【ITニュース解説】バイブコーディング利用は約4割。技術力の劣化に最大の不安 、ベテランITエンジニア600名に調査を実施
2025年09月05日に「CodeZine」が公開したITニュース「バイブコーディング利用は約4割。技術力の劣化に最大の不安 、ベテランITエンジニア600名に調査を実施」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
40~60代のITエンジニア600名への調査で、約4割がバイブコーディングを利用していると判明。技術力低下への不安が最も大きいという結果が出た。これは、シニアエンジニア向け求人サイト「レガシーフォース」を運営するモロが発表したもので、エンジニアの働き方やAI活用状況に関する調査の一環。
ITニュース解説
今回の調査では、40代から60代のベテランITエンジニア600名を対象に、働き方やAIの活用状況について調査が行われた。この調査から、現代のIT業界における重要な課題と、エンジニアが抱える不安が明らかになっている。特に注目すべきは、「バイブコーディング」の利用状況と、それが技術力に与える影響に対する懸念だ。
バイブコーディングとは、インターネット上の掲示板やQ&Aサイト、あるいは同僚などに質問し、コードの断片や解決策を教えてもらい、それを自身の開発に流用する手法のことだ。今回の調査によると、約4割のエンジニアがバイブコーディングを利用しているという結果が出た。一見、効率的な開発手法のように見えるが、ベテランエンジニアたちは、この手法が自身の技術力低下につながるのではないかと危惧している。
なぜバイブコーディングが技術力低下につながる可能性があるのか。その理由は、コードの表面的な理解にとどまり、根本的な原理や仕組みを理解しないまま開発を進めてしまうからだ。例えば、エラーが発生した場合、自分で原因を特定し、解決する能力が育ちにくくなる。インターネットで検索して見つけたコードをそのままコピー&ペーストするだけでは、なぜそのコードが動くのか、どのような場合に問題が発生するのかといった深い知識は得られない。
システムエンジニアを目指す上で重要なのは、表面的な知識だけでなく、基礎をしっかりと理解することだ。プログラミング言語の構文、アルゴリズム、データ構造といった基本的な概念を理解することで、複雑な問題にも対応できる応用力が身につく。バイブコーディングに頼りすぎると、これらの基礎を学ぶ機会を失い、結果的に技術力向上の妨げになる可能性がある。
また、セキュリティ上のリスクも考慮する必要がある。インターネット上に公開されているコードには、悪意のあるコードが含まれている可能性もある。セキュリティの脆弱性があるコードをそのまま利用してしまうと、システム全体が危険にさらされることになる。自分の書いたコードだけでなく、利用するコードの安全性も確認する責任があることを忘れてはならない。
さらに、著作権の問題も存在する。他者が作成したコードを無断で利用することは、著作権侵害にあたる可能性がある。特に、商用利用する場合は、ライセンス条項などをしっかりと確認する必要がある。
今回の調査結果は、AIの活用状況についても触れている。AIは、プログラミングの自動生成やコードのレビューなど、さまざまな分野で活用され始めている。しかし、AIに頼りすぎることも、技術力低下につながる可能性がある。AIが生成したコードをそのまま利用するのではなく、自分で理解し、修正する能力を維持することが重要だ。AIはあくまでツールであり、エンジニア自身のスキルアップを怠る理由にはならない。
システムエンジニアとして成長するためには、バイブコーディングやAIなどの便利なツールを適切に活用しつつ、基礎をしっかりと学び、自力で問題を解決する能力を養うことが重要だ。常に新しい技術を学び続ける姿勢を持ち、自己研鑽を怠らないことが、ベテランになっても活躍できるエンジニアへの道となるだろう。今回の調査結果は、そのための警鐘として受け止めるべきだ。