【PHP8.x】realpath関数の使い方

realpath関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

『realpath関数は、指定されたパス文字列に含まれる全てのシンボリックリンク、/.//../ といった相対パスの参照、そして余分なパス区切り文字を解決し、正規化された絶対パスを返す処理を実行する関数です。この関数は、引数に与えられたパスが実際にファイルシステム上に存在するかどうかを確認し、存在する場合にのみパス文字列を返します。相対パス、絶対パスのどちらも引数として指定可能です。例えば、シンボリックリンクをたどって元のファイルの絶対パスを取得したい場合や、../../ のような記述を含む複雑なパスを、ルートディレクトリから始まる一意の単純なパスに変換したい場合などに使用されます。処理が成功すると、末尾にスラッシュを含まない正規化された絶対パスが文字列として返されます。一方、指定されたパスが存在しない、またはパスの途中のディレクトリにアクセス権限がないなどの理由で解決できない場合には false を返します。これにより、ファイルの存在確認と正規化されたパスの取得を同時に行うことができます。

構文(syntax)

1<?php
2
3$absolute_path = realpath('/path/to/your/file.txt');
4
5?>

引数(parameters)

string $path

  • string $path: 正規化された絶対パスに変換したいファイルまたはディレクトリへのパスを指定する文字列

戻り値(return)

string|false

指定されたパスの正規化された絶対パスを文字列で返します。指定されたパスが存在しない場合はfalseを返します。

サンプルコード

PHP realpath キャッシュサイズを設定・取得する

1<?php
2
3// realpath_cache_size の設定例
4
5// realpath キャッシュのサイズを 4MB に設定する
6ini_set('realpath_cache_size', '4M');
7
8// 現在の realpath キャッシュサイズを取得する
9$cache_size = ini_get('realpath_cache_size');
10
11echo "現在の realpath キャッシュサイズ: " . $cache_size . "\n";
12
13// realpath() を使用して絶対パスを取得する
14$relative_path = 'test.txt';
15$absolute_path = realpath($relative_path);
16
17if ($absolute_path === false) {
18    echo "ファイルが見つかりませんでした。\n";
19} else {
20    echo "相対パス: " . $relative_path . "\n";
21    echo "絶対パス: " . $absolute_path . "\n";
22}
23
24?>

このサンプルコードは、PHPのrealpath()関数とrealpath_cache_sizeの設定について解説しています。realpath()関数は、引数に指定された相対パスを絶対パスに変換します。もしファイルが存在しない場合はfalseを返します。

realpath_cache_sizeは、realpath()関数が変換したパスをキャッシュするサイズを設定するための設定です。キャッシュを利用することで、同じパスに対するrealpath()の呼び出しを高速化できます。サンプルコードでは、ini_set()関数を使ってrealpath_cache_sizeを4MBに設定しています。設定値はini_get()関数で確認できます。

コード例ではまず、realpath_cache_sizeを4MBに設定し、現在のキャッシュサイズを表示します。次に、test.txtという相対パスをrealpath()関数で絶対パスに変換しています。もしtest.txtが存在しなければ、「ファイルが見つかりませんでした。」と表示されます。存在する場合は、相対パスと絶対パスをそれぞれ表示します。

realpath()関数は、ファイルやディレクトリの存在確認や、パスの正規化に役立ちます。realpath_cache_sizeを適切に設定することで、パフォーマンスを向上させることができます。

realpath()関数は、指定された相対パスを絶対パスに変換する関数です。realpath_cache_sizeは、realpath()の結果をキャッシュするメモリサイズを設定します。キャッシュサイズを大きくすると、realpath()の処理が高速化される可能性がありますが、メモリ消費量が増加します。ini_set()で設定を変更した場合、スクリプトの実行中のみ有効です。php.iniで設定すると永続的に変更できます。realpath()は、ファイルが存在しない場合falseを返すため、必ず戻り値を確認しましょう。ファイルパスはOSによって扱いが異なるため、異なる環境で動作させる場合は注意が必要です。

PHPで存在しないファイルのrealpathを取得する

1<?php
2
3/**
4 * 指定されたパスの絶対パスを返します。
5 * ファイルやディレクトリが存在しない場合でも、存在しないパスの絶対パスを返そうとします。
6 *
7 * @param string $path 相対パスまたは絶対パス
8 * @return string|false 絶対パス。エラー時は false
9 */
10function get_absolute_path(string $path): string|false
11{
12    // 一時ファイルを作成して、realpath() を利用する
13    $temp_file = tempnam(sys_get_temp_dir(), 'temp_');
14    if ($temp_file === false) {
15        return false;
16    }
17    unlink($temp_file); // 一時ファイルを削除
18
19    // 指定されたパスと一時ファイルを結合
20    $combined_path = $path . '/' . basename($temp_file);
21
22    // realpath() を使用して絶対パスを取得
23    $absolute_path = realpath($combined_path);
24
25    if ($absolute_path === false) {
26        return false;
27    }
28
29    // 最後に生成したファイル名を削除
30    $absolute_path = str_replace('/' . basename($temp_file), '', $absolute_path);
31    return $absolute_path;
32}
33
34// 使用例
35$relative_path = 'path/to/non/existing/file';
36$absolute_path = get_absolute_path($relative_path);
37
38if ($absolute_path !== false) {
39    echo "Absolute path: " . $absolute_path . PHP_EOL;
40} else {
41    echo "Failed to get absolute path." . PHP_EOL;
42}
43

このサンプルコードは、PHPのrealpath()関数を用いて、存在しないファイルやディレクトリを含むパスの絶対パスを取得する方法を示しています。通常のrealpath()関数は、ファイルやディレクトリが存在しない場合にfalseを返しますが、この例では、一時ファイルを作成し、それをパスに結合することで、存在しないパスでも絶対パスを解決しようと試みます。

まず、get_absolute_path()関数は、引数として相対パスまたは絶対パス $path を受け取ります。関数内部では、tempnam()関数を使って一時ファイルを作成し、そのファイル名をパスに結合します。次に、realpath()関数を用いて結合されたパスの絶対パスを取得します。最後に、一時ファイル名をパスから取り除くことで、元のパスに対応する絶対パスを返します。

realpath()関数が失敗した場合や、一時ファイルの作成に失敗した場合は、関数はfalseを返します。

使用例では、path/to/non/existing/fileという存在しない相対パスをget_absolute_path()関数に渡し、絶対パスを取得しています。取得した絶対パスは、成功すれば表示され、失敗すればエラーメッセージが表示されます。この手法は、例えば、設定ファイルが存在しない場合に、その設定ファイルを配置すべき絶対パスを動的に決定するような場合に役立ちます。

realpath()関数は、通常、ファイルやディレクトリが存在しない場合はfalseを返します。このサンプルコードは、存在しないパスの絶対パスを取得するために、一時ファイルを作成し、そのファイル名と指定されたパスを組み合わせてrealpath()を使用する工夫をしています。

注意点として、一時ファイルの作成にはtempnam()関数を使用していますが、作成場所はシステムのテンポラリディレクトリ(sys_get_temp_dir())です。このディレクトリへの書き込み権限がない場合、エラーが発生する可能性があります。また、unlink()で一時ファイルを削除していますが、タイミングによっては削除に失敗する可能性も考慮する必要があります。

セキュリティ面では、basename()関数の使用に注意してください。予期せぬファイル名が$pathに含まれている場合、意図しない絶対パスが生成される可能性があります。入力を適切に検証することで、セキュリティリスクを軽減できます。

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