【PHP8.x】file_get_contents関数の使い方

file_get_contents関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

file_get_contents関数は、指定されたファイルを文字列として読み込む関数です。この関数は、ローカルファイルだけでなく、HTTPやFTPなどのプロトコルを使用してリモートファイルの内容も取得できます。

具体的には、第一引数に読み込むファイルのパスまたはURLを指定します。第二引数には、ストリームコンテキストを指定できます。ストリームコンテキストは、タイムアウトの設定やHTTPヘッダーのカスタマイズなど、ファイルアクセス時のオプションを細かく制御するために使用されます。第三引数にオフセットを指定すると、ファイルの先頭から指定したバイト数だけスキップした位置から読み込みを開始できます。第四引数に最大長を指定すると、指定したバイト数だけ読み込みます。

file_get_contents関数は、成功した場合にファイルの内容を文字列として返し、失敗した場合にはFALSEを返します。ファイルが存在しない場合や、権限がないためにアクセスできない場合、ネットワークの問題などでファイルを取得できない場合などにFALSEが返される可能性があります。エラーが発生した場合は、エラーメッセージが発行されることもあります。

この関数は、ウェブサイトのコンテンツを取得したり、設定ファイルを読み込んだり、APIからのレスポンスを取得したりするなど、様々な場面で利用できます。ただし、リモートファイルの取得にはネットワークアクセスが発生するため、タイムアウトの設定やエラーハンドリングを適切に行うことが重要です。また、セキュリティ上のリスクを避けるために、信頼できないソースからのファイル取得には注意が必要です。

構文(syntax)

1file_get_contents(string $filename, bool $use_include_path = false, ?resource $context = null, int $offset = 0, ?int $length = null): string|false

引数(parameters)

string $filename, bool $use_include_path = false, $context = null, int $offset = 0, ?int $length = null

  • string $filename: 読み込むファイルの名前またはURL
  • bool $use_include_path = false: include_path の中も検索するかどうかを示す真偽値
  • $context = null: ストリームコンテキストを指定するコンテキストリソース
  • int $offset = 0: ファイルの先頭から読み込みを開始するオフセット
  • ?int $length = null: 読み込むバイト数。null の場合はファイルの最後まで読み込む

戻り値(return)

string|false

指定されたファイルの内容を文字列として取得します。ファイルが開けなかったり、読み込めなかったりした場合は false を返します。

サンプルコード

PHP file_get_contents エラー処理

1<?php
2
3/**
4 * 指定されたファイルの内容を安全に読み込みます。
5 * ファイルの読み込みに失敗した場合はエラーメッセージを表示し、nullを返します。
6 *
7 * @param string $filename 読み込むファイルのパス。
8 * @return string|null ファイルの内容、または読み込みに失敗した場合はnull。
9 */
10function safeReadFileContents(string $filename): ?string
11{
12    // file_get_contents は、ファイルが見つからない、読み込み権限がないなどの場合に false を返します。
13    // そのため、戻り値が false かどうかを厳密にチェックすることが重要です。
14    $content = file_get_contents($filename);
15
16    if ($content === false) {
17        // エラーが発生した場合の処理
18        echo "エラー: ファイル '{$filename}' の読み込みに失敗しました。" . PHP_EOL;
19        echo "考えられる原因:" . PHP_EOL;
20        echo "  - ファイルが存在しない。" . PHP_EOL;
21        echo "  - ファイルへの読み込み権限がない。" . PHP_EOL;
22        echo "  - 指定されたパスが誤っている。" . PHP_EOL;
23        // 実際のアプリケーションでは、ここでエラーをログに記録するなどの詳細な処理を行います。
24        return null; // 失敗時はnullを返して呼び出し元に通知
25    }
26
27    // ファイルが正常に読み込まれた場合の処理
28    return $content;
29}
30
31// --- サンプルコードの実行例 ---
32
33// 1. 存在しないファイルを指定した場合のテスト
34$nonExistentFile = 'non_existent_example.txt';
35echo "--- 存在しないファイルへのアクセスを試行 ---" . PHP_EOL;
36$resultContent = safeReadFileContents($nonExistentFile);
37
38if ($resultContent !== null) {
39    echo "ファイル '{$nonExistentFile}' の内容:" . PHP_EOL;
40    echo $resultContent . PHP_EOL;
41}
42echo PHP_EOL;
43
44// 2. 存在するファイルを指定した場合のテスト
45$existentFile = 'test_data.txt';
46
47// テスト用に一時ファイルを作成(存在しない場合のみ)
48if (!file_exists($existentFile)) {
49    // file_put_contents も失敗する可能性があるので、エラーチェックすることが推奨されます。
50    if (file_put_contents($existentFile, "これはテストファイルの内容です。\nPHPのfile_get_contents関数動作確認用。") === false) {
51        echo "エラー: テストファイル '{$existentFile}' の作成に失敗しました。" . PHP_EOL;
52        exit(1); // 致命的なエラーとしてスクリプトを終了
53    }
54    echo "テストファイル '{$existentFile}' を作成しました。" . PHP_EOL;
55}
56
57echo "--- 存在するファイルへのアクセスを試行 ---" . PHP_EOL;
58$resultContent = safeReadFileContents($existentFile);
59
60if ($resultContent !== null) {
61    echo "ファイル '{$existentFile}' の内容:" . PHP_EOL;
62    echo $resultContent . PHP_EOL;
63}
64echo PHP_EOL;
65
66// 後処理: 作成したテストファイルを削除(オプション)
67if (file_exists($existentFile)) {
68    if (unlink($existentFile)) {
69        echo "テストファイル '{$existentFile}' を削除しました。" . PHP_EOL;
70    } else {
71        echo "エラー: テストファイル '{$existentFile}' の削除に失敗しました。" . PHP_EOL;
72    }
73}
74
75?>

