【ITニュース解説】Create React App is Dead. What’s Next? (Vite vs. Next.js)
2026年08月22日に「Dev.to」が公開したITニュース「Create React App is Dead. What’s Next? (Vite vs. Next.js)」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
React開発の主流だったCreate React Appは、遅く古いため推奨が終了した。替わってViteとNext.jsが新たな選択肢として注目されている。Viteは高速なSPA開発向け。Next.jsはSSR/SSG対応でSEOに強く、大規模アプリ開発に適する。プロジェクト要件に応じ使い分けよう。
ITニュース解説
長年にわたり、Reactのプロジェクトを始める際の標準的な方法として「Create React App」(CRA)が広く利用されてきた。これは、Web開発における複雑な設定作業、特に複数のJavaScriptファイルをまとめたり(バンドル)、新しいJavaScriptの書き方を古いブラウザでも動くように変換したり(トランスパイル)する「Webpack」や「Babel」といったツールの知識がなくても、コマンド一つで開発環境を整えられる画期的なツールであった。CRAは、開発者が設定に頭を悩ませることなく、すぐにアプリケーションのコードを書き始めることを可能にする「設定不要の奇跡」とも言える存在だった。
しかし、ウェブ技術の進化とともに、CRAはその役目を終えつつある。React開発チームは公式にCRAを推奨する開始ガイドから外し、一つの時代の終わりを告げた。その主な理由は、CRAが肥大化し、動作が遅く、そして時代遅れのバンドル技術に依存していた点にある。
CRAが推奨されなくなった背景にはいくつかの具体的な理由がある。まず、動作の鈍さである。CRAは「Webpack」というバンドラーを利用していたが、プロジェクトが大規模になるにつれて、開発サーバーを起動するのに数秒、時には数分かかることもあった。これは開発効率を著しく低下させる要因となっていた。次に、柔軟性の欠如が挙げられる。CRAは「ブラックボックス」のように機能し、内部の設定を簡単に変更できなかった。もしWebpackの設定をカスタマイズする必要が生じた場合、「eject」という操作を行う必要があったが、これは大量の設定ファイルが露出し、CRAの約束するシンプルさを完全に破壊する、元に戻せない一方通行の操作であった。さらに、CRAは基本的に「シングルページアプリケーション」(SPA)という、ブラウザ側で全てのコンテンツを動的に生成する形式のウェブサイトしか構築できなかった。現代のウェブ開発では、検索エンジン最適化(SEO)や初期表示速度の重要性が増しており、サーバー側でページを生成する「サーバーサイドレンダリング」(SSR)や、ビルド時に静的なページを生成する「静的サイト生成」(SSG)といった技術が求められるようになったが、CRAはこれらを標準ではサポートしていなかったのである。
CRAの終焉に代わり、現在、Reactコミュニティで注目されているのは「Vite」と「Next.js」の二つのツールである。これらはそれぞれ異なる特徴を持ち、新しいReactプロジェクトの新たな標準として位置づけられつつある。
まず、「Vite」について説明する。Viteは、人気のあるJavaScriptフレームワークVue.jsの作者であるEvan You氏によって開発されたビルドツールで、その名前はフランス語で「速い」を意味する。その名の通り、現代のウェブプロジェクトに対して、より高速で軽量な開発体験を提供することを目的としている。Viteは、Webpackのようにアプリケーション全体のコードを事前に全てバンドルしてからブラウザに提供するのではなく、ブラウザが直接理解できる「ネイティブESモジュール」という仕組みを利用する。これにより、Viteは開発者が現在見ているコードの部分だけを必要な時にコンパイルしてブラウザに送る。このため、プロジェクトの規模に関わらず、開発サーバーはほぼ瞬時に起動し、コードを修正した際にブラウザの表示が素早く更新される「ホットモジュールリプレイスメント」(HMR)も非常に高速に動作する。
