【ITニュース解説】C++26: Erroneous behaviour
2025年09月07日に「Hacker News」が公開したITニュース「C++26: Erroneous behaviour」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
C++26で導入予定の新機能に、コンパイラの誤った挙動を引き起こす可能性のあるものが含まれている。特定の条件下で、プログラムが意図しない動作をするかもしれない。開発者は、この問題を認識し、今後の情報に注意する必要がある。
ITニュース解説
C++26で導入が検討されている「erroneous behaviour(誤った振る舞い)」という機能は、プログラムの実行時にエラーが発生した場合の挙動をより詳細に制御できるようにするものだ。具体的には、これまでのC++では未定義動作(undefined behavior)とされていた特定の状況に対して、プログラマが意図的にエラーとして扱うことを可能にする。
未定義動作とは、C++の規格で動作が定義されていないコードのことで、コンパイラや実行環境によって結果が異なったり、プログラムがクラッシュしたりする可能性がある。例えば、配列の範囲外にアクセスしたり、nullptrを参照したりするような場合が未定義動作に該当する。未定義動作は、プログラムのバグの原因となりやすく、デバッグを困難にする要因の一つだ。
これまで、C++では未定義動作が発生した場合、コンパイラは最適化のためにその箇所を無視したり、予期せぬ動作を引き起こしたりすることがあった。これは、未定義動作が発生しないことを前提にコンパイラが最適化を行うためだ。しかし、実際には、未定義動作を完全に排除することは難しく、特に大規模なプログラムでは、未定義動作が潜んでいる可能性が高い。
C++26で提案されているerroneous behaviourは、このような未定義動作をより安全に扱うための仕組みを提供する。具体的には、特定の未定義動作を「エラー」として明示的に指定することで、コンパイラはその箇所でエラーを検出し、プログラムの実行を停止させることができるようになる。これにより、未定義動作が原因で発生する予期せぬ動作を防ぎ、プログラムの安定性を向上させることが期待される。
Erroneous behaviourは、属性(attribute)という形で実装される可能性が高い。属性とは、C++のキーワードの一つで、変数や関数、クラスなどの宣言に付加することで、コンパイラに対して追加の情報を提供するものだ。例えば、[[deprecated]]属性は、特定の関数や変数が非推奨であることをコンパイラに通知する。
Erroneous behaviourの場合、特定のコードブロックや式に対して、[[erroneous]]のような属性を付加することで、その箇所でエラーが発生した場合に、コンパイラがエラーを検出するように指示する。具体的な構文や属性の名前はまだ確定していないが、このような仕組みが導入されることで、未定義動作をより安全に扱うことができるようになる。
Erroneous behaviourの導入には、いくつかのメリットがある。まず、プログラムのデバッグが容易になる。未定義動作が発生した場合、これまで原因を特定するのが困難だったが、erroneous behaviourを使用することで、エラーが発生箇所を特定しやすくなる。これにより、開発者はより迅速にバグを修正し、プログラムの品質を向上させることができる。
次に、プログラムの安全性が向上する。未定義動作が原因で発生するセキュリティ脆弱性を減らすことができる。例えば、バッファオーバーフローなどの脆弱性は、未定義動作を利用して悪用されることが多い。Erroneous behaviourを使用することで、このような脆弱性の発生を防ぐことができる。
さらに、コンパイラの最適化をより安全に行うことができる。これまで、コンパイラは未定義動作が発生しないことを前提に最適化を行っていたが、erroneous behaviourを使用することで、未定義動作が発生する可能性のある箇所を特定し、より安全な最適化を行うことができる。
ただし、erroneous behaviourの導入には、いくつかの課題もある。まず、既存のコードとの互換性を維持する必要がある。Erroneous behaviourを導入することで、既存のコードがコンパイルエラーになる可能性がある。そのため、慎重な設計と移行計画が必要となる。
次に、Erroneous behaviourをどのように活用するかを開発者が理解する必要がある。Erroneous behaviourは、あくまで未定義動作をエラーとして扱うための仕組みであり、未定義動作そのものを解消するものではない。そのため、開発者は未定義動作が発生しないように、適切なコーディングを行う必要がある。
最後に、Erroneous behaviourがすべての未定義動作に対応できるわけではない。C++の規格には、数多くの未定義動作が存在し、Erroneous behaviourで対応できる範囲は限られている。そのため、Erroneous behaviourだけに頼るのではなく、他の安全対策と組み合わせることが重要となる。
C++26でErroneous behaviourが導入されれば、C++プログラミングはより安全で堅牢なものになるだろう。未定義動作という長年の課題に対し、一歩踏み込んだ解決策となることが期待される。システムエンジニアを目指す初心者にとっても、この機能は重要な概念であり、今後のC++プログラミングにおいて不可欠な知識となるだろう。未定義動作を意識したコーディングと、Erroneous behaviourのような安全機構の活用は、より高品質なソフトウェア開発に繋がる。