【PHP8.x】mb_split関数の使い方

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mb_split関数は、正規表現を使用してマルチバイト文字列を分割する関数です。この関数は、PHP 8.4環境において、日本語などのマルチバイト文字を含む文字列を、指定された正規表現パターンに基づいて配列に分割する際に非常に役立ちます。従来のsplit関数が非推奨となった現代において、mb_split関数はマルチバイト文字を安全かつ正確に処理するための推奨される代替手段として位置づけられています。

具体的には、文字列を分割したい箇所を正規表現で指定し、そのパターンに一致する部分で文字列を区切ります。第一引数には分割の基準となる正規表現パターンを、第二引数には分割したい対象の文字列を指定します。オプションとして、第三引数にlimit値を渡すことで、分割後の配列の要素数を最大でいくつにするか制御することも可能です。この機能により、不要な要素の生成を防ぎ、メモリ使用量を最適化できます。

mb_split関数は、mb_regex_encoding()で設定された現在の文字エンコーディングに基づいて処理を実行します。そのため、対象の文字列のエンコーディングとmb_regex_encoding()の設定が一致していることを事前に確認しておくことが重要です。これにより、文字化けや意図しない分割を防ぎ、正確な文字列処理を実現します。処理が成功した場合、分割された部分文字列を要素として含む配列が返されますが、エラーが発生した場合にはfalseが返されるため、戻り値の確認も大切です。システムエンジニアを目指す上で、マルチバイト文字列の柔軟な処理は必須のスキルであり、mb_splitはそのための強力なツールとなるでしょう。

基本的な使い方

構文(syntax)

<?php
$pattern = '/,/';
$string = "りんご,バナナ,オレンジ";
$array = mb_split($pattern, $string);
print_r($array);
?>

引数(parameters)

string $pattern, string $string, int $limit = -1

  • string $pattern: 分割の区切り文字として使用する正規表現パターン
  • string $string: 分割する対象の文字列
  • int $limit = -1: 返される配列の最大要素数を指定します。デフォルト (-1) では、制限はありません。

戻り値(return)

array|false

文字列を正規表現パターンで分割した結果を配列で返します。分割に失敗した場合はfalseを返します。

サンプルコード

mb_splitによる多バイト文字列分割

<?php

// このスクリプトは、PHPのmb_split関数を使用して多バイト文字列を正規表現で分割する方法を示します。

// mb_split関数が正しく動作するよう、内部文字エンコーディングをUTF-8に設定します。
mb_internal_encoding("UTF-8");

/**
 * 多バイト文字列の分割例を示します。
 *
 * @param string $inputString 分割する元の文字列。
 */
function exampleMbSplit(string $inputString): void
{
    echo "元の文字列: " . $inputString . "\n";
    echo "----------------------------------------\n";

    // 1. 文字単位で文字列を分割する (キーワード 'mb_str_split' に関連する用法)
    // mb_splitに空の正規表現パターン '' を指定すると、多バイト文字を考慮して文字単位で分割されます。
    // 結果は、各文字を要素とする配列になります。
    $characters = mb_split('', $inputString);
    echo "1. 文字単位での分割結果:\n";
    print_r($characters);
    echo "\n";

    // 2. 特定の区切り文字(正規表現)で文字列を分割する
    // この例では、日本語の読点「、」を区切り文字として使用します。
    // 正規表現 `/\s*、\s*/u` は、空白文字の後に「、」が続き、さらに空白文字が続く箇所で分割します。
    // 'u'修飾子は、Unicode文字列を正しく扱うために重要です。
    $partsByDelimiter = mb_split('/\s*、\s*/u', $inputString);
    echo "2. '、' を区切り文字とした分割結果:\n";
    print_r($partsByDelimiter);
    echo "\n";

    // 3. 分割数の上限を指定する (limit引数の使用)
    // limit引数に整数値を指定すると、生成される配列要素の最大数を制限できます。
    // 例えば limit = 2 とすると、最初の1回の分割が行われた後、残りの文字列全体が最後の要素となります。
    $limitedParts = mb_split('/\s*、\s*/u', $inputString, 2);
    echo "3. '、' で分割、上限2要素まで:\n";
    print_r($limitedParts);
    echo "\n";

    echo "----------------------------------------\n\n";
}

// 日本語のサンプル文字列で関数を呼び出す
$japaneseSample = "これはサンプルです、多バイト文字を含みます。";
exampleMbSplit($japaneseSample);

// 英語のサンプル文字列でも動作を確認
$englishSample = "Hello, World! This is a simple test string.";
exampleMbSplit($englishSample);

?>

PHP 8.4のmb_split関数は、日本語のような多バイト文字を含む文字列を、正規表現パターンに従って分割するために使用されます。通常のsplitexplode関数では多バイト文字を正しく扱えない場合があるため、国際化対応が必要なアプリケーションで特に重要です。