Viteは、CRAの精神的な後継者と位置づけられるツールである。もし従来のCRAのように、クライアントサイドレンダリング(CSR)を用いたシンプルなシングルページアプリケーションを構築したい場合、Viteが最適な選択肢となるだろう。その利点は、開発サーバーの起動とHMRが非常に高速である点、そしてReactだけでなくVue、Svelte、あるいは素のJavaScriptといった複数のフレームワークに対応する汎用性がある点、さらに「vite.config.js」という設定ファイルがWebpackの設定に比べてはるかに簡潔でカスタマイズしやすい点が挙げられる。一方で欠点としては、CRAと同様にSPAを構築するため、検索エンジンがコンテンツを効果的にインデックスしにくいというSEO上の課題がある。また、Viteはあくまでフロントエンドのビルドツールであり、バックエンドの機能やルーティング(例: React Router)は別途用意する必要がある。Viteで新しいプロジェクトを始めるには、「npm create vite@latest my-app -- --template react」というコマンドを実行する。
次に、「Next.js」について説明する。Next.jsはVercel社によって開発・メンテナンスされている、包括的なReactフレームワークである。これは単にコードをバンドルするだけでなく、堅牢で実用的なアプリケーションを構築するための全体的なアーキテクチャを提供する。Next.jsは、ルーティング、データの取得、そしてレンダリングの方法に関して組み込みのソリューションを提供することが大きな特徴である。その最大の売りはレンダリングの柔軟性にある。開発者は、ページをサーバー側で生成するSSR、ビルド時に静的に生成するSSG、あるいは従来のCSRという、複数のレンダリング戦略を同じアプリケーション内で自由に組み合わせることができる。
Next.jsは、より大規模で機能豊富なウェブアプリケーションに適した、いわば「フルスタックの優等生」である。Eコマースサイト、ブログ、SaaS製品、またはSEOや初期表示パフォーマンス、そして堅牢なルーティングが非常に重要な公開向けサイトを構築する場合、Next.jsが最適な選択となる。その利点としては、サーバーサイドレンダリングによって検索エンジンがコンテンツをすぐに読み取れるため、SEO対策が容易である点が挙げられる。また、「App Router」や「Pages Router」といったファイルベースのルーティング機能により、ディレクトリにファイルを追加するだけで新しいルートを簡単に作成できる。さらに、Next.jsプロジェクト内でサーバーレス関数やAPIルートを直接記述できる「フルスタック」な開発体験も提供する。しかし、Next.jsにはデメリットもある。Next.js特有のキャッシュ、データ取得、ルーティングといった「Next.js流」のやり方を学ぶ必要があるため、標準のReactに比べて学習曲線がやや急である。また、シンプルなダッシュボードや社内ツールといった用途の場合、Next.jsが提供する豊富なアーキテクチャが過剰となり、オーバースペックになる可能性もある。Next.jsでプロジェクトを始めるには、「npx create-next-app@latest」というコマンドを実行する。
最終的に、ViteとNext.jsのどちらを選択するかは、プロジェクトの規模や要件によって決まる。シンプルなダッシュボード、社内ツール、または単一のクライアントサイドレンダリングのSPAを構築したいのであれば、Viteはその高速な開発体験と低い学習コストで優れた選択肢となる。Viteは標準的なReact開発の延長線上にあるため、既存のReactの知識をそのまま活かしやすい。一方、Eコマースサイト、ブログ、SaaS製品、あるいはSEOや初期表示速度、堅牢なルーティングが不可欠な公開向けのウェブサイトを構築したいのであれば、Next.jsが強力な味方となる。Next.jsはサーバーサイドレンダリングや静的サイト生成によって高いSEO効果と高速な初期表示を実現し、ファイルベースルーティングやフルスタック機能によって大規模なアプリケーション開発を効率的に進めることができる。ただし、その豊富な機能ゆえに学習コストはViteよりも高くなる傾向がある。どちらのツールも現代のウェブ開発において強力な選択肢であり、プロジェクトのニーズを明確にすることで最適なツールを選ぶことができるだろう。