【PHP8.x】SQLite3::backup()メソッドの使い方
backupメソッドの使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。
基本的な使い方
backupメソッドは、SQLite3クラスに属し、現在のSQLiteデータベースのバックアップを実行するメソッドです。このメソッドは、データベースのデータを安全に保護し、万が一の事態に備えるための重要な機能を提供します。具体的には、現在開いているSQLiteデータベースのすべての内容を、指定した別のSQLiteデータベースファイルにコピーすることができます。
バックアップは、データの破損や損失から保護し、システムの障害や誤操作が発生した場合の復旧ポイントを作成するために不可欠です。このbackupメソッドは、通常、バックアップ元となるデータベースへのアクセスを妨げることなく処理を実行できるため、アプリケーションの運用を継続したまま、安全にデータベースのコピーを作成することが可能です。
引数としては、バックアップ先のデータベースを表すSQLite3オブジェクトや、バックアップ元のデータベース名、バックアップ先のデータベース名などを指定することが一般的です。メソッドの戻り値は、バックアップ操作の成否を示す真偽値(trueまたはfalse)であることが多いでしょう。
システムエンジニアにとって、データベースのバックアップは日々の運用業務における重要なスキルの一つです。このbackupメソッドを適切に利用することで、データ管理の信頼性を高め、サービス停止のリスクを最小限に抑えることができます。
構文(syntax)
1$sourceDb = new SQLite3('source.db'); 2$destinationDb = new SQLite3('destination.db'); 3$backup = $sourceDb->backup($destinationDb, 'main', 'main');
引数(parameters)
SQLite3 $destination, string $sourceDatabase = 'main', string $destinationDatabase = 'main'
- SQLite3 $destination: バックアップ先のSQLite3データベースオブジェクト
- string $sourceDatabase = 'main': バックアップ元となるSQLite3データベースの名称(デフォルトは'main')
- string $destinationDatabase = 'main': バックアップ先のSQLite3データベースの名称(デフォルトは'main')
戻り値(return)
SQLite3Backup
SQLite3Backupクラスのインスタンスが返されます。このインスタンスは、データベースのバックアップ操作を管理するために使用されます。
サンプルコード
PHPでSQLiteデータベースをバックアップする
1<?php 2 3/** 4 * SQLite3 データベースのバックアップを実行します。 5 * 6 * この関数は、指定されたバックアップ元データベースの全データを、 7 * 指定されたバックアップ先データベースにコピーします。 8 * 大規模なデータベースでもメモリを圧迫しないように、段階的な処理が可能です。 9 * 10 * @param string $sourcePath バックアップ元のSQLiteデータベースファイルのパス。 11 * @param string $destinationPath バックアップ先のSQLiteデータベースファイルのパス。 12 * @return bool バックアップが成功した場合は true、失敗した場合は false。 13 */ 14function performSqliteBackup(string $sourcePath, string $destinationPath): bool 15{ 16 // バックアップ元のデータベースを開きます。 17 // ファイルが存在しない場合や破損している場合は、SQLite3コンストラクタで例外がスローされることがあります。 18 try { 19 $sourceDb = new SQLite3($sourcePath); 20 } catch (Exception $e) { 21 error_log("Failed to open source database '{$sourcePath}': " . $e->getMessage()); 22 return false; 23 } 24 25 // バックアップ先のデータベースを開きます。 26 // ファイルが存在しない場合は新規作成されます。 27 try { 28 $destinationDb = new SQLite3($destinationPath); 29 } catch (Exception $e) { 30 error_log("Failed to open destination database '{$destinationPath}': " . $e->getMessage()); 31 $sourceDb->close(); // ソースDBの接続を閉じる 32 return false; 33 } 34 35 echo "Attempting to backup from '{$sourcePath}' to '{$destinationPath}'...\n"; 36 37 try { 38 // SQLite3::backup メソッドを呼び出してバックアップ処理を開始します。 39 // このメソッドは、呼び出し元のオブジェクト($sourceDb)のデータを 40 // 引数で指定されたSQLite3オブジェクト($destinationDb)にバックアップします。 41 // 'main' はバックアップ元とバックアップ先のデータベース名(通常は 'main')。 42 $backup = $sourceDb->backup($destinationDb, 'main', 'main'); 43 44 if ($backup === false) { 45 // backupオブジェクトの作成に失敗した場合 46 error_log("SQLite backup failed to initialize. Error: " . $sourceDb->lastErrorMsg()); 47 return false; 48 } 49 50 // バックアップ処理を段階的に実行します。 51 // step() メソッドは、まだコピーするページがある場合に true を返します。 52 // 全てのページがコピーされるまでループを続けます。 53 while ($backup->step()) { 54 // 必要に応じてバックアップの進行状況を表示できます。 55 // 例: echo "."; // 実行すると進捗がドットで表示されます 56 } 57 58 // バックアップ処理が完全に完了したことを確認します。 