために使用されます。

サンプルコードでは、まずnew DateTime()を使って現在の日付と時刻を持つDateTimeオブジェクトを作成し、その初期値として表示しています。次に、$dateTime->date_time_set(0, 0, 0, 0)を呼び出し、引数に『時:0、分:0、秒:0、マイクロ秒:0』を指定することで、このDateTimeオブジェクトの時刻を一日の始まりである『00:00:00.000000』に設定しています。

このメソッドは、最初の引数で指定されたDateTimeオブジェクト自身を変更し、変更後のそのオブジェクトを戻り値として返します。日付部分は変更されず、時刻だけが指定された値に更新されるのが特徴です。コードを実行すると、元のDateTimeオブジェクトの日付はそのままに、時刻だけが00:00:00に更新されていることが確認できます。2つ目の例でも、任意の日付を持つDateTimeオブジェクトに対し、同様にdate_time_setメソッドで時刻を00:00:00に設定し、その結果を示しています。

date_time_setメソッドは、呼び出したDateTimeオブジェクト自身の時刻を直接変更します。新しいDateTimeオブジェクトを生成して返すわけではないため、元の時刻情報を残したい場合は、処理の前にcloneキーワードでオブジェクトの複製を作成してください。このメソッドは日付部分には影響せず、時・分・秒・マイクロ秒の時刻情報のみを設定します。引数に0を指定することで、サンプルコードのように時刻を00:00:00.000000にリセットできます。戻り値は変更後のDateTimeオブジェクト自身です。日付を維持しつつ時刻を特定の値に設定したい場合に便利です。

PHP: date_time_setとタイムゾーンを扱う

<?php

/**
 * PHPの date_time_set 関数を使用して DateTime オブジェクトの時刻を設定し、
 * タイムゾーンの扱われ方を示すサンプルコードです。
 *
 * この関数は、既存の DateTime オブジェクトの日付部分を維持したまま、
 * 時刻 (時、分、秒、マイクロ秒) を変更します。
 * また、タイムゾーンが設定された DateTime オブジェクトに時刻を設定し、
 * その後タイムゾーンを変更した場合の表示の変化も示します。
 */
function demonstrateDateTimeSetWithTimezone(): void
{
    // 1. タイムゾーンを定義します。ここでは「America/New_York」を使用します。
    $newYorkTimezone = new DateTimeZone('America/New_York');

    // 2. 現在の日時を、指定したタイムゾーン付きで DateTime オブジェクトとして初期化します。
    $dateTime = new DateTime('now', $newYorkTimezone);

    echo "--- 時刻変更前 ---\n";
    echo "現在の設定日時 (タイムゾーン: {$newYorkTimezone->getName()}): " . $dateTime->format('Y-m-d H:i:s.u P') . PHP_EOL;

    // 3. date_time_set 関数を使って、DateTime オブジェクトの時刻部分を設定します。
    //    この関数は日付部分を変更せず、時刻のみを変更します。
    //    引数: DateTime $object, int $hour, int $minute, int $second = 0, int $microsecond = 0
    $hour = 15;        // 設定する時 (0-23)
    $minute = 30;      // 設定する分 (0-59)
    $second = 45;      // 設定する秒 (0-59)
    $microsecond = 123456; // 設定するマイクロ秒 (0-999999)

    // date_time_set は元の $dateTime オブジェクトを変更し、そのオブジェクト自体を返します。
    date_time_set($dateTime, $hour, $minute, $second, $microsecond);

    echo "\n--- 時刻変更後 ---\n";
    echo "時刻変更後の日時 (タイムゾーン: {$newYorkTimezone->getName()}): " . $dateTime->format('Y-m-d H:i:s.u P') . PHP_EOL;

    // 4. 設定された時刻が、異なるタイムゾーンではどのように表示されるかを確認します。
    //    DateTime オブジェクトのタイムゾーンを変更しても、設定された「特定の瞬間」は変わりません。
    //    表示される時刻の文字列だけが、新しいタイムゾーンに合わせて調整されます。
    $tokyoTimezone = new DateTimeZone('Asia/Tokyo');
    $dateTime->setTimezone($tokyoTimezone); // DateTime オブジェクトのタイムゾーンを変更

    echo "\n--- タイムゾーン変更後 (東京時間) ---\n";
    echo "タイムゾーン変更後の日時 (タイムゾーン: {$tokyoTimezone->getName()}): " . $dateTime->format('Y-m-d H:i:s.u P') . PHP_EOL;
}

// 上記で定義した関数を実行します。
demonstrateDateTimeSetWithTimezone();

PHPのdate_time_set関数は、既存のDateTimeオブジェクトの日付部分を維持したまま、時刻(時、分、秒、マイクロ秒)を設定するための機能です。この関数は、第一引数に操作したいDateTimeオブジェクトを受け取り、第二引数以降で設定したい時、分、秒、マイクロ秒をそれぞれ整数で指定します。関数は、渡されたDateTimeオブジェクト自体を変更し、その変更されたDateTimeオブジェクトを戻り値として返します。

サンプルコードでは、まずAmerica/New_Yorkタイムゾーンで現在の時刻を持つDateTimeオブジェクトを初期化しています。その後、date_time_set関数を用いて、このオブジェクトの時刻部分を例えば「15時30分45秒123456マイクロ秒」に設定します。この際、日付は元のまま保持され、時刻のみが指定された値に更新されます。

次に、設定後のDateTimeオブジェクトのタイムゾーンをAsia/Tokyoに変更しています。ここで重要な点は、date_time_setで設定された「特定の瞬間」が変更されるわけではない、ということです。DateTimeオブジェクトに設定されているタイムゾーンを変更すると、その「特定の瞬間」が新しいタイムゾーンでは何時になるかという表示上の時刻が自動的に調整されます。これにより、date_time_setが時刻部分のみを設定し、タイムゾーンの解釈はDateTimeオブジェクトが持つタイムゾーン設定に依存することが理解できます。この関数は、日付を変更せずに時刻だけを効率的に調整したい場合に役立ちます。

date_time_set関数は、既存のDateTimeオブジェクトの日付部分を保持したまま、時刻(時、分、秒、マイクロ秒)のみを上書き変更します。この関数は元のDateTimeオブジェクト自体を直接変更し、そのオブジェクトを戻り値として返します。 DateTimeオブジェクトは内部的に「特定の瞬間」を保持しており、date_time_setで時刻を設定したり、setTimezoneでタイムゾーンを変更したりしても、この「特定の瞬間」自体が変わることはありません。setTimezoneを実行すると、保持している「瞬間」が新しいタイムゾーンではどのような時刻として表示されるかが調整されるだけです。複数のタイムゾーンを扱うシステムでは、常にDateTimeオブジェクトがどのタイムゾーン設定で初期化され、表示されているかを意識することが、時刻の正確な管理に繋がります。

【PHP8.x】date_time_set関数の使い方 | いっしー@Webエンジニア