【PHP8.x】itemメソッドの使い方
itemメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
itemメソッドは、Dom\DtdNamedNodeMapクラスに属し、DTD内で定義された名前付きノードのコレクションから、指定されたインデックス位置のノードを取得するメソッドです。
Dom\DtdNamedNodeMapは、XMLやHTML文書の構造や要素のルールを定義するDTD(Document Type Definition)において、エンティティや属性宣言など、名前で参照されるノードの集合を管理する際に使用されます。このメソッドは、そうしたDTD内の特定のノード要素に、そのコレクション内での順序に基づいてアクセスするために利用されます。
引数には、取得したいノードのゼロから始まるインデックス(位置)を整数で指定します。指定されたインデックスに対応するノードが存在する場合、このメソッドはDom\Node型のオブジェクトを返します。しかし、もし指定したインデックスがコレクションの範囲外である場合、つまり、存在しない位置を指定した場合には、nullを返します。これにより、開発者はDTD関連の情報をプログラムで効率的に探索し、操作することが可能になります。
構文(syntax)
1<?php 2 3$doc = new DOMDocument(); 4$doc->loadXML('<!DOCTYPE root [<!ENTITY example "value">]><root/>'); 5 6$doctype = $doc->doctype; 7 8// Dom\DtdNamedNodeMap のインスタンスを取得 9$dtdNamedNodeMap = $doctype->entities; 10 11// 指定したインデックスのノードを取得 12$node = $dtdNamedNodeMap->item(0); 13 14?>
引数(parameters)
int $index
- int $index: 取得したいノードのインデックス(0から始まる整数)を指定します。
戻り値(return)
Dom\Entity|Dom\Notation|null
指定されたインデックスに対応する Dom\Entity または Dom\Notation ノード、あるいは存在しない場合は null を返します。
サンプルコード
PHP Dom\DtdNamedNodeMap itemメソッドでEntity/Notationを取得する
1<?php 2 3// XML 文字列を定義します。 4$xmlString = <<<XML 5<!DOCTYPE test [ 6 <!ENTITY ent "entity value"> 7 <!NOTATION notation PUBLIC "notation public id" "notation system id"> 8]> 9<test></test> 10XML; 11 12// DOMDocument オブジェクトを生成し、XML をロードします。 13$dom = new DOMDocument(); 14$dom->loadXML($xmlString); 15 16// DOCTYPE を取得します。 17$doctype = $dom->doctype; 18 19// Entity と Notation の NamedNodeMap を取得します。 20$entities = $doctype->entities; 21$notations = $doctype->notations; 22 23// Entity の NamedNodeMap から指定されたインデックスの Entity を取得します。 24if ($entities instanceof DOMNamedNodeMap) { 25 $entity = $entities->item(0); 26 27 // Entity が存在する場合、名前を表示します。 28 if ($entity instanceof DOMEntity) { 29 echo "Entity Name: " . $entity->nodeName . PHP_EOL; // Output: Entity Name: ent 30 } 31} 32 33// Notation の NamedNodeMap から指定されたインデックスの Notation を取得します。 34if ($notations instanceof DOMNamedNodeMap) { 35 $notation = $notations->item(0); 36 37 // Notation が存在する場合、名前を表示します。 38 if ($notation instanceof DOMNotation) { 39 echo "Notation Name: " . $notation->nodeName . PHP_EOL; // Output: Notation Name: notation 40 } 41}
このサンプルコードは、PHPのDOM拡張を用いて、XMLドキュメントのDOCTYPE宣言に含まれるEntityとNotationを取得し、それらの情報を表示する方法を示しています。
まず、XML文字列を定義し、DOMDocumentオブジェクトにロードします。$dom->doctypeでDOCTYPEノードを取得し、そこからentitiesとnotationsプロパティを使って、それぞれEntityとNotationのDOMNamedNodeMapを取得します。
Dom\DtdNamedNodeMapクラスのitem()メソッドは、引数に指定されたインデックスに対応するEntityまたはNotationノードを返します。引数$indexは整数のインデックス値を指定します。インデックスは0から始まります。もし指定されたインデックスにノードが存在しない場合、nullを返します。
