【PHP8.x】mhash関数の使い方
mhash関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
mhash関数は、さまざまなハッシュアルゴリズムを用いてメッセージダイジェスト(ハッシュ値)を計算するために使用された関数です。この関数は、入力されたデータに対して特定のアルゴリズム(例えばMD5やSHA1など)を適用し、固定長の短い文字列(ハッシュ値)を生成します。生成されたハッシュ値は、データの整合性検証や、データが改ざんされていないことの確認などに利用されました。
具体的には、第一引数でハッシュアルゴリズムの定数(例:MHASH_MD5)、第二引数でハッシュを計算する対象の文字列データを指定し、オプションで第三引数に秘密鍵を指定することで、メッセージ認証コード(MAC)を生成することも可能でした。これにより、データの真正性を保証する目的でも活用されました。
しかしながら、mhash関数はPHP 5.3.0で非推奨となり、PHP 7.0.0で完全に削除されました。したがって、現在主流となっているPHP 8.4の環境では、この関数は利用できません。PHPでは、より新しく、柔軟性の高いhash関数ファミリー(hash(), hash_init(), hash_update(), hash_final()など)が提供されており、mhash関数が提供していた全ての機能に加え、さらに多くのハッシュアルゴリズムや機能を利用することができます。新しいプロジェクトや既存のコードをアップグレードする際には、これらのhash関数ファミリーへの移行が推奨されます。
構文(syntax)
1<?php 2$data_to_hash = "input_string_for_hashing"; 3$hashed_output = mhash(MHASH_SHA256, $data_to_hash); 4?>
引数(parameters)
int $algo, string $data, ?string $key = NULL
- int $algo: ハッシュアルゴリズムを指定する整数。
hash_algos()関数で利用可能なアルゴリズムのリストを取得できます。 - string $data: ハッシュ化したいデータ本体を指定する文字列。
- ?string $key = NULL: オプション。HMAC(Hash-based Message Authentication Code)で使用するキーを指定する文字列。指定しない場合は、HMACは使用されません。
戻り値(return)
string|false
指定されたハッシュアルゴリズムによるデータのハッシュ値を文字列として返します。ハッシュ化に失敗した場合は false を返します。
サンプルコード
PHP 8.4 mhash非推奨時代のハッシュ生成
1<?php 2 3/** 4 * mhash()関数の代わりにPHP 8.4以降で推奨されるハッシュ生成方法を示します。 5 * 6 * mhash()関数はPHP 7.0で非推奨となり、PHP 8.0で完全に削除されました。 7 * そのため、PHP 8.4でmhash()を呼び出そうとすると、致命的なエラーが発生します。 8 * この関数は、mhash()の現代的な代替であるhash()およびhash_hmac()関数の使用方法を説明します。 9 * 10 * @param string $data ハッシュ化する文字列。 11 * @param string $algorithm 使用するハッシュアルゴリズム (例: 'sha256', 'md5')。 12 * mhash()はMHASH_SHA1のような整数定数を使用しましたが、 13 * hash()は文字列名を使用します。 14 * @param string|null $key HMACハッシュのためのオプションのキー。 15 * @return string ハッシュ化された文字列、またはアルゴリズムがサポートされていない場合はエラーメッセージ。 16 */ 17function generateHashForModernPhp(string $data, string $algorithm, ?string $key = null): string 18{ 19 // 重要: mhash()関数はPHP 8.4では利用できません。 20 // PHP 8.0で削除されたため、このバージョン以降でmhash()を呼び出すと致命的なエラーが発生します。 21 // 例 (PHP 8.0以降では致命的なエラーを引き起こします): 22 // $mhash_result = mhash(MHASH_SHA256, $data, $key); 23 24 // アルゴリズムが現在のPHP環境でサポートされているか確認します。 25 if (!in_array($algorithm, hash_algos(), true)) { 26 return "エラー: ハッシュアルゴリズム '{$algorithm}' はサポートされていません。"; 27 } 28 29 // キーが指定されている場合はHMACハッシュ、そうでない場合は標準ハッシュを使用します。 30 if ($key !== null) { 31 // HMACハッシュの場合はhash_hmac()を使用します。 32 return hash_hmac($algorithm, $data, $key); 33 } else { 34 // 標準ハッシュの場合はhash()を使用します。 35 return hash($algorithm, $data); 36 } 37} 38 39// --- PHP 8.4 での利用例 --- 40$inputString = "これはハッシュ化のためのテスト文字列です。"