【PHP8.x】strptime関数の使い方
strptime関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
strptime関数は、日付や時刻を表す文字列を解析し、その内容を構造化された情報として取得するために使用される関数です。この関数は、与えられた日付/時刻文字列がどのような形式であるかを指定するフォーマット文字列と、実際に解析したい日付/時刻文字列の二つの引数を受け取ります。そして、解析に成功すると、日付や時刻の各要素、例えば秒、分、時、日、月、年、曜日、年の通算日などを数値として含む連想配列を返します。
フォーマット文字列は、C言語のstrftime関数で使用されるものと同じ書式の指定子を利用します。例えば、「%Y」は4桁の年、「%m」は2桁の月、「%d」は2桁の日を表すといった形で、入力文字列のパターンを指定します。この関数はシステムに設定されているロケール(地域固有の言語や書式設定)に影響を受ける場合があるため、特に異なる言語環境で利用する際には注意が必要です。
解析が失敗した場合、この関数はfalseを返します。外部システムから受け取った日付文字列の形式が一定でない場合や、ユーザーが自由な形式で入力した日付情報を処理する必要がある場合に有用です。ただし、PHP 8ではこのstrptime関数は非推奨となっており、より強力で柔軟なDateTime::createFromFormat()メソッドなど、他の代替手段の利用が推奨されています。
構文(syntax)
1strptime(string $date_string, string $format_string): array|false
引数(parameters)
string $timestamp, string $format
- string $timestamp: 変換するタイムスタンプ文字列
- string $format: $timestamp 文字列のフォーマットを指定する文字列
戻り値(return)
array|false
指定されたフォーマット文字列に基づいて、日付と時刻の要素を解析し、その結果を配列として返します。解析に失敗した場合は false を返します。
サンプルコード
PHP strptime 代替でタイムスタンプを解析する
1<?php 2 3/** 4 * strptime関数のモダンな代替として、指定されたフォーマットでタイムスタンプを解析します。 5 * 6 * strptime関数は環境依存の問題があるため、PHP 8ではDateTime::createFromFormatの使用が強く推奨されます。 7 * 8 * 注意点: 9 * - strptimeのフォーマット文字列(例: %Y-%m-%d)と、 10 * DateTime::createFromFormatのフォーマット文字列(例: Y-m-d)は異なります。 11 * この関数では、PHPのdate関数と同じ形式のフォーマット文字列を使用します。 12 * - 戻り値はDateTimeオブジェクトであり、strptimeの配列とは異なりますが、 13 * より柔軟な日付操作が可能です。 14 * 15 * @param string $timestamp 解析するタイムスタンプ文字列。 16 * @param string $format タイムスタンプのフォーマット文字列(PHPのdate関数形式、例: "Y-m-d H:i:s")。 17 * @return DateTime|false 成功した場合はDateTimeオブジェクト、失敗した場合はfalseを返します。 18 */ 19function parseTimestampWithModernFormat(string $timestamp, string $format): DateTime|false 20{ 21 // DateTime::createFromFormatを使用して、指定されたフォーマットで文字列をDateTimeオブジェクトに変換します。 22 // これは、日付/時刻の解析において、strptimeよりも柔軟で信頼性の高い方法です。 23 $dateTime = DateTime::createFromFormat($format, $timestamp); 24 25 // 解析に失敗した場合 (例: フォーマットが一致しない、無効な日付) はfalseを返します。 26 if ($dateTime === false) { 27 return false; 28 } 29 30 // createFromFormatは形式上は正しいが、内容が無効な日付(例: 2月30日)を 31 // 受け入れた場合、DateTime::getLastErrors()で詳細を確認できます。 32 // エラーや警告があれば、解析は「失敗」とみなします。 33 $errors = DateTime::getLastErrors(); 34 if ($errors['error_count'] > 0 || $errors['warning_count'] > 0) { 35 return false; 36 } 37 38 return $dateTime; 39} 40 41// --- サンプルコードの使用例 --- 42 43// strptimeが通常扱うような日付文字列 44$timestampString = "2023-10-26 15:30:00"; 45 46// DateTime::createFromFormat に対応するフォーマット文字列 47// strptimeの `%Y-%m-%d %H:%M:%S` に相当します 48$formatString = "Y-m-d H:i:s"; 49 50// 日付文字列の解析を実行 51$parsedDateTime = parseTimestampWithModernFormat($timestampString, $formatString); 52 53if ($parsedDateTime) { 54 // 解析成功の場合、DateTimeオブジェクトから必要な情報を取得できます。 