【PHP8.x】openssl_free_key関数の使い方

openssl_free_key関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

openssl_free_key関数は、OpenSSLリソースに関連付けられた秘密鍵または公開鍵を解放するために使用される関数です。具体的には、openssl_pkey_newopenssl_pkey_get_privateopenssl_pkey_get_publicといった関数で生成または取得されたOpenSSL鍵リソースを、不要になった時点でメモリから解放します。

PHPはガベージコレクションの仕組みを持っていますが、OpenSSLのリソースは自動的に解放されないため、openssl_free_key関数を明示的に呼び出す必要があります。鍵リソースを解放しないと、メモリリークが発生する可能性があります。

この関数は、引数として解放したい鍵リソースを受け取ります。鍵リソースは、openssl_pkey_newなどの関数が成功した場合に返されるものです。関数が成功した場合、trueを返します。失敗した場合はfalseを返します。

鍵リソースを解放するタイミングは、その鍵を扱う処理が完了した後です。例えば、暗号化や署名などの処理が終わった後、またはセッションが終了した後などが考えられます。鍵リソースを解放した後、そのリソースを使用しようとするとエラーが発生します。そのため、解放後はそのリソースへのアクセスを避ける必要があります。

openssl_free_key関数は、セキュリティ上の観点からも重要です。鍵情報をメモリ上に保持する時間を最小限にすることで、鍵情報の漏洩リスクを低減することができます。特に、秘密鍵を扱う場合は、解放処理を適切に行うことが重要です。

構文(syntax)

1openssl_free_key(mixed $key): void

引数(parameters)

OpenSSLAsymmetricKey $key

  • OpenSSLAsymmetricKey $key: 解放する非対称鍵オブジェクト

戻り値(return)

void

openssl_free_key 関数は、openssl_pkey_new() または openssl_pkey_get_private()、openssl_pkey_get_public() で取得した秘密鍵または公開鍵のリソースを解放するために使用されます。この関数は何も値を返しません。

サンプルコード

PHP 8 openssl_free_key による鍵解放

1<?php
2
3/**
4 * OpenSSL非対称鍵の生成と解放の例。
5 *
6 * openssl_free_key 関数は、OpenSSLAsymmetricKey オブジェクトによって占有されたメモリを解放します。
7 * PHP 8.0.0 以降では、OpenSSLAsymmetricKey オブジェクトがスコープ外に出たときに自動的に解放されるため、
8 * この関数を明示的に呼び出す必要はほとんどありません。
9 */
10function exampleOpensslFreeKey(): void
11{
12    // 鍵ペア生成のための設定オプションを定義します。
13    // RSA鍵タイプ、2048ビットの長さ、SHA512ハッシュアルゴリズムを指定しています。
14    $config = [
15        "digest_alg"       => "sha512",
16        "private_key_bits" => 2048,
17        "private_key_type" => OPENSSL_KEYTYPE_RSA,
18    ];
19
20    // 新しい非対称鍵ペアを生成します。
21    // openssl_pkey_new は成功した場合、OpenSSLAsymmetricKey オブジェクトを返します。
22    $privateKey = openssl_pkey_new($config);
23
24    if ($privateKey === false) {
25        echo "エラー: 鍵ペアの生成に失敗しました。\n";
26        // openssl_error_string() を使用して、より詳細なエラー情報を取得できます。
27        return;
28    }
29
30    echo "OpenSSL非対称鍵ペアが正常に生成されました。\n";
31
32    // ここで、$privateKey オブジェクトを使用して、
33    // 暗号化、復号化、デジタル署名などのOpenSSL操作を実行できます。
34    // 例: プライベートキーをPEM形式でファイルに保存するなど。
35
36    // 生成された鍵リソースを明示的に解放します。
37    // 注意: PHP 8.0.0 以降では、OpenSSLAsymmetricKey オブジェクトは
38    // スコープ外に出たときに自動的に解放されるため、
39    // この関数を呼び出す必要はありませんし、実際には効果がありません。
40    openssl_free_key($privateKey);
41
42    echo "鍵リソースが解放されました (PHP 8.0+ では自動的に処理されます)。\n";
43}
44
45// サンプル関数を実行します。
46exampleOpensslFreeKey();

openssl_free_key関数は、OpenSSL関連の処理で使用される非対称鍵オブジェクトが占有しているメモリを解放するために使われます。引数には、openssl_pkey_new関数などで生成されたOpenSSLAsymmetricKey型の鍵オブジェクトを指定します。この関数が呼び出されると、指定された鍵オブジェクトに関連付けられたメモリが解放され、システムリソースを適切に管理できます。戻り値はvoidであり、特定の値を返すことはありません。

サンプルコードでは、まずopenssl_pkey_new関数を使って、RSAタイプの2048ビットの新しい非対称鍵ペアを生成しています。生成が成功すると、$privateKey変数にOpenSSLAsymmetricKeyオブジェクトが格納され、これを使って暗号化や署名などの操作が行えるようになります。

重要な点として、PHP 8.0.0以降では、OpenSSLAsymmetricKeyオブジェクトがその役割を終えてスコープ外に出たときに、PHPが自動的にメモリを解放するようになりました。このため、現代のPHP環境ではopenssl_free_key関数を明示的に呼び出す必要はほとんどありません。サンプルコードでは関数の動作を示すために呼び出していますが、実際には自動的に処理されるため、この呼び出しは特に効果を持たないことを理解しておくことが大切です。この関数は、主にPHP 8.0より前のバージョンで明示的なメモリ解放が必要だった際に利用されていました。

openssl_free_key関数は、OpenSSLAsymmetricKeyオブジェクトが占有するメモリを手動で解放するために使用されていました。しかし、PHP 8.0.0以降のバージョンでは、OpenSSLAsymmetricKeyオブジェクトはスコープ外に出ると自動的にメモリが解放されるように変更されました。したがって、現在のPHP 8.4.12環境では、この関数を明示的に呼び出す必要はありません。サンプルコードのように記述してもエラーにはなりませんが、実際には鍵リソースの解放に効果はなく、コードが冗長になる点にご注意ください。過去のPHPバージョンとの互換性維持が不要であれば、この関数の呼び出しは省略して問題ありません。

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