【PHP8.x】libxml_get_errors関数の使い方

libxml_get_errors関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

libxml_get_errors関数は、PHPのlibxml拡張機能を用いてXML文書を処理する際に発生したエラー情報を取得する関数です。この関数は、XMLの構文解析や妥当性検証中に検出された警告やエラーなどの問題詳細をプログラムで捕捉するために利用されます。特に、libxml_use_internal_errors(true)関数を事前に呼び出し、エラーの自動出力を抑制して内部バッファに蓄積させている場合に有効です。本関数は、蓄積されたすべてのアクティブなエラーをLibXMLErrorオブジェクトの配列として返します。各オブジェクトには、エラーコード、メッセージ、ファイル名、行番号など、問題特定に役立つ詳細な情報が含まれています。この機能により、開発者は独自のエラー処理ロジックを実装し、エラーメッセージのカスタマイズやログ記録を行うことで、XMLデータを扱うアプリケーションの堅牢性を高めることができます。

構文(syntax)

1<?php
2
3$errors = libxml_get_errors();
4
5?>

引数(parameters)

引数なし

引数はありません

戻り値(return)

array

libxml_get_errors関数は、XML解析中に発生したエラーの配列を返します。エラーが発生しなかった場合は空の配列が返されます。

サンプルコード

libxml_get_errors でXMLエラーを取得する

1<?php
2
3declare(strict_types=1);
4
5/**
6 * libxml_get_errors() を使用してXMLパース時のエラーを取得するサンプル関数
7 *
8 * この関数は、意図的に不正な形式のXML文字列をパースし、
9 * libxmlが生成したエラー情報を取得してコンソールに表示します。
10 */
11function demonstrateLibxmlGetErrors(): void
12{
13    // わざと構文エラーを含むXML文字列を用意します。
14    // (</user> が </usr> になっている)
15    $invalidXml = <<<XML
16    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
17    <document>
18        <user>
19            <name>Taro Yamada</name>
20        </usr>
21    </document>
22    XML;
23
24    // libxmlのエラーをPHPの警告として出力せず、内部的に保持するように設定します。
25    // これにより、後で libxml_get_errors() を使ってエラーを取得できます。
26    libxml_use_internal_errors(true);
27
28    // DOMDocumentオブジェクトを使ってXML文字列のパースを試みます。
29    // 不正なXMLのため、パースは失敗し、内部にエラーが記録されます。
30    // @演算子は、loadXML() が失敗時に発生させる警告を抑制します。
31    $dom = new DOMDocument();
32    @$dom->loadXML($invalidXml);
33
34    // libxml_get_errors() を呼び出して、保持されているエラー情報の配列を取得します。
35    // 戻り値は LibXMLError オブジェクトの配列です。
36    $errors = libxml_get_errors();
37
38    if (!empty($errors)) {
39        echo "XMLのパース中にエラーが検出されました。\n\n";
40
41        // 取得したエラーを一つずつループして詳細を表示します。
42        foreach ($errors as $error) {
43            // trim() はメッセージ前後の空白や改行を削除して見やすくするためです。
44            $message = trim($error->message);
45
46            echo "----------------------------------------\n";
47            echo "エラーレベル: {$error->level}\n";
48            echo "エラーコード: {$error->code}\n";
49            echo "エラーメッセージ: {$message}\n";
50            echo "発生行: {$error->line}\n";
51            echo "発生カラム: {$error->column}\n";
52        }
53        echo "----------------------------------------\n";
54    } else {
55        echo "XMLは正常にパースされました。\n";
56    }
57
58    // 次のXML処理に影響を与えないように、エラーバッファをクリアします。
59    libxml_clear_errors();
60
61    // エラーハンドリングの設定をデフォルトに戻します(推奨)。
62    libxml_use_internal_errors(false);
63}
64
65// サンプル関数を実行します。
66demonstrateLibxmlGetErrors();
67
68?>

libxml_get_errors関数は、PHPのlibxmlライブラリがXMLやHTMLデータを処理する際に発生したエラーの詳細情報を取得するために使用します。この関数は引数を取らず、エラー情報が格納された配列を返します。

この関数を正しく機能させるには、事前にlibxml_use_internal_errors(true)を呼び出し、エラーをPHPの警告として表示するのではなく、内部的に保持するように設定しておく必要があります。

サンプルコードでは、まず意図的に終了タグが間違っているXML文字列を用意しています。次に、この不正なXMLをDOMDocumentで読み込みます。この処理は失敗し、エラー情報が内部に記録されます。その後、libxml_get_errors関数を呼び出すことで、記録されたエラー情報の配列を取得します。戻り値の配列には、エラーメッセージ、エラーコード、発生箇所(行番号や列番号)といった詳細情報を含むLibXMLErrorオブジェクトが格納されています。コードでは、この配列をループ処理し、エラーの詳細を一つずつ画面に表示しています。

処理の最後には、libxml_clear_errorsでエラー情報をクリアし、libxml_use_internal_errors(false)で設定を元に戻すことが推奨されます。

libxml_get_errors() を利用する際は、事前に libxml_use_internal_errors(true) を呼び出し、エラーを内部に記録する設定にする必要があります。この設定により、@ 演算子でPHPの警告を抑制しつつ、エラー情報を後からまとめて取得できます。最も重要な注意点は、エラーを取得した後に必ず libxml_clear_errors() を実行することです。これを忘れると、次のXML処理の際に古いエラー情報が残ってしまい、意図しない不具合の原因となります。処理の最後には、他のコードへの影響を避けるため libxml_use_internal_errors(false) で設定を元に戻すことが推奨されます。