; 41$hmacKey = "秘密のキー"; 42 43// SHA256ハッシュの例 (mhash()のMHASH_SHA256に相当する現代的な方法) 44echo "SHA256 ハッシュ: " . generateHashForModernPhp($inputString, 'sha256') . PHP_EOL; 45 46// SHA256 HMACハッシュの例 47echo "SHA256 HMAC ハッシュ: " . generateHashForModernPhp($inputString, 'sha256', $hmacKey) . PHP_EOL; 48 49// MD5ハッシュの例 (mhash()のMHASH_MD5に相当しますが、セキュリティ上の理由から非推奨です) 50echo "MD5 ハッシュ: " . generateHashForModernPhp($inputString, 'md5') . PHP_EOL; 51 52// 存在しないアルゴリズムを指定した場合の例 53echo generateHashForModernPhp($inputString, 'unsupported_algo') . PHP_EOL; 54 55?>
PHPのmhash()関数は、以前ハッシュ値を生成するために使用されていましたが、PHP 7.0で非推奨となり、PHP 8.0で完全に削除されました。そのため、PHP 8.4環境ではこの関数を直接呼び出すことはできず、致命的なエラーが発生します。
現代のPHPでハッシュ値を生成するには、主にhash()関数とhash_hmac()関数が推奨されます。サンプルコードのgenerateHashForModernPhp関数は、これらの現代的な代替関数を使ったハッシュ生成方法を示しています。
この関数は、ハッシュ化したい文字列を$dataとして、使用するアルゴリズム名を$algorithmとして受け取ります。mhash()がMHASH_SHA256のような整数定数を使っていたのに対し、hash()やhash_hmac()は'sha256'のような文字列名を使用する点が異なります。オプションで$keyを渡すと、鍵付きハッシュ(HMAC)が生成されます。
関数内部では、hash_algos()で指定されたアルゴリズムがPHP環境でサポートされているかを確認し、$keyの有無に応じてhash_hmac()またはhash()を適切に呼び出します。戻り値は、生成されたハッシュ文字列です。サポートされていないアルゴリズムが指定された場合は、エラーメッセージを返します。この方法で、安全かつ効率的にハッシュ値を生成できます。
PHP 8.4では、古いmhash()関数は完全に削除されており、呼び出すと致命的なエラーが発生します。古いリファレンスに惑わされないよう注意が必要です。代わりに、サンプルコードが示すようにhash()関数とhash_hmac()関数を使用してください。これらの関数では、mhash()の数値定数とは異なり、'sha256'のような文字列でハッシュアルゴリズム名を指定します。利用可能なアルゴリズムはhash_algos()で確認することが重要です。セキュリティ上の理由から、MD5などの弱いハッシュアルゴリズムの使用は極力避け、特にパスワードのハッシュ化にはpassword_hash()関数を使用することを強く推奨します。
PHP 8.4 mhash互換ハッシュ生成
1<?php 2 3/** 4 * PHP 8.4向けのmhash関数の代替実装サンプル。 5 * 6 * mhash関数はPHP 7.0で削除されており、PHP 8.4では利用できません。 7 * この関数は、提供されたリファレンス情報(mhash関数の引数と戻り値の型)に基づき、 8 * PHP 8.4で利用可能な `hash()` および `hash_hmac()` 関数を使用してハッシュを生成します。 9 * 10 * システムエンジニアを目指す初心者の方は、実際のアプリケーションでは直接 `hash()` や 11 * `hash_hmac()` を使用することを推奨します。このコードはあくまで `mhash` 関数の 12 * インターフェースを模倣した代替例です。 13 * 14 * @param int $algo ハッシュアルゴリズムID (mhash拡張のIDではなく、`hash()`関数で認識される文字列アルゴリズム名に対応する値) 15 * @param string $data ハッシュ化するデータ 16 * @param ?string $key キー付きハッシュ(HMAC)で使用する秘密鍵。NULLの場合はキーなしハッシュ。 17 * @return string|false ハッシュ文字列(バイナリ形式)、または失敗した場合はfalse。 18 */ 19function mhash(int $algo, string $data, ?string $key = null): string|false 20{ 21 // mhashのアルゴリズムIDからhash関数のアルゴリズム名へのマッピングを定義します。 22 // これは架空の対応付けであり、mhash拡張が存在しないため、PHP 8.4ではこれらのIDは意味を持ちません。 23 // 一般的なハッシュアルゴリズムをIDに割り当てて、`hash()` 関数で利用可能にします。 24 $algorithmMap = [ 25 1 => 'md5', // 例: mhashの1番がMD5に相当すると仮定 26 2 => 'sha1', // 例: mhashの2番がSHA1に相当すると仮定 27 3 => 'sha256', // 例: mhashの3番がSHA256に相当すると仮定 28 // hash_algos() を使用して、PHPで利用可能なすべてのハッシュアルゴリズムを確認できます。 