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【ITニュース解説】Flutterで大量の画像付きリストを快適にスクロールできるようにする

2025年09月08日に「Qiita」が公開したITニュース「Flutterで大量の画像付きリストを快適にスクロールできるようにする」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Flutterで大量の画像付きリストを表示するとスクロールが遅くなることがある。この記事では、画面に見える要素だけを描画したり、画像の読み込み方を工夫したりすることで、スムーズな操作感を実現するための具体的な手法を解説する。

ITニュース解説

スマートフォンアプリ開発において、ユーザーに快適な操作性を提供することは極めて重要である。特に、画像を含む大量の項目をリスト形式で表示する機能では、スムーズなスクロール性能が求められる。しかし、実装方法によっては、スクロールがカクカクする「ジャンク」と呼ばれる現象が発生し、ユーザー体験を著しく損なうことがある。ここでは、クロスプラットフォーム開発フレームワークであるFlutterを用いて、数千件規模の画像付きリストを快適にスクロールさせるための技術的な課題と、その解決策について解説する。

まず、問題の根本的な原因を理解する必要がある。Flutterには、画面に表示されている範囲の項目だけを効率的に描画するListView.builderという仕組みがある。これにより、リスト全体の項目を一度にメモリに読み込む必要がなく、パフォーマンスが最適化されている。しかし、リストの各項目に画像が含まれる場合、話は複雑になる。標準的な画像表示ウィジェットであるImage.networkは、指定されたURLから画像をダウンロードし、それを画面に表示できる形式に変換する「デコード」という処理を行う。この一連の処理が、アプリケーションの応答性を管理する「UIスread」というメインの処理系統で実行されることが問題の核心である。UIスレッドは、画面の描画やユーザーのタッチ操作への反応など、すべての対話的な処理を一手に担っている。そのため、画像のダウンロードやデコードのような時間のかかる重い処理がUIスreadで実行されると、その間、他のすべての処理が停止してしまう。これが、スクロール操作が一時的に固まり、カクつきとして現れる原因となる。

この問題に対する初期的なアプローチとして、precacheImageという関数を使用する方法が考えられる。これは、リストが表示される前に画像を先読みしてキャッシュに保存しておく手法である。一見すると、表示速度の向上に繋がりそうだが、根本的な解決には至らない。なぜなら、precacheImageもまた画像のデコード処理をUIスreadで行うため、リスト表示前のローディング時間が長くなるだけで、スクロール中のUIスreadの負荷を軽減することはできないからである。

そこで、より本質的な解決策として、重い処理をUIスレッドから分離するアプローチが求められる。Flutterでは、computeという関数を用いて、重い処理をUIスレッドとは別のバックグラウンドスレッドで実行させることが可能である。この仕組みを利用し、画像のダウンロードとデコード処理をバックグラウンドに任せることで、UIスレッドは画面描画やユーザー操作への応答に専念できるようになる。結果として、UIスレッドがブロックされることがなくなり、スクロールは滑らかになる。この方法は有効だが、開発者が自身でバックグラウンド処理を実装する必要があり、やや手間がかかる。

現在、最も推奨される方法は、cached_network_imageという外部パッケージを利用することである。このパッケージは、これまで述べてきた課題を解決するために必要な機能を網羅している。画像のダウンロード、バックグラウンドでのデコード、そして一度読み込んだ画像を再利用するためのキャッシュ管理までを、非常に簡単な記述で実現できる。開発者は、Image.networkの代わりにCachedNetworkImageウィジェットを使用するだけで、パフォーマンスの高い画像リストを実装できる。

ただし、このパッケージを使用する上で一つ、極めて重要な注意点がある。それは、メモリ使用量の最適化である。CachedNetworkImageウィジェットには、memCacheWidthmemCacheHeightというプロパティがある。これは、画像をメモリにキャッシュする際の解像度を指定するためのものである。例えば、元画像のサイズが4000x3000ピクセルと非常に高解像度であっても、アプリの画面上では100x100ピクセルの小さなサムネイルとして表示される場合、元画像のままデコードしてメモリに保持するのは非効率的である。デコード後の画像データは非常に大きくなるため、メモリを過剰に消費し、最悪の場合、アプリケーションのクラッシュを引き起こす。memCacheWidthmemCacheHeightを実際に表示するサイズに合わせて設定することで、キャッシュされる画像は適切にリサイズされ、メモリ使用量を大幅に削減できる。この設定は、大量の画像を扱うアプリケーションの安定性とパフォーマンスを維持するために不可欠である。

結論として、Flutterで大量の画像付きリストを快適に動作させるためには、UIスレッドでの画像処理を避け、バックグラウンドで処理を行うことが鍵となる。その最も効果的かつ簡単な実装方法は、cached_network_imageパッケージを活用し、さらにmemCacheWidthmemCacheHeightを適切に設定してメモリ消費を最適化することである。これにより、ユーザーは数千件の商品リストであっても、ストレスのない滑らかなスクロール体験を享受できるようになる。

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