【ITニュース解説】iPhone 17では「無印も120Hz化するか」が大注目という話--Android機に劣る部分を挽回
2025年09月09日に「CNET Japan」が公開したITニュース「iPhone 17では「無印も120Hz化するか」が大注目という話--Android機に劣る部分を挽回」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
現行iPhoneの標準モデルは、画面表示の滑らかさ(リフレッシュレート)で多くのAndroid機に劣る。2025年発売と噂のiPhone 17では、全モデルが1秒間に120回画面を更新する120Hz表示に対応するとの予測が強まっている。これにより、スクロールなどの操作がより滑らかになる見込みだ。
ITニュース解説
スマートフォンの性能を語る上で、プロセッサの処理速度やカメラの画素数と並んで重要視される指標に「リフレッシュレート」がある。これは画面表示の滑らかさを左右する要素であり、特にウェブサイトの閲覧やSNSのタイムラインをスクロールする際など、日常的な操作感に大きく影響する。現在、このリフレッシュレートにおいて、iPhoneの標準モデルがAndroidスマートフォンに対して見劣りしているという指摘があり、次世代モデルでの改善が期待されている。
リフレッシュレートとは、ディスプレイが1秒間に何回画面を更新するかを示す数値で、単位はHz(ヘルツ)で表される。例えば、60Hzのディスプレイは1秒間に60回、120Hzのディスプレイは1秒間に120回、画面の表示を書き換えている。この数値が高ければ高いほど、画面上の動きがより細かく、滑らかに表示される。パラパラ漫画を思い浮かべると分かりやすい。枚数が少ないパラパラ漫画は動きがカクカクして見えるが、枚数が多ければ多いほど、動きはスムーズになる。これと同じ原理で、リフレッシュレートが高いスマートフォンは、画面を指でなぞってスクロールする際の追従性が良く、アニメーションも残像感が少なくクッキリと表示されるため、全体的に操作が快適に感じられる。
現在のiPhoneのラインナップでは、このリフレッシュレートにモデル間で差が設けられている。iPhone 15やiPhone 15 Plusといった標準モデルのディスプレイは60Hzであるのに対し、iPhone 15 ProやiPhone 15 Pro Maxなどの上位モデルには「ProMotionテクノロジー」が搭載されている。これは最大120Hzの可変リフレッシュレート技術であり、画面に表示されているコンテンツに応じてリフレッシュレートを自動的に調整する。例えば、激しい動きのあるゲームをプレイしているときは120Hzで滑らかな映像を提供し、静止画を表示しているときや電子書籍を読んでいるときにはリフレッシュレートを低く抑えることで、バッテリー消費を節約する。このProMotionは、Proモデルの大きな付加価値の一つとなっている。
一方で、Androidスマートフォンの市場では、高リフレッシュレートはもはや特別な機能ではなくなりつつある。高価格帯のハイエンドモデルはもちろんのこと、数万円で購入できる中価格帯のミドルレンジモデルにおいても、90Hzや120Hzのリフレッシュレートを備えた製品が数多く存在する。この状況と比較すると、十数万円するiPhoneの標準モデルが未だに60Hzに留まっていることは、スペック上の明確な弱点として指摘されることが多い。実際に両者を使い比べてみると、特に画面のスクロール操作において、その滑らかさの違いを体感できる。
Appleがこれまで標準モデルのリフレッシュレートを60Hzに据え置いてきた背景には、いくつかの戦略的な理由が考えられる。一つは、製品ラインナップにおける差別化である。滑らかな120Hz表示という体験をProモデル限定の機能とすることで、より高価なProモデルを選ぶ動機付けとし、製品全体の収益性を高める狙いがある。もう一つは、コストとバッテリー消費の問題だ。高リフレッシュレートに対応したディスプレイパネルは、60Hzのものより製造コストが高い。また、単にリフレッシュレートを上げるだけではバッテリー消費が増大してしまうため、Proモデルのように高度な可変制御技術を導入する必要があり、それがさらなるコスト増につながる。標準モデルの価格を一定の範囲に抑えつつ、十分なバッテリー持続時間を確保するために、60Hzという仕様が維持されてきたと推測される。
しかし、2025年に登場すると噂されるiPhone 17シリーズでは、ついに標準モデルも120Hzのリフレッシュレートに対応するのではないかという予測が大きな注目を集めている。Androidスマートフォン市場で高リフレッシュレートが標準化した今、iPhoneの標準モデルが60Hzのままであり続けることは、競争上の不利になりかねない。また、技術の成熟に伴い、高リフレッシュレート対応ディスプレイのコストも徐々に低下してきていると考えられる。もしiPhone 17の標準モデルがProモデルと同様のProMotionテクノロジー、あるいはそれに準ずる高リフレッシュレート技術を搭載することになれば、iPhone全体のユーザー体験が大きく底上げされることになる。それは、これまでProモデルのユーザーしか享受できなかった、圧倒的に滑らかな操作感を、より多くの人々が手に入れられるようになることを意味する。この変更が実現すれば、iPhoneを選ぶ際の新たな魅力となり、Androidからの乗り換えを検討するユーザーにとっても大きな後押しとなるだろう。今後の動向が非常に注目されるポイントである。