55 echo "日付の解析に成功しました。\n"; 56 echo "年: " . $parsedDateTime->format('Y') . "\n"; 57 echo "月: " . $parsedDateTime->format('m') . "\n"; 58 echo "日: " . $parsedDateTime->format('d') . "\n"; 59 echo "時: " . $parsedDateTime->format('H') . "\n"; 60 echo "分: " . $parsedDateTime->format('i') . "\n"; 61 echo "秒: " . $parsedDateTime->format('s') . "\n"; 62 echo "UNIXタイムスタンプ: " . $parsedDateTime->getTimestamp() . "\n"; 63} else { 64 echo "日付の解析に失敗しました。フォーマットや日付文字列を確認してください。\n"; 65} 66 67echo "\n"; 68 69// 無効な日付文字列の例 (2月30日は存在しないため、解析は失敗します) 70$invalidTimestampString = "2023-02-30 10:00:00"; 71$parsedInvalidDateTime = parseTimestampWithModernFormat($invalidTimestampString, $formatString); 72 73if ($parsedInvalidDateTime) { 74 echo "無効な日付の解析に成功しました (これは予期しない動作です)。\n"; 75} else { 76 echo "無効な日付の解析に失敗しました (期待通りの動作です)。\n"; 77} 78 79echo "\n"; 80 81// フォーマットが一致しない例 (指定フォーマットと文字列が異なるため、解析は失敗します) 82$mismatchedTimestampString = "2023/10/26"; 83$mismatchedFormatString = "Y-m-d"; // タイムスタンプ文字列は'/'、フォーマットは'-'で不一致 84 85$parsedMismatchedDateTime = parseTimestampWithModernFormat($mismatchedTimestampString, $mismatchedFormatString); 86 87if ($parsedMismatchedDateTime) { 88 echo "フォーマット不一致の解析に成功しました (これは予期しない動作です)。\n"; 89} else { 90 echo "フォーマット不一致の解析に失敗しました (期待通りの動作です)。\n"; 91}
PHPのstrptime関数は日付文字列を解析して配列として情報を返す機能ですが、環境によって動作が異なる場合があるため、PHP 8ではより信頼性の高いDateTime::createFromFormatの使用が推奨されています。提示されたparseTimestampWithModernFormat関数は、このモダンな代替手法を用いて、指定されたフォーマットでタイムスタンプ文字列を安全に解析するためのものです。
この関数は、解析したい日付文字列を$timestamp引数に、その文字列の形式を$format引数に受け取ります。$formatはPHPのdate関数で使われる形式(例: "Y-m-d H:i:s")で指定する必要があり、strptimeのフォーマット形式(例: "%Y-%m-%d")とは異なる点に注意してください。
解析が成功すると、日付や時刻の操作に便利なDateTimeオブジェクトを返します。このオブジェクトからは、年、月、日、時、分、秒などの各要素を簡単に取得したり、UNIXタイムスタンプに変換したりできます。もし日付文字列が無効であったり、指定したフォーマットと文字列の形式が一致しなかったりした場合は、戻り値としてfalseが返されるため、エラーハンドリングも容易に行えます。この関数を利用することで、環境に依存しない堅牢な日付解析処理を実装できます。
strptime関数は環境依存の問題があるため、PHP 8では非推奨とされており、本サンプルコードで示すDateTime::createFromFormatの使用が強く推奨されます。特に注意すべきは、日付フォーマット文字列の形式が大きく異なる点です。strptimeの%Y-%m-%d形式ではなく、PHPのdate関数と同じY-m-d形式を使用する必要があります。戻り値はDateTimeオブジェクトとなり、strptimeの配列よりも柔軟な日付操作が可能です。また、日付の形式が正しくても内容が無効な場合(例えば2月30日など)を安全に検出するため、DateTime::getLastErrors()でエラーチェックを行うことが、より信頼性の高い日付解析には非常に重要です。