【ITニュース解説】ETCの仲間なのに「ETCは使えません」の掲示、一体どういうこと?謎規格「ETCX」とは
2025年09月06日に「CNET Japan」が公開したITニュース「ETCの仲間なのに「ETCは使えません」の掲示、一体どういうこと?謎規格「ETCX」とは」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
伊豆縦貫道などで見かけるETCXは、ETCと似た料金収受システム。ETCカードが使えない場合がある。ETCXは、ETC-GOという規格をベースにしたキャッシュレス決済システムで、一部のクレジットカードや地域共通プリペイドカードに対応。導入理由は、地域経済の活性化や観光客の利便性向上などが挙げられる。静岡県や神奈川県を中心に導入が進んでいる。
ITニュース解説
伊豆縦貫道や修善寺道路などで見かける「ETCX」というシステムは、見た目はETCゲートに似ているものの、従来のETCカードが使えない新しい料金収受システムだ。これは、静岡県道路公社と神奈川県道路公社が導入を進めているもので、ETCの進化形、あるいは補完的なシステムとして位置づけられる。
ETCXの最大の特徴は、ETCカードだけでなく、クレジットカードや地域連携ICカードなど、多様な決済手段に対応している点だ。従来のETCシステムは、ETCカードと車載器が必須であり、これらの機器を持たない車両は利用できなかった。しかし、ETCXは、これらの機器を持たない利用者でも、キャッシュレスで通行料金を支払えるようにすることを目的としている。特に、観光客やレンタカー利用者など、一時的に有料道路を利用する層にとって利便性が高い。
ETCXの仕組みは、ETCと同様に、ゲートに設置されたアンテナが車両に搭載された情報媒体(ETCカード、クレジットカードなど)を読み取り、通行料金を自動的に決済する。ただし、従来のETCと異なるのは、通信方式と決済処理の方法だ。ETCXは、ETCで使用されているDSRC(Dedicated Short Range Communication)ではなく、より広帯域な通信方式を採用している。これにより、多様な決済手段に対応できるようになった。
現在、ETCXに対応しているカードは、クレジットカードや地域連携ICカードなど、特定のカードに限られている。すべてのクレジットカードが使えるわけではなく、各道路公社が指定するカードのみが利用可能だ。利用者は、事前に利用可能なカードを確認する必要がある。また、ETCXを利用するためには、特別な手続きや登録は不要だ。対応するカードを持っていれば、ゲートを通過するだけで自動的に決済される。
ETCXと似たシステムとして、「ETC-GO」というものも存在する。これは、NEXCO東日本が開発したもので、ETCカードがなくても、スマートフォンアプリを使って通行料金を支払えるシステムだ。ETC-GOは、スマートフォンに専用アプリをインストールし、クレジットカード情報を登録することで利用できる。ゲートを通過する際に、アプリが自動的に料金を決済する仕組みだ。
ETCXが導入された背景には、いくつかの理由がある。まず、ETCの普及率は高いものの、すべての車両がETCを利用しているわけではない。特に、高齢者やレンタカー利用者など、ETCカードを持っていない層も一定数存在する。ETCXは、これらの層にもキャッシュレス決済の利便性を提供することを目的としている。
次に、地方の有料道路では、交通量が少なく、ETC専用ゲートを設置するコストに見合わない場合がある。ETCXは、比較的安価に導入できるため、地方の有料道路におけるキャッシュレス化を促進する手段として有効だ。
さらに、災害時など、緊急車両が通行する際に、ETCカードを持っていなくてもスムーズに通行できるようにすることも、ETCX導入の目的の一つだ。災害時には、料金所が閉鎖されたり、現金の受け渡しが困難になったりすることがある。ETCXがあれば、緊急車両もキャッシュレスで通行できるため、円滑な救助活動を支援できる。
ETCXの導入は、利用者にとって利便性が向上するだけでなく、道路管理者にとってもメリットがある。キャッシュレス決済の普及により、料金所の運営コストを削減できるほか、交通データの収集や分析が容易になる。これらのデータは、道路の維持管理や交通安全対策に活用できる。
しかし、ETCXには課題もある。まず、対応するカードが限られているため、すべての利用者が恩恵を受けられるわけではない。利用可能なカードの種類を増やす必要がある。次に、ETCXの認知度がまだ低い。多くの利用者は、ETCXの存在を知らないため、利用方法やメリットを周知する必要がある。
今後は、ETCXの導入範囲が拡大されることが予想される。静岡県や神奈川県だけでなく、他の地域の有料道路でもETCXが導入される可能性もある。また、対応するカードの種類も増えることが期待される。将来的には、スマートフォンアプリやQRコード決済など、さらに多様な決済手段に対応できるようになるかもしれない。
システムエンジニアを目指す上で、ETCXのような新しい料金収受システムを知っておくことは重要だ。なぜなら、これらのシステムは、交通インフラの効率化や利用者の利便性向上に貢献するだけでなく、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性も秘めているからだ。ETCXの仕組みや技術的な課題を理解することで、将来、交通インフラに関わるシステム開発に携わる際に役立つだろう。