29 ]; 30 31 $hashAlgoName = $algorithmMap[$algo] ?? null; 32 33 if ($hashAlgoName === null) { 34 error_log("Warning: Unsupported hash algorithm ID: " . $algo . ". Please use a valid ID corresponding to a hash algorithm (e.g., 1 for MD5, 2 for SHA1)."); 35 return false; 36 } 37 38 // キーが指定されている場合はHMACハッシュを生成します。 39 // mhashの戻り値に合わせるため、`true` を指定してバイナリ形式で返します。 40 if ($key !== null) { 41 return hash_hmac($hashAlgoName, $data, $key, true); 42 } else { 43 // キーが指定されていない場合は通常のハッシュを生成します。 44 // mhashの戻り値に合わせるため、`true` を指定してバイナリ形式で返します。 45 return hash($hashAlgoName, $data, true); 46 } 47} 48 49// --- mhash関数の利用例 --- 50 51$sampleData = "Hello, System Engineer!"; 52$sampleKey = "my_secret_key_for_hmac"; 53 54echo "--- Using mhash (PHP 8.4 alternative implementation) ---\n"; 55 56// MD5ハッシュ (mhash ID 1にマッピングされていると仮定) 57$md5HashResult = mhash(1, $sampleData); 58if ($md5HashResult !== false) { 59 echo "MD5 Hash (binary output): " . bin2hex($md5HashResult) . "\n"; 60} else { 61 echo "Failed to generate MD5 hash.\n"; 62} 63 64// SHA256ハッシュ (mhash ID 3にマッピングされていると仮定) 65$sha256HashResult = mhash(3, $sampleData); 66if ($sha256HashResult !== false) { 67 echo "SHA256 Hash (binary output): " . bin2hex($sha256HashResult) . "\n"; 68} else { 69 echo "Failed to generate SHA256 hash.\n"; 70} 71 72// HMAC-SHA1 (キー付きハッシュ、mhash ID 2にマッピングされていると仮定) 73$hmacSha1Result = mhash(2, $sampleData, $sampleKey); 74if ($hmacSha1Result !== false) { 75 echo "HMAC-SHA1 Hash (binary output): " . bin2hex($hmacSha1Result) . "\n"; 76} else { 77 echo "Failed to generate HMAC-SHA1 hash.\n"; 78} 79 80// 未サポートのアルゴリズムIDの場合 81$unsupportedResult = mhash(999, $sampleData); // 999はマッピングされていないため失敗します 82if ($unsupportedResult === false) { 83 echo "Unsupported algorithm ID (999) correctly handled, result is false.\n"; 84} 85 86echo "--- End of mhash usage example ---\n"; 87
このPHPコードは、指定されたデータからハッシュ値を生成するmhash関数を独自に実装したサンプルです。mhash関数はPHPの古いバージョンで使われていましたが、PHP 7.0で削除されたため、現在のPHP 8.4では利用できません。このサンプルは、最新のPHPで利用可能なhash関数とhash_hmac関数を使ってmhash関数の動きを再現しています。
この関数は3つの引数を取ります。第一引数$algoは、使用するハッシュアルゴリズムを整数で指定します。例えば、1ならMD5、3ならSHA256といったように、内部で文字列のアルゴリズム名に変換されます。第二引数$dataには、ハッシュ化したい文字列データを渡します。第三引数$keyは任意で、ここに秘密鍵となる文字列を指定すると、より安全なキー付きハッシュ(HMAC)が生成されます。指定しない場合は通常のハッシュが生成されます。
関数の戻り値は、成功した場合はハッシュ化された文字列(バイナリ形式)で、失敗した場合はfalseとなります。サンプルコードの実行例では、人間が読みやすいようにバイナリ形式のハッシュ値を16進数文字列に変換して表示しています。
このmhash関数はPHP 7.0で削除されており、PHP 8.4では利用できません。提供されたサンプルコードは、インターフェースを模倣した代替実装であることをご理解ください。実際のシステム開発では、PHPに標準搭載されているhash()やhash_hmac()関数を直接ご使用いただくことが推奨されます。サンプル内のアルゴリズムIDは、PHPの標準ハッシュ関数が認識する文字列名への架空のマッピングですので、実際のmhashのIDとは異なります。ハッシュ結果はバイナリ形式で返されるため、画面表示の際にはbin2hex()関数などで文字列に変換する必要があります。関数の失敗時にはfalseが返されるため、必ず戻り値をチェックしてください。