キャラクターコード (キャラクタコード) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

作成日: 更新日:

キャラクターコード (キャラクタコード) の読み方

日本語表記

キャラクタコード (キャラクターコード)

英語表記

character code (キャラクターコード)

キャラクターコード (キャラクタコード) の意味や用語解説

キャラクターコードとは、コンピュータ上で文字を扱うために、一つ一つの文字に割り当てられた固有の数字のことであり、その数字をコンピュータが処理できる形(バイト列)に変換するための規則(エンコーディング)を含めた総称である。コンピュータは本来、0と1の電気信号しか理解できないため、私たちが普段目にしている「A」や「あ」といった文字を直接認識したり、保存したりすることはできない。そこで、すべての文字に事前に決められた数字を割り当てることで、コンピュータが文字をデータとして扱えるようにする。 まず、コンピュータが文字を扱うためには、すべての文字を数字に変換する「文字集合(文字セット)」が必要となる。これは、各文字と対応する数字(コードポイントと呼ばれる)の対応表のようなものだと考えると良い。最も基本的な文字集合の一つにASCIIコードがある。これは主に英語圏で使われるもので、アルファベットの大文字・小文字、数字、記号など128種類の文字に0から127までの数字を割り当てている。ASCIIコードは1バイト(8ビット)で表現され、そのうち7ビットを使って文字を区別するため、表現できる文字種は限られている。このため、日本語のような多種多様な文字を持つ言語を扱うことはできない。 日本語を扱うためには、ASCIIコードの範囲を拡張したり、複数のバイトを使って文字を表現したりする文字集合が必要となった。日本独自の文字集合として、JIS X 0208などが策定され、これによって漢字、ひらがな、カタカナがコンピュータ上で扱えるようになった。しかし、世界中の言語をそれぞれの文字集合で管理すると、異なる言語が混在する文書やシステムでの互換性が問題となる。この問題を解決するために登場したのがUnicodeである。Unicodeは、世界中のあらゆる文字を一つの体系で管理しようとする試みであり、非常に多くの文字に固有のコードポイントを割り当てている。これにより、異なる言語の文字が混在しても、統一的な方法で文字を扱えるようになった。 文字集合によって文字に割り当てられたコードポイントは、そのままコンピュータのメモリやファイルに保存されるわけではない場合がある。コードポイントは単なる数字であり、それを実際にコンピュータのストレージやネットワークで送受信可能な「バイト列」に変換する規則が必要となる。この変換規則が「エンコーディング(符号化方式)」であり、キャラクターコードのもう一つの重要な側面である。エンコーディングは、コードポイントをどのようにバイト列として表現するかを定めるものであり、効率性や互換性、表現可能な文字の範囲が考慮される。 代表的なエンコーディングにはいくつかの種類がある。 ASCIIエンコーディングは、ASCII文字集合のコードポイントをそのまま1バイトのバイト列として表現する。これは最も単純なエンコーディング方式である。 日本語の代表的なエンコーディングとして、シフトJIS (Shift_JIS) やEUC-JPがある。これらは、JIS X 0208などの日本語文字集合のコードポイントをバイト列に変換する。シフトJISは、半角カナは1バイト、全角かなや漢字は2バイトで表現する「可変長」のエンコーディングである。先頭のバイトの値によって、そのバイトが文字そのものか、それとも次のバイトと組み合わせて一つの文字を表すのかを判断する仕組みを持つ。EUC-JPも可変長だが、シフトJISとはバイトの組み合わせ方が異なる。 現代において最も広く使われているエンコーディングはUTF-8である。これはUnicodeのコードポイントをバイト列に変換する方式の一つであり、可変長である。UTF-8は1バイトから4バイトを使って文字を表現し、特にASCII文字については1バイトで表現され、そのバイト列はASCIIエンコーディングと完全に一致する。このASCII互換性が、UTF-8が広く普及した大きな理由の一つである。これにより、既存のASCIIベースのシステムとの互換性を保ちつつ、世界中のあらゆる文字を扱えるようになった。Webページ、データベース、プログラミング言語など、多くの場面でUTF-8が事実上の標準となっている。他にUnicodeのエンコーディング方式としてUTF-16やUTF-32もあるが、UTF-8が最も広く使われている。 キャラクターコードの理解が重要になる場面の一つが「文字化け」である。文字化けは、あるエンコーディングで保存されたバイト列を、別のエンコーディングだと誤って解釈して文字に変換しようとしたときに発生する。たとえば、シフトJISで保存されたファイルをUTF-8だと誤認識して開くと、コンピュータはそのバイト列をUTF-8の規則に従って文字に変換しようとするが、元のシフトJISのバイト列とは規則が異なるため、意味不明な文字が表示される。これは、バイト列そのものが壊れたわけではなく、あくまで「解釈の仕方」が異なるために起こる現象である。 システムエンジニアを目指す上で、キャラクターコードの概念は避けて通れない。ファイル、データベース、ネットワーク通信、Webアプリケーション、プログラミングコードなど、コンピュータが文字を扱うあらゆる場面でキャラクターコードが関わってくる。特に、複数のシステムが連携する環境や、多言語を扱うシステムでは、キャラクターコードの選択と統一が非常に重要となる。適切なキャラクターコードの知識と、それをシステム全体で正しく管理する能力は、文字の正確な表示と処理、そしてシステムの安定稼働のために不可欠な基礎知識である。

キャラクターコード (キャラクタコード) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説