【ITニュース解説】React における children は非推奨ではない(非推奨なのは Children)

2025年09月05日に「Qiita」が公開したITニュース「React における children は非推奨ではない(非推奨なのは Children)」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Reactの`children`と`Children`は別物。よく「`children`は非推奨」という情報があるが、それは誤解。非推奨なのは`React.Children`の方。`props.children`自体はコンポーネントの子要素を参照する一般的な方法で、問題なく利用できる。混同しないように注意が必要。

ITニュース解説

ReactにおけるchildrenChildrenの違いについて解説する。しばしば、Reactでコンポーネントのpropsとして利用されるchildrenが非推奨であるという誤解が見られる。しかし、実際にはchildrenそのものではなく、React.Childrenというユーティリティオブジェクト(またはそのメソッド)の一部が非推奨とされているか、または特定の状況下での使用を避けるべきという文脈が存在する。

Reactにおいて、childrenは特別なpropsの一種であり、コンポーネントタグの内側に記述された子要素(他のコンポーネントやテキストノードなど)を指す。例えば、次のようなコードがあったとする。

1<MyComponent>
2  <ChildComponent />
3  テキスト
4</MyComponent>

この場合、MyComponentコンポーネント内部では、props.childrenを通じて<ChildComponent />と"テキスト"という2つの要素にアクセスできる。childrenは、コンポーネントが他のコンポーネントをラップし、それらの子要素を操作またはレンダリングする際に非常に役立つ。例えば、レイアウトコンポーネントを作成し、その中に配置されたコンテンツを適切に配置したり、スタイルを適用したりする場合にchildrenは不可欠な役割を果たす。

一方、React.Childrenは、Reactが提供するユーティリティオブジェクトであり、props.childrenに含まれる子要素を操作するための便利なメソッドを提供する。これらのメソッドを使用すると、子要素の列挙、フィルタリング、変換などが容易になる。代表的なメソッドとしては、React.Children.map(), React.Children.forEach(), React.Children.toArray(), React.Children.count()などがある。

React.Children.map()は、props.childrenの各子要素に対して指定された関数を実行し、その結果を新しい配列として返す。これは、JavaScriptのArray.map()メソッドと似ているが、React.Childrenオブジェクトに対して動作するように設計されている。React.Children.forEach()も同様に、各子要素に対して関数を実行するが、新しい配列を返さない点が異なる。React.Children.toArray()は、props.childrenを配列に変換する。これは、子要素をJavaScriptの配列メソッドで操作したい場合に便利である。React.Children.count()は、子要素の数を返す。

では、なぜchildrenが非推奨であるという誤解が生じるのだろうか。これは、いくつかの要因が考えられる。

  1. Childrenオブジェクトの一部のメソッドの利用頻度の低下: React.Childrenのメソッドは、子要素の操作を簡素化する一方で、Reactの進化とともに、よりシンプルで宣言的な方法で同じ結果を得られるようになった。例えば、JavaScriptの配列メソッドや、React Hooksの利用などが挙げられる。そのため、React.Childrenのメソッドを直接使用する場面が減少し、結果として「非推奨」という印象を与える可能性がある。

  2. 型定義の複雑さ: props.childrenの型定義は、ReactのバージョンやTypeScriptの利用状況によって異なる場合がある。childrenは、単一のReact要素、要素の配列、またはundefinedとなる可能性があるため、TypeScriptで適切に型付けするのが難しい場合がある。そのため、型安全性を高めるために、childrenの使用を避け、より明確なpropsを定義することを推奨する開発者もいる。

  3. パフォーマンスへの懸念: React.Childrenのメソッドは、子要素を反復処理するため、大規模なコンポーネントツリーではパフォーマンスに影響を与える可能性がある。特に、React.Children.toArray()は、子要素を新しい配列に変換するため、メモリ使用量が増加する可能性がある。

しかし、これらの要因は、childrenそのものが非推奨であることを意味するものではない。childrenは、コンポーネントの再利用性を高め、柔軟なUIを構築するための重要なpropsであり続ける。React.Childrenのメソッドも、特定の状況下では依然として有効なツールである。

重要なのは、childrenReact.Childrenの違いを理解し、それぞれの特性を考慮して適切に使用することである。例えば、単純なレイアウトコンポーネントで子要素をラップするだけであれば、props.childrenをそのままレンダリングすればよい。一方、子要素を動的に操作する必要がある場合は、React.Childrenのメソッドの利用を検討する価値がある。ただし、パフォーマンスに影響を与える可能性がある場合は、より効率的な方法を検討する必要がある。

要するに、Reactにおけるchildrenは非推奨ではない。非推奨とみなされるべきなのは、特定の状況下におけるReact.Childrenの一部のメソッドの使用方法、または型定義の複雑さ、パフォーマンスへの影響など、特定の側面である。childrenは、Reactコンポーネントの重要な一部であり、適切に使用することで、より柔軟で再利用可能なUIを構築できる。