【ITニュース解説】メンバ-全員が主体的に提案しまくってくれるように成功体験と一緒に「失敗体験」も繰り返そう
2025年09月06日に「Qiita」が公開したITニュース「メンバ-全員が主体的に提案しまくってくれるように成功体験と一緒に「失敗体験」も繰り返そう」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
メンバーの主体性を育むには、成功体験だけでなく「失敗体験」を繰り返すことが重要だ。失敗を恐れず挑戦できる心理的安全性の高い環境を作ることで、メンバーからの積極的な提案が増え、チームは継続的に成長し続けることができる。(115文字)
ITニュース解説
ソフトウェア開発の現場において、チームメンバー全員が自ら課題を見つけ、改善案を出し合う「主体的」な姿勢は、プロダクトを継続的に成長させる上で極めて重要である。しかし、多くの開発チームでは「もっとメンバーから積極的に提案してほしい」というリーダーの悩みは尽きない。指示待ちの状態が続き、新しい試みが生まれにくい組織になってしまうことも少なくない。この状況を打破するためには、メンバーが安心して発言し、行動できる環境作りが不可欠であり、その鍵は「成功体験」だけでなく「失敗体験」をチーム全体で共有し、繰り返すことにある。
多くのメンバーが提案をためらう根本的な原因は、失敗に対する恐れにある。「的外れな意見だと思われたらどうしよう」「提案したからには完璧な成果を出さなければならない」といった心理的なプレッシャーが、自由な発想や発言の障壁となっているのだ。このような環境では、たとえ良いアイデアを持っていても、リスクを考えて口に出すことをやめてしまう。この問題を解決するために不可欠なのが「心理的安全性」の確保である。心理的安全性とは、チームの中で自分の意見や考えを発言しても、拒絶されたり罰せられたりすることがないと信じられる状態を指す。つまり、「ここでは失敗しても大丈夫だ」と誰もが感じられる環境こそが、主体性を育む土台となる。
心理的安全性を醸成するためには、リーダーが意図的に「失敗できる機会」を作り出すことが有効である。一般的に、リーダーはメンバーに成功体験を積ませようと注力しがちだが、それだけでは失敗への恐れを完全に取り除くことは難しい。そこで重要になるのが、リーダー自らが率先して「不完全な提案」を行い、「失敗する姿」をチームに見せることだ。例えば、チームの改善提案会のような場で、リーダーが「この開発ツールの設定を少し変えてみませんか。明確な効果は分かりませんが、試してみたいのです」といった、些細で不確実な提案をあえて出してみる。そして、その提案がチームでの議論の結果、却下されたり、一度試した上で「やはり元に戻そう」という結論になったりするプロセスを共有する。このようなリーダーの小さな「失敗」をメンバーが目の当たりにすることで、「完璧な提案でなくても良い」「挑戦して失敗しても非難されることはない」という安心感がチーム全体に浸透していく。これが、メンバーが自らのアイデアを口にするための第一歩となる。
チームに「失敗しても良い」という文化が根付き、メンバーから少しずつ提案が出始めたら、次の段階として提案の質を高めていく働きかけが必要になる。ただし、最初から完璧な提案を求めてはならない。まずは、どんな些細なことでもアイデアを出すという行動自体を歓迎し、称賛することが重要だ。その上で、提案に対して「なぜそれが必要なのか(Why)」と「具体的に何を実現したいのか(What)」をセットで考えてもらうように促していく。これにより、メンバーは単なる思いつきではなく、課題の背景や目的を意識する訓練を積むことができる。さらにチームが成熟し、提案が活発になった段階で、「どのように実現するのか(How)」や「それによってどのような効果が期待できるか(効果)」まで掘り下げて考えるよう導いていく。このプロセスを通じて、提案はより具体的で実現可能性の高いものへと磨かれていく。
この一連の取り組みにおいて、リーダーに求められるのは、提案を一方的に評価し「承認」や「却下」を下す審査員のような立場ではなく、メンバーのアイデアの種を一緒に「育てる」伴走者の姿勢である。未熟な提案であっても、その背景にある問題意識や意図を汲み取り、対話を通じてより良い形へと昇華させていく。この共同作業を繰り返すことで、メンバーは提案が採用される成功体験と、たとえ採用されなくても建設的な議論を通じて学びを得られるという経験を積み重ねる。成功と失敗の両方の体験を通じて、メンバーは自信をつけ、より当事者意識を持ってプロダクト開発に関わるようになる。最終的に、チームはリーダーの指示を待つのではなく、全員が自律的に課題を発見し、解決策を提案・実行する、成長し続ける強い組織へと変貌を遂げることができるのだ。