【PHP8.x】normalizeメソッドの使い方
normalizeメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
normalizeメソッドは、WebページなどのHTMLドキュメントの構造を表すDOM(Document Object Model)ツリー内のテキストノードを整理し、一貫性のある状態に保つための処理を実行するメソッドです。このメソッドを呼び出すことで、DOMツリーに存在する全てのテキストノードに対して、主に二つの重要な操作が行われます。
まず一つ目は、内容が空であるテキストノードの削除です。HTMLやXMLドキュメントを解析する際や、プログラムによって動的にドキュメントを操作する際に、意図せず文字が含まれない空のテキストノードが生成されることがあります。normalizeメソッドは、このような余分な空ノードを自動的に取り除き、ツリーをきれいに保ちます。
二つ目は、隣接する複数のテキストノードの結合です。例えば、同じ要素の直下に「Hello」というテキストノードと「 World」というテキストノードが連続して存在する場合、これらを「Hello World」という一つのテキストノードに統合します。これにより、同じテキストデータが複数のノードに分かれて格納されることを防ぎ、DOMツリーの構造をよりシンプルかつ効率的にします。
これらの正規化処理により、DOMツリーはよりコンパクトになり、メモリ使用量が削減されるとともに、ドキュメントの travers(巡回)やtextContentプロパティなどを用いたテキストコンテンツの取得が、より予測可能で効率的になります。特に、ドキュメントの内容が頻繁に変更される場合や、外部から読み込んだHTMLの構造が複雑な場合に、ツリーの状態をクリーンに保つために非常に有効です。このメソッドは、Dom\HTMLDocumentクラスのインスタンスに対して呼び出され、ドキュメント全体にわたる正規化が適用されます。
構文(syntax)
1<?php 2 3$htmlDocument = new Dom\HTMLDocument(); 4$htmlDocument->normalize(); 5 6?>
引数(parameters)
引数なし
引数はありません
戻り値(return)
void
このメソッドは、HTMLドキュメントを整形し、不要な空白や改行を削除して、より標準的な形式に整えます。この処理自体に直接的な値は返されません。戻り値はありません。
サンプルコード
PHP DomDocument normalizeでテキストノードを正規化する
1<?php 2 3/** 4 * Dom\HTMLDocument::normalize() メソッドのサンプルコード 5 * 6 * このスクリプトは、HTMLドキュメント内のDOMツリーを正規化する 7 * Dom\HTMLDocument::normalize() メソッドの動作を示します。 8 * 特に、隣接する複数のテキストノードが1つのテキストノードに結合される様子を例示します。 9 */ 10 11// Dom\HTMLDocument オブジェクトを作成します。 12// これはHTML5ドキュメントを表すオブジェクトで、初期状態で<html>, <head>, <body>要素が含まれています。 13$document = new Dom\HTMLDocument(); 14 15// ドキュメントの<body>要素を取得します。 16// Dom\HTMLDocument はHTML5仕様に基づき、<body>要素を自動で作成します。 17$body = $document->body; 18 19// 正規化の動作を示すために、意図的に複数のテキストノードに分割されたコンテンツを作成します。 20// ここでは、<p>タグの子要素として、3つの隣接するテキストノードを追加します。 21$paragraph = $document->createElement('p'); 22$paragraph->appendChild($document->createTextNode('これは')); 23$paragraph->appendChild($document->createTextNode(' ')); // わざと間に空白のテキストノードを挟む 24$paragraph->appendChild($document->createTextNode('分割されたテキストです。')); 25 26// 作成した<p>タグを<body>に追加します。 27$body->appendChild($paragraph); 28 29echo "--- 正規化前のDOM構造 ---" . PHP_EOL; 30// <p>タグの子ノード数を表示し、現在の状態を確認します。 31// ここでは、3つのテキストノードが存在することを確認できます。 32echo " <p>タグの子ノード数: " . $paragraph->childNodes->length . PHP_EOL; 33// 特定の要素(ここでは<p>タグ)のHTMLを文字列として出力します。 34// 見た目上は1つのテキストに見えますが、DOM内部ではテキストノードが分割された状態です。 35echo " HTML出力 (pタグ): " . $document->saveHTML($paragraph) . PHP_EOL; 36 37echo PHP_EOL; 38echo "Dom\\HTMLDocument::normalize() を実行します..." . PHP_EOL; 39// documentオブジェクトに対してnormalize()メソッドを呼び出します。 40// このメソッドは、DOMツリー内のテキストノードを正規化します。 41// 具体的には、隣接するテキストノードを結合し、空のテキストノードを削除します。 42// (引数なしで戻り値は void ですが、DOMツリーが変更されます) 43$document->normalize(); 44 45echo PHP_EOL; 46echo "--- 正規化後のDOM構造 ---" . PHP_EOL; 47// normalize()実行後、再度<p>タグの子ノード数を表示します。 48// 隣接していたテキストノードが1つに結合されているため、子ノード数が減少しているはずです。 49echo " <p>タグの子ノード数: " . $paragraph->childNodes->length . PHP_EOL; 50// 正規化後のHTMLを文字列として出力します。 51// HTMLの見た目は変わらないかもしれませんが、DOM内部ではテキストノードが結合され、 52// より効率的なツリー構造になっています。 53echo " HTML出力 (pタグ): " . $document->saveHTML($paragraph) . PHP_EOL; 54 55echo PHP_EOL; 56echo "この例では、normalize() メソッドにより3つの隣接するテキストノードが1つのテキストノードに結合されました。" . PHP_EOL;
Dom\HTMLDocument::normalize() メソッドは、PHPでHTMLドキュメントのDOM(Document Object Model)ツリーを整理し、内部構造を標準的な形に整えるために使用されます。このメソッドは引数を取りませんし、直接的な戻り値もありません(void)が、実行すると現在扱っているHTMLドキュメントのDOMツリーが変更されます。
具体的には、DOMツリー内の隣接する複数のテキストノードを一つに結合したり、内容が空のテキストノードを削除したりすることで、より効率的で扱いやすいツリー構造にします。
上記のサンプルコードでは、まず意図的に「これは」「 」「分割されたテキストです。」という3つのテキストノードに分割された状態の段落要素(<p>タグ)を作成しています。normalize()メソッドを呼び出す前は、この<p>タグには3つの子ノードが存在します。
しかし、$document->normalize()を実行すると、隣接していたこれら3つのテキストノードは自動的に「これは 分割されたテキストです。」という1つのテキストノードに結合されます。その結果、正規化後の<p>タグの子ノード数は1つとなり、HTMLの見た目は変わらなくても、内部のDOMツリー構造がより簡潔に整理されることが確認できます。このように、normalize()はDOMツリーを整え、安定した状態にするのに役立ちます。
Dom\HTMLDocument::normalize()は、HTMLドキュメントのDOMツリー内部を整理するメソッドです。引数なしで戻り値もありませんが、ドキュメント内の隣接するテキストノードを結合したり、空のテキストノードを削除することでDOM構造を変更します。
注意点として、このメソッドを実行してもHTMLの見た目が直接変わるとは限りません。内部のノード構造が最適化されるものです。手動でDOM要素を作成し、テキストを分割して追加した場合などに、意図せず複数のテキストノードが生成されることがあります。そのような場合にnormalize()を使うと、それらのノードが自動的に結合され、よりシンプルなDOMツリーになります。
補足として、DOM操作の効率性やメモリ使用量の改善に役立つことがあります。特に複雑なDOMツリーを扱う際や、外部ソースからDOMをパースして修正する場合などに、不必要なテキストノードを整理するために利用すると良いでしょう。