59 // finish() メソッドは、バックアップが成功すると true を返します。 60 if ($backup->finish()) { 61 echo "SQLite database backup successful.\n"; 62 return true; 63 } else { 64 // finish() が false を返した場合、バックアップ中にエラーが発生した可能性があります。 65 error_log("SQLite backup failed to finish. Error: " . $sourceDb->lastErrorMsg()); 66 return false; 67 } 68 } catch (Exception $e) { 69 // 予期せぬエラーが発生した場合 70 error_log("SQLite backup error: " . $e->getMessage()); 71 return false; 72 } finally { 73 // データベース接続を必ず閉じます。 74 // これにより、リソースが解放され、データベースファイルが正しくロック解除されます。 75 if ($sourceDb) { 76 $sourceDb->close(); 77 } 78 if ($destinationDb) { 79 $destinationDb->close(); 80 } 81 } 82} 83 84// --- スクリプトの実行部分 --- 85 86// バックアップ元のファイル名とバックアップ先のファイル名を定義 87$sourceDbFile = 'my_source_database.db'; 88$backupDbFile = 'my_backup_database.db'; 89 90// --- サンプルデータ生成 (テスト用: 実際の運用では既存のデータベースを指定します) --- 91// この部分は、バックアップ元のデータベースファイルが存在しない場合に、 92// テスト用のダミーデータベースを作成します。 93// 既に 'my_source_database.db' が存在する場合は、そのデータベースが使用されます。 94if (!file_exists($sourceDbFile)) { 95 try { 96 $db = new SQLite3($sourceDbFile); 97 $db->exec('CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INTEGER PRIMARY KEY, name TEXT)'); 98 $db->exec("INSERT INTO users (name) VALUES ('Alice')"); 99 $db->exec("INSERT INTO users (name) VALUES ('Bob')"); 100 $db->close(); 101 echo "Sample source database '{$sourceDbFile}' created with some data.\n"; 102 } catch (Exception $e) { 103 echo "Failed to create sample source database: " . $e->getMessage() . "\n"; 104 exit(1); // データベース作成に失敗した場合はスクリプトを終了 105 } 106} else { 107 echo "Using existing source database: '{$sourceDbFile}'.\n"; 108} 109// --- サンプルデータ生成終わり --- 110 111// 定義した関数を呼び出してバックアップ処理を実行 112if (performSqliteBackup($sourceDbFile, $backupDbFile)) { 113 echo "Backup process completed successfully for '{$sourceDbFile}'. Result stored in '{$backupDbFile}'.\n"; 114} else { 115 echo "Backup process failed.\n"; 116}
このPHPサンプルコードは、SQLite3::backupメソッドを使用してSQLiteデータベースのバックアップを実行する方法を示しています。まず、バックアップ元のデータベースとバックアップ先のデータベースをそれぞれSQLite3オブジェクトとして開きます。
SQLite3::backupメソッドは、呼び出し元のSQLite3オブジェクト(バックアップ元)のデータを、引数で指定された別のSQLite3オブジェクト(バックアップ先)にコピーするために利用されます。引数$destinationにはバックアップ先のSQLite3オブジェクト、$sourceDatabaseと$destinationDatabaseにはそれぞれバックアップ元と先のデータベース名を文字列で指定し、通常は「main」が用いられます。このメソッドは、バックアップ処理を管理するSQLite3Backupオブジェクトを返します。
バックアップ処理は、返されたSQLite3Backupオブジェクトのstep()メソッドをループで繰り返し呼び出すことで段階的に実行されます。これにより、大規模なデータベースでもメモリを圧迫せずに効率的にデータをコピーできます。全てのデータがコピーされた後、finish()メソッドを呼び出してバックアップ処理を完了させます。
コードでは、データベースのオープンやバックアップ処理中に発生する可能性のあるエラーをtry-catchブロックで適切に処理し、finallyブロックでデータベース接続を確実に閉じ、リソースを解放しています。スクリプトの実行部分では、バックアップ元のダミーデータベースを生成し、定義したバックアップ関数を呼び出して実際の動作を確認しています。
このサンプルコードはSQLiteデータベースのバックアップ方法を示しています。特に、SQLite3::backupメソッドは呼び出し元のデータベースの内容を引数で指定したデータベースにコピーしますので、ソースとデスティネーションの区別を明確に理解してください。バックアップ処理はstep()とfinish()をループで呼び出すことで段階的に実行され、メモリ消費を抑える構造になっています。データベースのオープン時やバックアップ中にエラーが発生する可能性があるため、try-catchでの例外処理と、finallyブロックでのclose()による接続の解放を忘れないことが重要です。バックアップ先のファイルが存在する場合は上書きされるため注意し、ファイルアクセス権限も確認してください。これはファイルベースのSQLite特有のバックアップ方法であり、MySQLなどのサーバー型データベースとは異なりますのでご注意ください。