サンプルコードでは、$entities->item(0)で最初のEntityノードを、$notations->item(0)で最初のNotationノードを取得しています。取得したノードがそれぞれDom\EntityまたはDom\Notationのインスタンスであるか確認し、存在する場合はその名前(nodeName)を表示します。この例では、"ent"という名前のEntityと、"notation"という名前のNotationが出力されます。
このコードは、XMLドキュメントの定義(DTD)に含まれるEntityやNotationの情報をプログラムで取得し、処理する際の基本的なパターンを示しています。システムエンジニアを目指す方がXML処理を理解する上で役立つでしょう。
Dom\DtdNamedNodeMap::item()メソッドは、DOCTYPEで定義されたEntityまたはNotationのリストから、指定されたインデックスのノードを取得します。インデックスは0から始まることに注意してください。存在しないインデックスを指定した場合、nullが返されます。
サンプルコードでは、取得したノードが実際にEntityまたはNotationのインスタンスであるかを確認してから、そのプロパティにアクセスしています。これは、nullが返される可能性を考慮した安全なコーディングプラクティスです。
DOMNamedNodeMapが返すノードの順序は、XMLドキュメントにおけるDOCTYPE定義の順序に依存します。期待するノードが確実に特定のインデックスに存在するかどうかを確認するため、item()メソッドを使う前に、DOMNamedNodeMap::lengthプロパティで要素数を確認することを推奨します。
DTDエンティティをインデックスで取得する
1<?php 2 3// Dom\DtdNamedNodeMap::item メソッドのサンプルコード 4 5// DTD を含む XML ドキュメントをロード 6$dom = new DOMDocument(); 7$dom->loadXML('<!DOCTYPE example [ <!ENTITY ent "Example Entity"> ]><example>&ent;</example>'); 8 9// DTD を取得 10$dtd = $dom->doctype; 11 12// DTD が存在する場合 13if ($dtd) { 14 // entities を取得 15 $entities = $dtd->entities; 16 17 // entities が存在する場合 18 if ($entities) { 19 // インデックス 0 の entity を取得 20 $entity = $entities->item(0); 21 22 // entity が存在する場合、名前を出力 23 if ($entity) { 24 echo "Entity Name: " . $entity->nodeName . PHP_EOL; // 出力: Entity Name: ent 25 } else { 26 echo "Entity not found at index 0." . PHP_EOL; 27 } 28 } else { 29 echo "No entities found in DTD." . PHP_EOL; 30 } 31} else { 32 echo "DTD not found." . PHP_EOL; 33} 34 35?>
このサンプルコードは、PHPのDOM拡張におけるDom\DtdNamedNodeMap::itemメソッドの使い方を示しています。Dom\DtdNamedNodeMapは、DTD(Document Type Definition)内で定義されたエンティティや表記のコレクションを表現するオブジェクトです。itemメソッドは、このコレクションから指定されたインデックスに対応するエンティティまたは表記を返します。
サンプルでは、まずDTDを含むXMLドキュメントをDOMDocumentオブジェクトにロードしています。次に、$dom->doctypeでDTDを取得し、そのentitiesプロパティからDom\DtdNamedNodeMapオブジェクトを取得しています。
$entities->item(0)は、Dom\DtdNamedNodeMapオブジェクト内のインデックス0(最初の要素)のエンティティを取得しようと試みます。引数$indexは、取得したい要素のインデックスを指定します。戻り値は、指定されたインデックスに存在するエンティティまたは表記を表すDom\EntityまたはDom\Notationオブジェクトです。もし、指定されたインデックスに要素が存在しない場合は、nullが返されます。
サンプルコードでは、取得したエンティティが存在する場合、その名前(nodeName)を出力します。存在しない場合は、その旨のメッセージを出力します。DTDが存在しない場合や、DTD内にエンティティが存在しない場合も、それぞれ対応するメッセージが出力されます。この例では、DTD内の最初のエンティティ "ent" の名前が出力されることを期待します。
Dom\DtdNamedNodeMap::item は、DTD内のEntityやNotationをインデックスで取得するメソッドです。DTDが存在しない場合や、指定したインデックスに要素が存在しない場合は null を返すことに注意が必要です。サンプルコードでは、DTDの存在、entitiesの存在、そして取得したentityの存在をそれぞれ確認してから処理を進めています。これは、null が返ってきた場合にエラーが発生するのを防ぐための安全策です。また、XMLドキュメントにDTDが含まれているか事前に確認しておくと、より確実な処理ができます。インデックスは0から始まるため、要素数を超えないように注意してください。