【ITニュース解説】コンポーネント指向と「ロジック」「描画」の適切な分離 #ヌーラボブログリレー2025夏
2025年09月03日に「Zenn」が公開したITニュース「コンポーネント指向と「ロジック」「描画」の適切な分離 #ヌーラボブログリレー2025夏」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
フロントエンド開発におけるコンポーネント指向について解説。React用語を使いつつ、React、Vue、Angularなど様々なフレームワークに共通する概念を説明。特に、ロジックと描画の分離に焦点を当て、保守性や再利用性を高めるための設計原則を提示する。初心者にも理解しやすいように、具体的な例を交えて解説する。
ITニュース解説
この記事では、フロントエンド開発におけるコンポーネント指向の重要性と、「ロジック」と「描画」の分離という考え方について解説する。特にReactなどのJavaScriptフレームワークを念頭に置きながら、その概念が他のフレームワークにも応用可能であることを示している。
コンポーネント指向とは、UI(ユーザーインターフェース)を独立した部品(コンポーネント)に分割し、それらを組み合わせてアプリケーション全体を構築する手法のことだ。この手法のメリットは、再利用性、保守性、テスト容易性の向上にある。
再利用性とは、一度作成したコンポーネントを別の場所や別のアプリケーションでも使えるようにすることだ。例えば、ボタンや入力フォームといった汎用的なUI要素は、一度コンポーネントとして作成すれば、様々な場所で使い回せる。これにより、開発効率が向上する。
保守性とは、アプリケーションの修正や機能追加が容易になることだ。コンポーネントが独立しているため、特定のコンポーネントの変更が他のコンポーネントに影響を与えにくい。これにより、変更による予期せぬバグの発生を抑制できる。
テスト容易性とは、コンポーネントごとに独立してテストできることだ。コンポーネントの入力と出力を明確に定義することで、ユニットテストと呼ばれる、小さな単位でのテストが容易になる。これにより、品質の高いアプリケーションを開発できる。
記事では、コンポーネントを「ロジック」と「描画」に分離することの重要性を強調している。「ロジック」とは、コンポーネントの動作を制御する部分であり、データの取得、加工、状態の管理などを行う。一方、「描画」とは、UIをどのように表示するかを定義する部分であり、HTMLやCSSなどを用いて記述する。
ロジックと描画を分離することで、さらにコンポーネントの再利用性、保守性、テスト容易性が向上する。ロジックと描画が混在していると、UIのデザインを変更する際にロジックも変更する必要が生じたり、ロジックのテストがUIに依存してしまったりする。
ロジックと描画を分離する具体的な方法としては、Reactにおけるカスタムフックの利用が挙げられる。カスタムフックとは、コンポーネント内で使用するロジックを再利用可能な関数として抽出したものだ。例えば、あるAPIからデータを取得するロジックをカスタムフックとして作成すれば、複数のコンポーネントで同じロジックを共有できる。
また、描画を担当するコンポーネントは、ロジックを直接記述せず、props(プロパティ)を通じてデータやコールバック関数を受け取るようにする。propsとは、親コンポーネントから子コンポーネントにデータを渡すための仕組みのことだ。描画コンポーネントは、受け取ったデータに基づいてUIを表示し、必要に応じてコールバック関数を呼び出すことで、ロジックコンポーネントに処理を依頼する。
このように、ロジックと描画を分離することで、コンポーネントの役割が明確になり、コードの見通しが良くなる。また、コンポーネント間の依存関係が弱まるため、変更による影響範囲を局所化できる。
記事では、この考え方がReactだけでなく、Vue、Angular、Svelte、SolidJSといった他のJavaScriptフレームワークにも適用可能であると述べている。これらのフレームワークも、コンポーネント指向のアーキテクチャを採用しており、ロジックと描画の分離は、これらのフレームワークにおいても有効な手法となる。
例えば、VueではComposition APIを用いることで、Reactのカスタムフックと同様に、ロジックを再利用可能な関数として抽出できる。Angularでは、サービスと呼ばれる機能を利用することで、コンポーネントからロジックを分離できる。
コンポーネント指向とロジックと描画の分離は、現代のフロントエンド開発において不可欠な概念だ。これらの概念を理解し、実践することで、より効率的で保守性の高いアプリケーションを開発できるようになるだろう。システムエンジニアを目指す初心者は、これらの概念をしっかりと理解し、日々の開発に活かしていくことが重要だ。