【PHP8.x】ob_gzhandler関数の使い方

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ob_gzhandler関数は、PHPで生成されたWebページの出力内容をgzip形式で圧縮し、Webブラウザに送信する処理を実行する関数です。この関数は、主にPHPの出力バッファリング機能と組み合わせて使用され、ob_start()関数のコールバック関数として指定することで利用できます。

この機能の最大の目的は、WebサーバーからクライアントであるWebブラウザへ送られるデータ転送量を削減することです。コンテンツを圧縮して送信することにより、ネットワークの負荷を軽減し、結果としてWebページの表示速度を向上させ、ユーザーエクスペリエンスの改善に貢献します。

ob_gzhandler関数が動作する際、まずWebブラウザがgzip圧縮をサポートしているかどうかを自動的に検出します。ブラウザがgzip圧縮に対応していると判断された場合、PHPの出力バッファに蓄積されたHTMLやCSS、JavaScriptなどのコンテンツをgzip形式に変換し、同時に「Content-Encoding: gzip」というHTTPヘッダーを付加してブラウザへ送信します。これにより、ブラウザは圧縮されたデータを受け取り、自動的に解凍してからWebページを表示します。

一方、Webブラウザがgzip圧縮をサポートしていない、または何らかの理由で圧縮が適用できないと判断された場合でも、ob_gzhandler関数は柔軟に対応します。この場合、コンテンツは圧縮されずに、元の状態のままでブラウザに送信されます。このフォールバック機能により、古いブラウザや特定の環境下でもコンテンツが正しく表示され、幅広い互換性が確保されます。ob_gzhandler関数は、効率的でユーザーフレンドリーなWebアプリケーションを開発する上で、非常に有用なツールです。

基本的な使い方

構文(syntax)

<?php
ob_start('ob_gzhandler');
echo "このコンテンツはGZIP圧縮されて送信されます。";
?>

引数(parameters)

string $buffer, int $flags

  • string $buffer: ob_gzhandler() 関数に渡されるバッファの内容を指定する文字列
  • int $flags: Gzip 圧縮の際のフラグを指定する整数。デフォルトは 0

戻り値(return)

string

ob_gzhandler 関数は、gzcompress 関数で圧縮された文字列を返します。

サンプルコード

PHPのob_gzhandlerでgzip圧縮する

<?php

/**
 * ob_gzhandler のサンプルコード
 *
 * ob_start() で出力バッファリングを開始し、ob_gzhandler() をコールバック関数として指定することで、
 * 出力バッファの内容を gzip 圧縮してブラウザに送信します。
 * ブラウザが gzip に対応している必要があります。
 */

// ob_gzhandler を使用して出力バッファリングを開始
ob_start("ob_gzhandler");

// Content-Type を設定(例:テキスト)
header("Content-Type: text/plain");

// gzip 圧縮されていることをブラウザに通知
header("Content-Encoding: gzip");

// 出力するコンテンツ
$output = "This is a test string.\n";
$output .= "This string will be compressed using gzip.\n";
$output .= "This is the end.\n";

echo $output;

// ob_get_contents() でバッファの内容を取得可能
// $compressed_output = ob_get_contents();

// 出力バッファをフラッシュしてコンテンツを送信
ob_end_flush();
?>

このサンプルコードは、PHPでob_gzhandler関数を使用して、Webサーバーからブラウザに送信するデータをgzip圧縮する方法を示しています。まず、ob_start()関数を使って出力バッファリングを開始します。この際、コールバック関数としてob_gzhandlerを指定することで、出力バッファに溜まったデータが自動的にgzip圧縮されるようになります。

ob_gzhandler関数は、引数として圧縮前のデータ $buffer とフラグ $flags を受け取ります。 $flags は圧縮レベルなどを調整するために使用できますが、通常はデフォルト値で問題ありません。関数は圧縮後のデータを文字列として返します。

サンプルコードでは、header()関数を使用して、Content-Type(例:text/plain)とContent-Encoding: gzipヘッダーを設定しています。Content-Encoding: gzipヘッダーは、ブラウザに対してデータがgzip圧縮されていることを通知するために重要です。

最後に、echoステートメントで出力したいコンテンツを表示し、ob_end_flush()関数を呼び出すことで、バッファリングされたデータがgzip圧縮されてブラウザに送信されます。ob_get_contents()関数を使用すると、圧縮後のデータを出力せずに取得することも可能です。 この方法を使用すると、Webサイトの表示速度を向上させることができます。ただし、ブラウザがgzip圧縮に対応している必要があります。

ob_gzhandlerは、PHPの出力バッファリング機能とgzip圧縮を組み合わせる際に使用します。ob_start()で出力バッファリングを開始する際に、コールバック関数としてob_gzhandlerを指定することで、出力内容が自動的にgzip圧縮されます。

注意点として、ブラウザがgzip圧縮に対応している必要があります。また、Content-Encoding: gzipヘッダーを送信して、ブラウザに圧縮されていることを明示的に伝える必要があります。ヘッダー送信前に出力してしまうとエラーになるため、ob_start()の前にheader関数を実行してください。

ob_end_flush()でバッファの内容を送信しますが、その前にob_get_contents()でバッファの内容を取得することも可能です。ob_end_flush()の後はバッファがクリアされるため、再度出力を行う場合はob_start()からやり直す必要があります。

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