【ITニュース解説】Created my first bot today
2025年09月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「Created my first bot today」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
ある開発者がMastodon APIでボットを開発。その過程で、初心者が混同しやすいデータの基本単位「バイト」と「ビット」の違いを解説した。1バイトは8ビットであり、両者を相互変換するPythonコードを紹介。ネットワーク通信でのデータ表現の理解に役立つ。
ITニュース解説
コンピュータが情報を扱う上で最も基本的な単位に「ビット」と「バイト」がある。これらはシステム開発のあらゆる場面で登場する重要な概念だが、特に学習を始めたばかりの初心者にとっては混同しやすいものでもある。今回は、ある開発者がMastodonのAPIを利用したボットを作成する過程で、このビットとバイトの違いを明確にするために作成したプログラムコードを元に、その関係性とコンピュータ内部でのデータの表現方法について詳しく解説する。
まず、ビットとは情報の最小単位であり、「0」か「1」のどちらか一つの状態しか取ることができない。コンピュータ内部の全てのデータは、このビットの膨大な集まりで表現されている。一方、バイトは8つのビットを一つのグループとしてまとめた単位である。1ビットでは2通りの状態しか表現できないが、8ビットが集まった1バイトでは、2の8乗、つまり256通りの異なる状態を表現できる。この「バイト」という単位は、コンピュータがデータを処理したり、記憶装置に保存したりする際の基本的な塊として広く用いられている。例えば、英数字一文字を表現するのに1バイトが使われることが多い。
記事で紹介されている最初のコードは、この二つの単位の数量的な関係を示している。1バイトは8ビットであるため、バイト数をビット数に変換するには単純に8を掛ければよい。例えば、512バイトのデータ容量は、512に8を掛けて4096ビットとなる。逆に、ビット数をバイト数に変換するには8で割る。ここで注意が必要なのは、コンピュータのデータ単位として「0.5バイト」のような半端な値は存在しないという点だ。そのため、プログラムでは小数点以下を切り捨てる「床除算」という計算方法が用いられる。これにより、4096ビットは正確に512バイトに換算される。この計算は、ストレージの容量やネットワークの通信速度を考える際の基礎となる。
しかし、ビットとバイトの関係は単なる数量の換算だけにとどまらない。より重要なのは、具体的なデータがどのようにビットの並びとして表現され、バイトという単位で格納されているかを理解することだ。記事の後半で示されているコードは、このデータ表現の変換を実践している。例として、文字「A」を考えてみる。プログラム上で b"A" と記述されるものは「バイト列」と呼ばれ、文字「A」をコンピュータが内部で扱う数値(この場合はASCIIコードという規格における10進数の65)に対応させた1バイトのデータであることを意味する。
この1バイトのデータ、つまり10進数の65を、コンピュータが実際に扱う2進数のビット列に変換するとどうなるか。65を2進数に変換すると「1000001」となる。しかし、1バイトは8ビットで構成されるため、桁数を8桁に揃える必要がある。このため、左側に「0」を一つ加えて「01000001」という8桁のビット列表現が完成する。これが、コンピュータ内部における文字「A」の正体である。もし「Hi」という2文字のデータを扱う場合、まず「H」がビット列「01001000」に、「i」がビット列「01101001」にそれぞれ変換され、これらが連続したデータとして扱われる。逆に、この「01000001」というビット列を見れば、それを10進数の65に変換し、さらにASCIIコードに基づいて文字「A」に復元することができる。紹介されているプログラムは、このようなバイトデータと、人間が視認できる2進数文字列との間の相互変換を可能にするものだ。
この知識は、システムエンジニアにとって極めて重要である。特に、APIを利用したボット作成のように、ネットワークを介して他のシステムとデータをやり取りする場合、送受信されるデータは基本的にバイトの連続、すなわちバイトストリームとして扱われる。APIから受け取ったデータがどのような文字コードでエンコードされているのか、あるいは画像や音声のようなバイナリデータなのかを正しく解釈するためには、データがビットやバイトのレベルでどのように構成されているかを理解していなければならない。もしデータの構造を誤って解釈すれば、文字化けやプログラムのエラーを引き起こす原因となる。
このように、ビットとバイトは単なるデータ量の単位ではなく、コンピュータが情報をどのように認識し、処理しているかを理解するための根源的な概念である。今回紹介されたコードは、その抽象的な概念を具体的なプログラムとして視覚化し、実際に手を動かして試すことができる優れた教材と言える。システムエンジニアを目指す上で、このような基礎的な知識をしっかりと身につけることは、ファイル操作、ネットワーク通信、データベース処理など、より高度で複雑な技術を学ぶための強固な土台となるだろう。