PHPのfile_get_contents関数は、指定したファイルの全内容を文字列として簡単に読み込むための関数です。第一引数に読み込みたいファイルのパス($filename)を指定します。この関数は、ファイルをオープンし、その内容を読み込み、クローズまでを一括で行ってくれるため、手軽に利用できます。

処理が成功した場合、ファイルの内容が文字列として返されます。しかし、指定されたファイルが存在しない場合や、読み込み権限がない場合など、何らかの理由でファイルの読み込みに失敗した場合は、戻り値としてブール値のfalseが返される点が特に重要です。サンプルコードのsafeReadFileContents関数では、このfile_get_contentsの戻り値がfalseかどうかを厳密にチェックし、エラー発生時にはエラーメッセージを表示してnullを返しています。このように=== falseを用いて厳密なエラーチェックを行うことで、ファイル読み込みの失敗を検知し、安全にプログラムを継続させることが、堅牢なシステムを構築する上で不可欠となります。

file_get_contents関数は、ファイルの読み込みに失敗した場合にfalseを返します。そのため、戻り値がfalseであるかを厳密にチェックし、エラー処理を必ず行うことが重要です。ファイルが存在しない、読み込み権限がないなど、エラーの原因は多岐にわたるため、サンプルコードのように具体的なエラーメッセージを表示したり、ログに記録したりする工夫が、問題の特定に役立ちます。また、file_put_contentsunlinkといった他のファイル操作関数も同様に失敗する可能性があるため、常にエラーハンドリングを意識したコード記述を心がけてください。エラー時の戻り値を定義し、呼び出し元で適切に処理する設計も堅牢なシステム構築には不可欠です。

