【PHP8.x】spl_autoload_call関数の使い方

spl_autoload_call関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

spl_autoload_call関数は、spl_autoload_register()関数によって登録された全てのオートロード関数を呼び出し、指定されたクラスの読み込みを試行する関数です。通常、クラスやインターフェースはコード中で初めて使用される際に自動的に読み込まれますが、この関数を使用することで、そのタイミングを待たずに任意の時点で明示的にクラスの読み込み処理を実行できます。引数には、読み込みたいクラス、インターフェース、トレイト、またはenumの名前を文字列で指定します。関数が呼び出されると、登録されているオートロード関数がスタックに積まれた順に実行されます。いずれかのオートロード関数がクラスの読み込みに成功した場合、その時点で処理は終了し、後続のオートロード関数は呼び出されません。もし登録されている全てのオートロード関数がクラスの読み込みに失敗した場合、未定義クラスが使用されたときと同様に致命的なエラー(Fatal error)が発生します。この関数はPHP 8.0.0以降、戻り値を持たないvoid型となっており、処理の成功はエラーが発生しないことで確認します。

構文(syntax)

1<?php
2
3spl_autoload_call('ClassName');
4
5?>

引数(parameters)

string $class

  • string $class: クラス名を指定する文字列

戻り値(return)

void

spl_autoload_call関数は、クラスの自動読み込み処理を実行しますが、呼び出し元に値を返しません。

サンプルコード

spl_autoload_callでクラスをロードする

1<?php
2
3/**
4 * spl_autoload_call 関数のサンプルコード
5 *
6 * この例では、未定義のクラス "MyClass" を使用しようとした際に、
7 * spl_autoload_call がどのように動作するかを示します。
8 */
9
10// オートロード関数を登録 (通常は spl_autoload_register を使用)
11spl_autoload_register(function ($class) {
12    if ($class === 'MyClass') {
13        // MyClass が定義されていない場合に、ここで定義を試みる
14        // 今回は例なので簡単なクラス定義
15        class MyClass {
16            public function __construct() {
17                echo "MyClass がロードされました。\n";
18            }
19        }
20    }
21});
22
23// 未定義のクラスを使用しようとする
24if (class_exists('MyClass')) {
25    $obj = new MyClass();
26} else {
27    // オートロードが失敗した場合の処理
28    echo "MyClass がロードできませんでした。\n";
29    // spl_autoload_call を手動で呼び出すことで、登録されたオートロード関数を再度実行できる
30    spl_autoload_call('MyClass');
31
32    // オートロード後、再度クラスの存在を確認
33    if (class_exists('MyClass')) {
34        $obj = new MyClass();
35    } else {
36        echo "spl_autoload_call 後も MyClass はロードできませんでした。\n";
37    }
38}
39
40?>

spl_autoload_call 関数は、PHPのオートロード機構を手動でトリガーするために使用されます。この関数は、未定義のクラスやインターフェースが使用された際に、登録されたオートロード関数を呼び出してクラスの定義を試みます。

引数には、オートロードを試みるクラスの名前を文字列で指定します。上記のサンプルコードでは、MyClass というクラスが未定義の状態で使用されようとしています。class_exists('MyClass') でクラスの存在を確認し、存在しない場合に spl_autoload_call('MyClass') を呼び出すことで、登録済みのオートロード関数を再度実行させています。

オートロード関数は spl_autoload_register 関数を使用して登録されています。この例では、MyClass が指定された場合に、簡単なクラス定義を行う無名関数を登録しています。

spl_autoload_call を呼び出すことで、登録されたオートロード関数が実行され、MyClass の定義が試みられます。定義に成功した場合、new MyClass() によってオブジェクトが生成され、「MyClass がロードされました。」というメッセージが表示されます。オートロードに失敗した場合は、「spl_autoload_call 後も MyClass はロードできませんでした。」というメッセージが表示されます。

spl_autoload_call 関数は戻り値を持たない(void)ため、成功・失敗を直接知ることはできません。そのため、オートロード後に再度クラスの存在を確認し、処理を分岐させる必要があります。通常は自動で実行されるオートロード処理を手動で実行する必要がある場合に利用します。

spl_autoload_call関数は、通常は直接使用しません。クラスが未定義の状態で使用された際に、PHPが自動的に登録済みのオートロード関数を呼び出す仕組みがspl_autoloadです。この関数が呼ばれるのは、オートロード処理が何らかの理由で正常に動作しなかった場合などに、手動でオートロードを試みる必要がある状況です。

サンプルコードでは、spl_autoload_callspl_autoload_registerで登録された関数を再度実行している点に注目してください。ただし、オートロード関数内でクラスが定義されない場合、無限ループに陥る可能性があるため、クラスが存在するかどうかを必ず確認する必要があります。また、実際の開発では、オートロード関数内でファイル読み込みなどの処理を行い、クラス定義を行うのが一般的です。

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