第一引数$patternには、文字列を分割するための正規表現を指定します。例えば、特定の記号やスペース、あるいは句読点などで分割したい場合に利用します。このパターンに空の文字列 '' を指定すると、文字列を多バイト文字単位で分割し、PHP 7.4で非推奨となったmb_str_split関数のような動作をします。第二引数$stringは、実際に分割したい対象の文字列です。第三引数$limitは省略可能で、分割後の配列要素の最大数を整数で指定します。例えばlimit2を指定すると、最初の1回の分割が行われた後、残りの文字列全体が最後の要素として格納されます。

mb_split関数は、文字列の分割に成功すると、分割された部分文字列を要素とする配列を返します。分割に失敗した場合はfalseを返します。多バイト文字を正確に処理するため、mb_internal_encoding関数であらかじめ適切な文字エンコーディング(例: "UTF-8")を設定しておくことが推奨されます。これにより、文字化けを防ぎながら意図した通りに文字列を分割できます。

mb_split関数を使用する際は、まずmb_internal_encodingでUTF-8などの適切な内部文字エンコーディングを設定することが非常に重要です。これにより多バイト文字が正しく処理されます。分割パターンは正規表現として解釈されるため、正規表現の構文を理解し、特に日本語などの多バイト文字を含む場合はu修飾子を付けることを忘れないでください。空のパターン''を指定すると、多バイト文字を考慮した文字単位での分割が可能です。これはmb_str_split関数が登場する以前のPHPバージョンで、文字単位分割の一般的な方法でした。limit引数で分割数の上限を指定できるため、必要に応じて結果の配列サイズを制御できます。また、関数が失敗した場合にはfalseを返す可能性があるため、常に戻り値を確認し、エラーハンドリングを行う習慣をつけましょう。

PHP mb_splitでマルチバイト文字を分割する

<?php

/**
 * PHPのmb_split関数を使用して、マルチバイト文字列を1文字ずつ分割する例です。
 *
 * 'mb_str_split'という直接の関数はPHPには存在しません。
 * しかし、mb_split関数を正規表現パターンと組み合わせて使うことで、
 * マルチバイト対応の文字分割(実質的な'mb_str_split'の挙動)を実現できます。
 *
 * このサンプルコードでは、空の正規表現パターン '//u' を使用して、
 * 文字列を構成する各マルチバイト文字で分割しています。
 * 'u'修飾子は、正規表現がUTF-8パターンとして扱われることを保証し、
 * 日本語などのマルチバイト文字を正しく処理するために重要です。
 */

// 分割したいマルチバイト文字列を定義します。
$multibyteString = "こんにちは、世界!PHP";

// mb_split関数を使って、文字列を1文字ずつ分割します。
// パターンに '//u' を指定することで、マルチバイト文字を考慮して1文字ずつ分割されます。
// mb_splitの戻り値は配列、または失敗した場合にfalseです。
$characters = mb_split('//u', $multibyteString);

// 分割結果が配列として得られたかを確認し、表示します。
if ($characters !== false) {
    echo "元の文字列: " . $multibyteString . "\n";
    echo "--- 1文字ずつ分割した結果 ---\n";
    foreach ($characters as $index => $char) {
        echo "  [" . $index . "] => '" . $char . "'\n";
    }
} else {
    // 文字列の分割に失敗した場合の処理です。
    // この特定のパターンでは通常発生しませんが、エラーハンドリングとして重要です。
    echo "エラー: 文字列の分割に失敗しました。\n";
}

PHPのmb_split関数は、正規表現を使ってマルチバイト文字列を分割するために使用される関数です。PHPにはmb_str_splitという直接の関数は存在しませんが、このmb_split関数を応用することで、日本語などのマルチバイト文字を1文字ずつ分割する処理を実現できます。

このサンプルコードでは、"こんにちは、世界!PHP"というマルチバイト文字列を1文字ずつ分割しています。mb_split関数の第一引数$patternには、空の正規表現パターン'//u'を指定しています。このパターンは、文字列を構成するそれぞれの文字の間に区切りがあるものと見なし、特にu修飾子を付けることで、正規表現がUTF-8として扱われるため、日本語のようなマルチバイト文字を正しく処理して分割することが可能になります。第二引数$stringには、分割したい元の文字列を渡します。第三引数$limitはオプションで、分割される要素数の最大値を指定しますが、デフォルト値の-1では全ての文字が分割されます。

mb_split関数の戻り値は、分割された部分文字列を含む配列、または処理に失敗した場合はfalseです。サンプルコードでは、戻り値がfalseでないことを確認し、分割された文字を順番に表示しています。このようにfalseをチェックするエラーハンドリングは、予期せぬ問題からプログラムを守る上で重要です。mb_split関数を適切に利用することで、多様な言語の文字列を柔軟に扱えるようになります。

PHPには直接のmb_str_split関数はありませんが、mb_split関数を正規表現と組み合わせることで、マルチバイト文字列を1文字ずつ分割できます。サンプルコードの'//u'パターン中のu修飾子は、日本語などのマルチバイト文字をUTF-8として正しく認識し、正確に分割するために非常に重要です。この修飾子がないと、文字化けや誤った分割結果につながる可能性があります。mb_split関数の戻り値は配列か、失敗時にはfalseを返すため、常にfalseチェックを行い、エラー処理を記述することが安全なコードには不可欠です。これは正規表現による分割失敗だけでなく、内部的なエンコーディングの問題などでも発生し得るため注意が必要です。

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