file_get_contentsでHTTP POSTリクエストを送信する

1<?php
2
3/**
4 * Executes an HTTP POST request to a specified URL with given data
5 * using the file_get_contents function and stream contexts.
6 *
7 * @param string $url The URL to send the POST request to (e.g., an API endpoint).
8 * @param array $data An associative array of data to be sent as POST fields.
9 * @return string|false The response body from the server on success, or false on failure.
10 */
11function sendPostRequest(string $url, array $data): string|false
12{
13    // 1. POSTデータをURLエンコードされた文字列に変換します。
14    // 例: ['key' => 'value', 'key2' => 'value2'] が 'key=value&key2=value2' になります。
15    $postData = http_build_query($data);
16
17    // 2. HTTPコンテキストオプションを準備します。
18    // これらはfile_get_contentsがHTTPリクエストを行う際の詳細な設定です。
19    $options = [
20        'http' => [
21            // HTTPリクエストメソッドをPOSTに設定します。
22            'method'  => 'POST',
23            // リクエストヘッダーを設定します。
24            // 'Content-type' はデータの形式を示し、
25            // 'Content-Length' はPOSTデータのバイト長を示します。
26            'header'  => "Content-type: application/x-www-form-urlencoded\r\n" .
27                         "Content-Length: " . strlen($postData) . "\r\n",
28            // リクエストボディに送る実際のデータです。
29            'content' => $postData,
30            // オプション: リクエストのタイムアウトを秒単位で設定できます。
31            // 'timeout' => 10,
32            // オプション: HTTPエラー応答コード(例: 404, 500)でもコンテンツを取得します。
33            // 'ignore_errors' => true,
34        ],
35    ];
36
37    // 3. 上記のオプションを使用してストリームコンテキストを作成します。
38    // このコンテキストはfile_get_contentsに渡され、リクエストの動作を制御します。
39    $context = stream_context_create($options);
40
41    // 4. file_get_contents関数を使用してPOSTリクエストを実行し、応答を取得します。
42    // 第二引数のfalseは、include_pathを検索しないことを意味します。
43    // 第三引数に作成した$contextを渡すことで、POSTリクエストとして送信されます。
44    $response = file_get_contents($url, false, $context);
45
46    // 5. リクエストが失敗した場合(例: ネットワークエラー、無効なURL)を処理します。
47    if ($response === false) {
48        error_log("Failed to send POST request to $url");
49        return false;
50    }
51
52    return $response;
53}
54
55// --- 使用例 ---
56
57// POSTリクエストを送信するターゲットURLを定義します。
58// 実際のアプリケーションでは、これはAPIエンドポイントなどになります。
59// この例では、架空のURLを使用しています。
60$targetUrl = 'https://example.com/api/submit_form_data.php';
61
62// POSTで送信するデータ(連想配列)。
63$postFields = [
64    'username' => 'testuser',
65    'email' => 'test@example.com',
66    'message' => 'This is a test message.',
67    'product_id' => 123,
68];
69
70echo "POSTリクエストを送信中: " . $targetUrl . "\n";
71echo "送信データ: " . print_r($postFields, true) . "\n";
72
73// sendPostRequest関数を呼び出してPOSTリクエストを実行します。
74$result = sendPostRequest($targetUrl, $postFields);
75
76// 結果を表示します。
77if ($result !== false) {
78    echo "POSTリクエスト成功。サーバーからの応答:\n";
79    echo $result;
80} else {
81    echo "POSTリクエスト失敗。ネットワーク接続またはURLを確認してください。\n";
82}
83
84?>

PHPのfile_get_contents関数は、通常、指定されたファイルの内容を読み込むために使用されますが、ストリームコンテキストと組み合わせることで、HTTP POSTリクエストのようなネットワーク通信も実行できます。

このサンプルコードでは、まずhttp_build_query関数を使って、送信したいデータ(連想配列)をURLエンコード形式の文字列に変換しています。これは、HTTP POSTリクエストでデータを送る際の一般的な形式です。

次に、$optionsという配列でHTTPリクエストの詳細な設定を行います。'http'キーの下で、'method''POST'に設定し、'header'にはデータの形式を示すContent-typeとデータの長さを示すContent-Lengthを指定します。また、'content'には先ほどURLエンコードしたPOSTデータを格納します。

この$options配列をstream_context_create関数に渡すことで、特定のHTTPリクエスト設定を持つストリームコンテキストを作成します。このコンテキストは、file_get_contents関数がネットワークリソースにアクセスする際の挙動を制御します。

最終的にfile_get_contents関数を呼び出します。第一引数$filenameにはリクエストを送信するURLを、第三引数$contextには作成したストリームコンテキストを指定します。これにより、指定されたURLに対し、コンテキストで定義されたPOSTリクエストが実行されます。

関数が成功すると、サーバーからの応答ボディが文字列として返されます。ネットワークエラーや無効なURLなどによりリクエストが失敗した場合はfalseが返されるため、戻り値がfalseでないかを確認し、適切にエラーハンドリングを行うことが重要です。この仕組みを利用することで、PHPから外部のWebサービスやAPIへ安全にデータを送信し、その結果を受け取ることができます。

file_get_contents関数は、ファイル読み込みだけでなく、ストリームコンテキストと組み合わせることでHTTP POSTリクエストも実行できる多機能な関数です。ネットワークエラーなどでリクエストが失敗した場合、この関数はfalseを返すため、必ず戻り値をチェックし、適切なエラーハンドリングを実装することが極めて重要です。

サンプルコードではstream_context_createを使ってPOSTリクエストに必要なヘッダーやボディを設定しており、特にPOSTデータをhttp_build_queryでURLエンコードする処理は必須です。外部のAPIなどへリクエストを送信する際は、通信内容の安全を確保するためHTTPSを必ず利用し、セキュリティに十分配慮してください。また、リクエストが長時間応答しない場合に備え、タイムアウトオプションを設定することも推奨されます。

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