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【ITニュース解説】The Weekend I Built My First AI Chatbot

2025年09月20日に「Medium」が公開したITニュース「The Weekend I Built My First AI Chatbot」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

週末に初めてAIチャットボットを構築した体験談。プログラミングの基礎である「Hello World」から始め、TransformerというAI技術を使い、会話可能なアシスタントを作り上げた過程を解説する。

出典: The Weekend I Built My First AI Chatbot | Medium公開日:

ITニュース解説

今回の記事は、一人のエンジニアが週末に初めてAIチャットボットを構築した体験を詳細に綴ったものだ。システムエンジニアを目指す上で、AI開発がどのように行われ、どのような技術が使われているかを理解する良い機会となるだろう。

筆者は、AI技術が進化し、個人でも高性能なチャットボットを構築できるようになったことに着目し、自らその可能性を試すことを決意した。数年前までは専門知識と膨大な計算資源が必要だったが、現在は強力なツールや事前学習済みモデルが公開され、個人でも挑戦しやすい環境が整っている。

具体的に、筆者が開発で選んだ主なツールは、プログラミング言語のPythonと、機械学習ライブラリであるHugging Face Transformers、そして深層学習フレームワークのPyTorchだ。PythonはAI開発で最も広く使われる言語であり、Hugging Face Transformersは、Transformerという技術を基盤とした高性能なAIモデルを簡単に利用するためのライブラリである。Transformerは自然言語処理の分野で革新をもたらし、文章の文脈を深く理解し、自然な会話を生成する能力を持つ。PyTorchは、AIモデルを動かすための計算処理を行う土台となるフレームワークだ。

開発の第一歩は、Python環境の準備と必要なライブラリのインストールから始まる。pipというPythonのパッケージ管理ツールを使って、Hugging Face TransformersやPyTorchを自分のコンピュータに導入する。次に、AIチャットボットの「脳」となるモデルを選ぶ。筆者は、OpenAIが開発したGPT-2という大規模言語モデルを選択した。これは、すでにインターネット上の大量のテキストデータで学習済みのモデルであり、一から学習させる手間を省き、すぐに高度なテキスト生成能力を利用できる点が大きなメリットだ。

モデルを利用するには、まず「トークナイザー」と「モデル」本体を読み込む必要がある。トークナイザーは、人間が入力したテキスト(例えば「こんにちは」)を、AIモデルが理解できる数値の並び(「トークン」と呼ばれる小さな単位)に変換する役割を担う。AIモデルはテキストを直接理解できないため、この数値変換が不可欠となる。そして、変換された数値をモデルに渡すことで、モデルは次のトークン、つまり次の単語や文を予測し、応答を生成する。

モデルが数値を生成した後、その数値を再び人間が読めるテキストに戻すプロセスが「デコード」だ。このように、入力されたテキストをトークン化し、モデルで処理し、出力をデコードするという一連の流れを通じて、AIは人間と会話ができるようになる。筆者はこれをコマンドラインインターフェース、つまりテキストベースの簡単な画面を通じて実現した。

チャットボットを構築する上で、会話の文脈を維持することは非常に重要だ。AIが前の会話を覚えていなければ、話が噛み合わなくなってしまうため、筆者はこれまでの会話履歴をモデルへの入力に含めることで、チャットボットがより自然で連続性のある対話を行えるように工夫した。具体的には、ユーザーの新しい入力と一緒に過去の対話内容もトークン化してモデルに渡し、AIが全体の文脈を理解して応答を生成するようにした。

しかし、開発は常にスムーズに進むわけではない。筆者もいくつかの課題に直面した。例えば、モデルが時々、無意味な言葉や繰り返しを生成したり、話題から逸れたりすることがあった。これを解決するために、筆者はモデルの生成パラメータを調整した。主要なパラメータには「温度(temperature)」、「top_k」、「top_p」などがある。温度は、モデルが生成する応答のランダム性、つまり多様性を調整するもので、値を高くするとより創造的な応答になり、低くするとより堅実な応答になる傾向がある。top_kとtop_pは、モデルが次の単語を選ぶ際の候補の範囲を制御するパラメータであり、これらを適切に設定することで、より自然で一貫性のある出力を得ることができた。

この週末のプロジェクトを通じて、筆者は現代のAI開発がどれほどアクセスしやすくなったかを実感したという。高性能なAIモデルがオープンソースとして公開され、それを手軽に利用できるライブラリが提供されているおかげで、専門家でなくても革新的なAIアプリケーションを構築できるようになったのだ。これは、システムエンジニアを目指す初心者にとっても非常に希望に満ちた状況だと言える。基礎的なプログラミングスキルとAIへの興味があれば、誰でも最先端の技術に触れ、実際に動くものを作り出すことが可能だ。

筆者の体験は、AI開発が特別な知識を持つ一部の専門家だけのものではなく、好奇心と実行力があれば誰でも一歩を踏み出せる分野であることを示している。これからもAI技術は進化を続けるだろうが、その基礎となる概念や利用方法は、今回筆者が経験した内容と大きく変わることはない。この知識は、今後のシステムエンジニアとしてのキャリアを築く上で、非常に価値あるものとなるだろう。