後判定ループ(コウハンテイループ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
後判定ループ(コウハンテイループ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
後判定ループ (コウハンテイループ)
英語表記
post-test loop (ポストテストループ)
用語解説
後判定ループとは、プログラミングにおける反復処理(ループ)の一種で、ループ処理の実行後に継続条件を判定する方式のことである。ループの処理ブロックが必ず一度は実行されるという特徴を持つ。
より詳細に説明すると、通常のループ処理は、処理を実行する前に継続条件を確認する「前判定ループ」が一般的である。例えば、C言語やJavaなどでよく使われるfor文やwhile文は、前判定ループの代表例だ。これらのループでは、条件が満たされない場合、ループ処理は一度も実行されない可能性がある。
一方、後判定ループは、まずループ内の処理を一度実行し、その後に継続条件を判定する。そのため、どのような状況であれ、ループ内の処理は最低でも一回は実行されることが保証される。この点が前判定ループとの最も大きな違いである。
後判定ループの具体的な構文はプログラミング言語によって異なるが、多くの言語ではdo-while文やrepeat-until文といった形で提供されている。例えば、C言語やJavaにおけるdo-while文は、以下のような構造を持つ。
1do { 2 // 実行される処理 3} while (条件式);
この例では、doブロック内の処理が最初に実行され、その後while文の条件式が評価される。条件式が真(true)であれば、再びdoブロック内の処理が実行される。条件式が偽(false)になるまで、この処理が繰り返される。
後判定ループの利点は、処理を必ず一度は実行させたい場合に有効であることだ。例えば、ユーザーからの入力を求める処理を考えてみよう。ユーザーが最初に無効な値を入力した場合でも、再度入力を促す必要がある。このようなケースでは、後判定ループを使用することで、少なくとも一度は入力を求める処理を実行し、入力された値が有効かどうかを判定することができる。
具体例として、数当てゲームを考えてみる。
1import java.util.Random; 2import java.util.Scanner; 3 4public class NumberGuessingGame { 5 public static void main(String[] args) { 6 Random random = new Random(); 7 int secretNumber = random.nextInt(100) + 1; // 1から100までの乱数を生成 8 int guess; 9 int attempts = 0; 10 Scanner scanner = new Scanner(System.in); 11 12 do { 13 System.out.print("1から100までの数を当ててください: "); 14 guess = scanner.nextInt(); 15 attempts++; 16 17 if (guess < secretNumber) { 18 System.out.println("もっと大きい数です。"); 19 } else if (guess > secretNumber) { 20 System.out.println("もっと小さい数です。"); 21 } else { 22 System.out.println("当たり! 正解は " + secretNumber + " でした。"); 23 System.out.println(attempts + " 回で当てました。"); 24 } 25 } while (guess != secretNumber); 26 27 scanner.close(); 28 } 29}
このコードでは、do-whileループを使用して、ユーザーが正解するまで入力を繰り返させる。ループ内の処理は、ユーザーに入力を促し、入力された値が正解と一致するかどうかを判定する。正解するまで、この処理は繰り返し実行される。
後判定ループを使用する際には、無限ループに陥らないように注意する必要がある。継続条件が常に真になるような場合、ループは永遠に終了しない。例えば、while (true)のような条件は、意図的に無限ループを作成する場合を除き、避けるべきだ。後判定ループを使用する場合も、ループ内で継続条件が変化するように、適切な処理を記述する必要がある。
後判定ループは、前判定ループと比較して使用頻度は少ないかもしれないが、特定の状況下では非常に有効なツールとなる。特に、処理を最低一度は実行する必要がある場合や、ユーザーからの入力を繰り返し求める場合などに、その利点を活かすことができる。プログラミングの際には、それぞれのループの特性を理解し、適切な場面で使い分けることが重要である。