アプリケーションハンガリアン(アプリケーションハンガリアン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

アプリケーションハンガリアン(アプリケーションハンガリアン)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

アプリケーションハンガリアン (アプリケーションハンガリアン)

英語表記

Application Hungarian (アプリケーション・ハンガリアン)

用語解説

アプリケーションハンガリアンとは、プログラミングにおける命名規則の一種であり、変数名や関数名にそのデータ型や用途を示すプレフィックス(接頭辞)を付与することで、コードの可読性と保守性を高めることを目的とした手法である。

もともとハンガリアン記法は、Microsoft社のプログラマーであったチャールズ・シモニー氏が考案したもので、初期のWindowsプログラミングで広く用いられた。ハンガリアン記法には、システムハンガリアンとアプリケーションハンガリアンの2種類が存在する。システムハンガリアンは、変数の実際のデータ型(例えば、整数型、文字列型など)を示すプレフィックスを用いる。一方、アプリケーションハンガリアンは、変数の意味や用途を示すプレフィックスを用いる。

アプリケーションハンガリアンの詳細について説明する。例えば、rwPositionという変数名があった場合、rwは「row」(行)を表し、Positionはその行における位置を表すことを意味する。この命名規則を用いることで、コードを読む際に変数の役割を容易に理解することができる。

アプリケーションハンガリアンは、特に大規模なプロジェクトや、複数の開発者が共同で作業する環境において、その効果を発揮する。変数名からその意味を推測できるため、コードの理解にかかる時間を短縮し、誤った変数の使用を防ぐことができる。また、コードレビューの際にも、変数名が適切であるかどうかを判断しやすくなる。

しかし、アプリケーションハンガリアンにもデメリットが存在する。まず、プレフィックスを付与することで変数名が長くなり、コードの可読性を損なう可能性がある。特に、複雑なデータ構造や、複数の意味を持つ変数に対してプレフィックスを付与する場合、変数名が非常に長くなることがある。また、アプリケーションハンガリアンは、命名規則を厳密に守る必要があるため、開発者の負担になる可能性がある。プレフィックスの種類や命名規則を事前に定義し、開発チーム全体で共有する必要がある。さらに、IDE(統合開発環境)の進化により、変数にマウスオーバーするだけでデータ型や定義を確認できるようになったため、アプリケーションハンガリアンの必要性が薄れてきたという意見もある。

現代のプログラミングにおいては、アプリケーションハンガリアンは必ずしも推奨されるものではない。多くの開発者は、より簡潔でわかりやすい命名規則や、IDEの機能を活用することで、コードの可読性と保守性を高めている。例えば、変数名には具体的な意味を表す単語を選び、関数名には動詞を含めるなど、自然言語に近い命名規則を用いることが一般的である。また、変数名や関数名の長さは、短すぎず長すぎない適切な範囲に保つことが重要である。

アプリケーションハンガリアンは、特定の状況下では有効な手法であるが、その適用には慎重な検討が必要である。プロジェクトの規模、開発チームの経験、使用するプログラミング言語や開発環境などを考慮し、適切な命名規則を選択することが重要である。システムエンジニアを目指す初心者は、アプリケーションハンガリアンのメリットとデメリットを理解した上で、現代的なプログラミングのベストプラクティスを学ぶことが望ましい。

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