【PHP8.x】timezone_offset_get関数の使い方

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timezone_offset_get関数は、指定されたタイムゾーンと特定の日時の組み合わせにおける、協定世界時(UTC)からのオフセット(時間差)を秒単位で取得する関数です。この関数は、主に日付や時刻を扱う際に、異なるタイムゾーン間の時間差を正確に計算する必要がある場合や、夏時間(サマータイム)の有無を考慮したオフセットを知りたい場合に利用されます。

引数としては、まずオフセットを知りたいタイムゾーンを表すDateTimeZoneオブジェクトを渡します。次に、オフセットを計算する基準となる特定の日時を表すDateTimeInterfaceオブジェクトを指定します。このDateTimeInterfaceオブジェクトの日時情報に基づいて、夏時間などが適用されているかどうかが判断され、その時点での正確なオフセットが算出されます。

戻り値は、UTCからのオフセットを秒単位で表す整数値です。例えば、日本標準時(JST)はUTCより9時間進んでいるため、この関数は通常32400(9時間 × 3600秒)を返します。この機能により、開発者は世界中の様々なタイムゾーンにおける時間差を、自動的かつ正確に取得し、アプリケーション内で適切に処理できるようになります。日付と時刻の国際化対応において非常に重要な役割を果たす関数です。

基本的な使い方

構文(syntax)

<?php

function timezone_offset_get(DateTimeZone $timezone, DateTime $datetime): int
{}

引数(parameters)

DateTimeZone $object, DateTimeInterface $datetime

  • DateTimeZone $object: タイムゾーン情報を取得する対象の DateTimeZone オブジェクト
  • DateTimeInterface $datetime: タイムゾーンオフセットを計算する対象の日時を指定する DateTimeInterface を実装したオブジェクト

戻り値(return)

戻り値なし

戻り値はありません

サンプルコード

PHPで現在のタイムゾーンオフセットを取得する

<?php

/**
 * 現在のタイムゾーンのオフセット(秒単位)を取得するサンプルコード
 */

// タイムゾーンを設定
date_default_timezone_set('Asia/Tokyo');

// 現在のタイムゾーンオブジェクトを作成
$timezone = new DateTimeZone(date_default_timezone_get());

// 現在時刻の DateTimeImmutable オブジェクトを作成
$datetime = new DateTimeImmutable();

// タイムゾーンのオフセットを取得
$offset = timezone_offset_get($timezone, $datetime);

// 結果を出力
echo '現在のタイムゾーンオフセット (秒): ' . $offset . PHP_EOL;

?>

このサンプルコードは、PHPで現在のタイムゾーンのオフセット(UTCからのずれ)を秒単位で取得する方法を示しています。システムエンジニアを目指す方が、タイムゾーンを扱う際の基礎として役立つでしょう。

まず、date_default_timezone_set()関数を使用して、スクリプトで使用するデフォルトのタイムゾーンを 'Asia/Tokyo' に設定します。これにより、以降のDateTime関連の処理が特定のタイムゾーンに基づいて行われるようになります。

次に、DateTimeZoneクラスのインスタンスを作成し、date_default_timezone_get()関数で取得したタイムゾーン名を渡します。このDateTimeZoneオブジェクトが、タイムゾーン情報を保持します。

DateTimeImmutableクラスは、変更不可能な日時オブジェクトを作成するために使用されます。ここでは、現在時刻を表すDateTimeImmutableオブジェクトを作成しています。

そして、timezone_offset_get()関数を使用して、指定されたDateTimeZoneオブジェクトとDateTimeInterfaceオブジェクト(ここではDateTimeImmutableオブジェクト)に基づいて、タイムゾーンのオフセットを秒単位で取得します。この関数は、第一引数にDateTimeZoneオブジェクト、第二引数にDateTimeInterfaceを実装した日時オブジェクトを渡します。戻り値として、UTCからのずれを秒単位で表す数値が返されます。

最後に、取得したオフセット値を echo で出力します。これにより、現在のタイムゾーンがUTCからどれだけずれているかを確認できます。このサンプルコードを実行することで、PHPにおけるタイムゾーンの扱い方と、オフセットの取得方法を理解することができます。

timezone_offset_get関数を使う際は、引数の型に注意が必要です。第一引数はDateTimeZoneオブジェクト、第二引数はDateTimeInterfaceを実装したオブジェクト(例: DateTimeDateTimeImmutable)を指定します。タイムゾーンの設定にはdate_default_timezone_setを使用できますが、これはスクリプト全体に影響するため、意図しない動作を防ぐためにも、DateTimeZoneオブジェクトを明示的に指定することを推奨します。オフセットは秒単位で返されるため、必要に応じて時差に変換してください。PHPのバージョンによっては、タイムゾーンデータベースが古い場合があるため、最新版に更新することを検討してください。

