【ITニュース解説】ChatGPT でコードを作成する場合の「変な疲れ」を対策する
2025年09月15日に「Qiita」が公開したITニュース「ChatGPT でコードを作成する場合の「変な疲れ」を対策する」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
ChatGPTをプログラミング補助として使うと、独特の「変な疲れ」を感じることがある。この記事では、コード作成時に感じるその疲労を軽減し、効率的に作業を進めるための具体的な対策方法を紹介している。システムエンジニアを目指す初心者が、AI活用時の課題を理解し、より良い開発環境を築くためのヒントになるだろう。
ITニュース解説
プログラミング学習や開発作業において、ChatGPTのようなAIツールを活用する機会が増えている。しかし、この便利なツールを使うことで、これまでのプログラミングとは異なる独特の「変な疲れ」を感じることがある。この疲れの正体と、それを軽減するための具体的な方法について解説する。
この「変な疲れ」の主な原因は、ChatGPTが生成したコードの「不完全さ」や「不適切さ」を手作業で修正しなければならないことに加え、そのコードが本当に正しいのか、実用に耐えるのかという不安感からくる心理的負担にある。また、自分の頭でゼロからコードを考える「思考」のモードと、AIが作ったコードを評価し修正する「レビュー・修正」のモードを頻繁に切り替えることで、脳に大きな負荷がかかることも一因だ。私たちはChatGPTに完璧なコードを期待しがちだが、現実には多くの手直しが必要となるため、この期待と現実のギャップが疲労につながるのである。
具体的に、この疲れがどこから来るのかを深掘りすると、主に三つの原因が挙げられる。一つ目は、ChatGPTが持つ知識の偏りだ。ChatGPTは膨大なテキストデータからプログラミング言語の文法や一般的なコーディングパターンを学習しているため、文法的には正しいコードを生成することに優れている。しかし、実際の開発現場で求められる「常識」や「暗黙の了解」といった、より実践的な知識は不足していることが多い。例えば、エラーが発生した際の適切な処理(エラーハンドリング)や、システムの動作状況を記録するログ出力の仕組み、様々な環境でプログラムが動くように設定を外部ファイルから読み込む方法、データベースとの連携におけるセキュリティ考慮など、単にプログラムが動けば良いというだけではない、信頼性や保守性を高めるための考慮が欠けている場合が頻繁に見られる。また、チーム開発で重要な命名規則やコードの可読性についても、必ずしもベストプラクティスに従っているとは限らない。その結果、生成されたコードは単体では動作するものの、実際のシステムに組み込むには大幅な修正や追加実装が必要となり、この手作業が疲労の原因となるのだ。
二つ目の原因は、ChatGPTが「プロンプト(指示文)への追従」を最優先する設計になっていることだ。私たちはChatGPTに「〇〇な機能を持つプログラムを作成して」と指示を出すが、その指示の中に「セキュリティを考慮して」「パフォーマンスが良いように」「将来の変更に強く、保守しやすいように」といった品質に関する具体的な要求を含めない限り、ChatGPTはこれらの要素を積極的に考慮しない。つまり、プロンプトで明示的に指示されていない要素については、重要度が低いと判断される傾向がある。その結果、生成されるコードは、指示された機能は満たしていても、実際の運用で問題となりうるセキュリティの脆弱性を含んでいたり、処理速度が遅かったり、あるいは後から機能を追加しようとしたときに修正が困難な構造になっていたりすることがある。このような品質の低いコードを実用レベルに引き上げる作業は、非常に労力がかかり、精神的な負担も大きい。
三つ目の原因は、作業者の脳にかかる認知負荷だ。自分でゼロからコードを書く場合、私たちは「何を作るか」「どう作るか」という思考に集中できる。しかし、ChatGPTが生成したコードを扱う場合、それに加えて「このコードは正しいか」「もっと良い方法はないか」「なぜこう書かれているのか」というレビューや評価の思考が必要になる。具体的には、プロンプトを作成してAIに指示を出す「思考モード」から、AIが生成したコードを読み解き、欠陥を見つけ、修正する「修正モード」へと、脳の活動を頻繁に切り替えなければならない。このモードの切り替えは、脳にとって非常にエネルギーを消費する作業であり、集中力の低下や精神的な疲労を招く。まるで二つの異なるタスクを同時にこなそうとしているかのような負担が、独特の「変な疲れ」として感じられるのである。
これらの「変な疲れ」を軽減し、ChatGPTをより効果的に活用するためには、いくつかの対策がある。一つは、ChatGPTへの「プロンプトの出し方」を工夫し、AIの回答品質を向上させることだ。具体的には、プロンプトに「期待する品質」を明確に記述することが重要である。「信頼性、保守性、可読性を考慮してコードを作成してください」といった指示や、「セキュリティを考慮した設計にしてください」といった具体的な要求を含めることで、ChatGPTはこれらの品質要素を考慮したコードを生成しやすくなる。また、「具体的な指示」を細かく追加することも有効だ。「エラーハンドリングはtry-except文を使って丁寧に行ってください」とか、「ログ出力は標準ライブラリのloggingモジュールを使って実装してください」のように、技術的な詳細を具体的に指示することで、より実用的なコードが生成される。さらに、「出力形式」を指定するのも良い。例えば、「Markdownのコードブロック形式でお願いします」とか、「特定のライブラリ(例:requests)を使ってください」と指定することで、後から修正する手間を減らせる。ChatGPTに「役割」を与えることも効果的だ。「あなたは熟練のPythonエンジニアです」といった枕詞を付けることで、AIがその役割に沿った回答を生成するよう促せる。
もう一つの対策は、「作業の進め方」を工夫し、作業者の脳の負担を減らすことだ。まず、「小さく試す」という意識を持つことが重要である。一度に大量のコードを生成させようとせず、機能単位や部分ごとにChatGPTにコードを生成させ、それを少しずつ確認・修正していくことで、問題を発見しやすくなり、手戻りのコストも小さくなる。次に、「レビューに専念する時間を作る」ことだ。自分でコードを書く作業と、ChatGPTが生成したコードをレビューし、修正する作業を意識的に分けることで、脳のモード切り替えによる負担を軽減できる。例えば、午前中は自分で設計や思考を行い、午後はChatGPTに指示を出して生成されたコードをレビューするといった時間の使い方を試すのも良いだろう。また、「完成度を求めすぎない」という割り切りも大切だ。ChatGPTはあくまで補助ツールであり、完璧なコードを生成する魔法の杖ではないと理解することで、手直しが当然であるという心構えを持つことができる。ChatGPTが生成したコードは「叩き台」として活用し、残りの足りない部分や改善点は自分で補完していく、という姿勢が重要だ。最後に、「学習の機会と捉える」という前向きな姿勢も有効だ。ChatGPTが生成したコードをレビューする過程で、「なぜこの部分が良くないのか」「どうすればもっと良くなるのか」と考えることは、自分自身のプログラミングスキルや知識を深める絶好の機会となる。AIとの共同作業を通して、自身の技術力を向上させるきっかけとして捉えることで、ネガティブな疲労感を軽減できるだろう。
これらの対策を実践することで、システムエンジニアを目指す初心者は、ChatGPTを活用する際の「変な疲れ」を軽減し、より効率的かつ建設的にAIツールをプログラミング学習や開発作業に役立てることができるだろう。AIは強力な補助ツールではあるが、最終的な品質保証と責任は人間に帰属するという意識を持って、賢く付き合っていくことが求められる。