【ITニュース解説】12 Python Patterns That Separate Juniors from Seniors

2025年09月04日に「Medium」が公開したITニュース「12 Python Patterns That Separate Juniors from Seniors」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Python開発で、初心者と経験豊富なエンジニアを分ける12のコーディングパターンを解説。クリーンでスマート、自動化されたPythonコードを書く手法を学び、上級者レベルのスキル習得を目指せる。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、プログラミング言語の文法を覚えることは第一歩だが、それだけではプロとして通用するコードを書くことはできない。Pythonを使った開発においても、単にプログラムが動くというだけでなく、そのコードが「どのように書かれているか」が非常に重要になる。これは、いわゆるジュニアレベルのエンジニアとシニアレベルのエンジニアを分ける大きな要素だ。シニアエンジニアは、よりクリーンで、スマートで、自動化されたPythonコードを書く術を知っている。

プロフェッショナルな現場では、コードは一度書いて終わりではない。開発されたシステムは長期間にわたって利用され、機能の追加や修正、不具合の改修が繰り返し行われる。このプロセスにおいて、コードが読みにくかったり、変更しにくかったりすると、開発効率は著しく低下し、新たなバグを生む原因にもなりかねない。シニアエンジニアは、このような未来を見越してコードを書く。

まず、シニアエンジニアが重視するのは「可読性」だ。他人が読んでも理解しやすいコードは、開発チーム全体の生産性を高める。具体的には、変数名や関数名に意味のある名前をつけ、コードの意図が明確に伝わるようにする。例えば、xyのような汎用的な名前ではなく、user_idcalculate_total_priceのように、その役割を示す名前を選ぶ。また、複雑なロジックには適切なコメントを付与し、なぜそのように書かれているのか、どんな目的があるのかを説明する。ただし、単にコードを日本語で書き写すようなコメントは避け、コードだけでは分かりにくい「意図」や「背景」を伝えることが肝要だ。

次に、「Pythonic(パイソニック)」な書き方を心がけることが挙げられる。Pythonには、言語の設計思想に基づいた、より簡潔で効率的な記述方法が数多く存在する。例えば、ループ処理をシンプルに記述できるリスト内包表記や、大量のデータを効率的に処理するジェネレーター、リソースの管理を自動化するコンテキストマネージャーなどがその代表例だ。これらのPythonらしい書き方を活用することで、コードはより読みやすく、実行効率も向上する。ジュニアエンジニアが一般的なループで処理するような場面でも、シニアエンジニアはPythonicな表現を適切に用いてスマートに解決する。

また、「DRY(Don't Repeat Yourself)原則」の遵守も非常に重要だ。同じような処理が複数の箇所で繰り返されている場合、それは将来の変更や保守の際に手間を増やす原因となる。シニアエンジニアは、このような重複するコードを見つけ出し、関数やクラスとして抽出し、再利用可能な形に整理する。これにより、コードの全体量を減らし、一箇所を修正すれば全ての関連箇所に反映されるようにすることで、保守性を高め、バグの発生リスクを低減する。

「エラーハンドリング」もシニアエンジニアの腕の見せ所だ。プログラムは常に期待通りの入力や状況で動作するとは限らない。ファイルが見つからなかったり、ネットワーク接続が切れたり、ユーザーが不正な値を入力したりすることも日常茶飯事だ。シニアエンジニアは、try-exceptブロックなどを適切に利用し、予期せぬエラーが発生した場合でもプログラムがクラッシュせず、適切に回復したり、ユーザーに分かりやすいメッセージを提示したりするような堅牢なコードを書く。単にエラーを無視するのではなく、エラーの原因を特定し、適切に対処する仕組みを組み込むことで、システムの信頼性を高める。

さらに、コードの「テスト容易性」も重要な視点だ。書かれたコードが正しく動作するかどうかを確認するためには、テストコードを書くことが不可欠だ。シニアエンジニアは、テストが書きやすいように、各機能が独立しており、外部への依存が少ないモジュール構成を心がける。これにより、特定の機能だけを切り出してテストすることが容易になり、開発プロセスの初期段階でバグを発見しやすくなる。

「効率的なデータ構造の選択」もパフォーマンスに大きく影響する。Pythonにはリスト、タプル、セット、辞書など多様なデータ構造があるが、それぞれの特性を理解し、解決したい問題に最適なものを選ぶことが重要だ。例えば、要素の検索速度を重視するならセットや辞書が適している場合があるし、順序が重要ならリストが適している。シニアエンジニアは、このような知識を背景に、単に動くコードではなく、より効率的に動作するコードを記述する。

そして、「モジュール化とパッケージ化」によって、大規模なプロジェクトでもコードを整理しやすくする。単一の大きなファイルに全てのコードを詰め込むのではなく、機能ごとにファイルを分割し(モジュール化)、関連するモジュールをまとめて(パッケージ化)、構造的なプロジェクトを作成する。これにより、コードの見通しが良くなり、チームでの開発がしやすくなるだけでなく、他のプロジェクトでの再利用も容易になる。

また、開発プロセス全体を効率化する「自動化」の視点も持つ。例えば、flake8のようなリンターを使ってコードの品質を自動的にチェックしたり、blackのようなフォーマッターを使ってコードの整形を自動化したりする。これらは、開発者が手動で行う手間を省き、コードの品質を一貫して保つ上で非常に有効だ。バージョン管理システムであるGitの適切な活用も、共同開発においては不可欠であり、シニアエンジニアはこれらのツールを使いこなして開発効率を高める。

これらの「シニアな」コーディングパターンや考え方は、一朝一夕に身につくものではない。日々のコーディング練習の中で、常に「どうすればもっと良いコードが書けるか」「このコードは他の人が読んだらどう感じるだろうか」「将来このコードを変更するときに困らないだろうか」といった問いを自分自身に投げかけ、意識的に改善を重ねていくことが重要だ。システムエンジニアを目指す初心者の皆さんがこれらの視点を取り入れることで、単に動くプログラムを書く段階から、プロフェッショナルとして信頼される、高品質なシステムを構築するエンジニアへと着実に成長していけるだろう。

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