PHPでタイムゾーンのUTCオフセットを取得する

<?php

declare(strict_types=1);

/**
 * 指定したタイムゾーンと日時のUTCからのオフセット(時差)を取得して表示します。
 *
 * `timezone_offset_get` は、DateTimeZoneオブジェクトとDateTimeInterfaceオブジェクトを
 * 引数に取り、指定された日時におけるUTCからのオフセットを秒単位の整数で返します。
 * 夏時間(サマータイム)も考慮されます。
 *
 * @param string $timezoneIdentifier タイムゾーン識別子 (例: 'Asia/Tokyo', 'America/New_York')
 * @param string $dateTimeString     日時を表す文字列 (例: '2024-08-01 10:00:00')
 * @return void
 */
function displayTimezoneOffsetExample(string $timezoneIdentifier, string $dateTimeString): void
{
    try {
        // 1. タイムゾーンを表す DateTimeZone オブジェクトを生成します。
        $timezone = new DateTimeZone($timezoneIdentifier);

        // 2. 日時を表す DateTime オブジェクトを生成します。
        //    この日時が、どの時点でのオフセットを取得するかの基準になります。
        $datetime = new DateTime($dateTimeString, $timezone);

        // 3. timezone_offset_get() を呼び出し、UTCからのオフセットを秒単位で取得します。
        $offsetInSeconds = timezone_offset_get($timezone, $datetime);

        // 4. 人間が読みやすいように、時差を「+HH:MM」形式に変換します。
        $hours = floor(abs($offsetInSeconds) / 3600);
        $minutes = floor((abs($offsetInSeconds) % 3600) / 60);
        $sign = ($offsetInSeconds >= 0) ? '+' : '-';
        $offsetFormatted = sprintf('%s%02d:%02d', $sign, $hours, $minutes);

        // 結果を出力します。
        printf(
            "タイムゾーン '%s' の日時 '%s' 時点でのUTCオフセット:\n",
            $timezoneIdentifier,
            $datetime->format('Y-m-d H:i:s')
        );
        printf("  - %d 秒\n", $offsetInSeconds);
        printf("  - %s\n\n", $offsetFormatted);

    } catch (Exception $e) {
        // タイムゾーン識別子が不正な場合などのエラーを処理します。
        echo "エラー: " . $e->getMessage() . "\n";
    }
}

// --- 実行例 ---

// 日本時間 (JST) は常にUTC+9時間です。
displayTimezoneOffsetExample('Asia/Tokyo', '2024-11-01 12:00:00');

// ニューヨークの冬時間 (EST) は UTC-5時間です。
displayTimezoneOffsetExample('America/New_York', '2024-11-01 12:00:00');

// ニューヨークの夏時間 (EDT) は UTC-4時間です。
// このように、同じタイムゾーンでも日時によってオフセットが変わることが分かります。
displayTimezoneOffsetExample('America/New_York', '2024-08-01 12:00:00');

?>

PHPのtimezone_offset_get関数は、指定されたタイムゾーンと特定の日時において、UTC(協定世界時)からの時差(オフセット)を秒単位で取得するために使用されます。この関数は、第一引数にタイムゾーンを表すDateTimeZoneオブジェクトを、第二引数にオフセット計算の基準となる日時を表すDateTimeInterfaceオブジェクトを取ります。特に、夏時間(サマータイム)が適用される地域では、同じタイムゾーンであっても日時によってUTCからのオフセットが変化するため、DateTimeInterfaceオブジェクトで正確な日時を指定することが重要です。この関数は、UTCからのオフセットを整数値(秒単位)で返します。

提供されたサンプルコードでは、displayTimezoneOffsetExample関数内で、まず指定されたタイムゾーン識別子と日時文字列からDateTimeZoneおよびDateTimeオブジェクトをそれぞれ生成しています。その後、timezone_offset_get関数を呼び出して秒単位のオフセットを取得し、その結果を人間が読みやすい「+HH:MM」形式に変換して表示しています。複数の実行例を通して、同じタイムゾーンでも日時(冬時間や夏時間)によってオフセットが異なることが分かりやすく示されており、システムが正確な時刻情報を扱う上で非常に役立つ機能です。

timezone_offset_get関数を使う際の注意点です。第一引数にはDateTimeZoneオブジェクト、第二引数にはDateTimeInterfaceオブジェクトを渡す必要があります。文字列を直接渡すとエラーになります。タイムゾーンや日時の指定が誤っていると、Exceptionが発生する可能性があるため、try-catchブロックで囲み、エラー処理を行うようにしましょう。オフセットは秒単位で返されるため、必要に応じて時間や分に変換してください。夏時間(サマータイム)の適用期間は、同じタイムゾーンでも日時によってオフセットが異なる点に注意が必要です。

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