厳密不等価演算子 (ゲンミツフトウカエンザンシ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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厳密不等価演算子 (ゲンミツフトウカエンザンシ) の読み方

日本語表記

厳密不等価演算子 (ゲンミツフトウカエンザンシ)

英語表記

Strict inequality operator (ストリクト インイクオリティー オペレーター)

厳密不等価演算子 (ゲンミツフトウカエンザンシ) の意味や用語解説

厳密不等価演算子とは、プログラミングにおいて二つの値が厳密に等しくないかどうかを判定するために用いられる演算子である。一般的には「!==」という記号で表されることが多い。この演算子は、等価演算子「==」や厳密等価演算子「===」と対をなす関係にあり、プログラムの条件分岐やデータ検証など、さまざまな場面で利用される。 厳密不等価演算子「!==」は、左辺と右辺の値を比較し、以下の二つの条件の両方を満たす場合に真(true)を返す。一つ目の条件は、二つの値のデータ型が異なること。二つ目の条件は、データ型が同じである場合に、二つの値が等しくないことである。 一方、等価演算子「==」は、比較の際に暗黙的な型変換を行う。例えば、「1 == "1"」という比較は、JavaScriptなどの言語では真と評価される。これは、文字列 "1" が数値 1 に暗黙的に変換されてから比較が行われるためである。これに対し、厳密等価演算子「===」は、型変換を行わずに比較を行うため、「1 === "1"」は偽(false)と評価される。 厳密不等価演算子「!==」は、型変換を行わずに不等価を判定するため、「1 !== "1"」は真と評価される。これは、数値 1 と文字列 "1" はデータ型が異なるためである。また、「1 !== 2」も真と評価される。これは、数値 1 と数値 2 はデータ型が同じだが、値が異なるためである。 厳密不等価演算子の重要性は、予期せぬ型変換によるバグを防ぐことができる点にある。等価演算子「==」を用いた場合、意図しない型変換によって比較結果が変わり、プログラムの動作が不安定になる可能性がある。特に、動的型付け言語と呼ばれる、変数の型を明示的に宣言する必要がない言語では、型変換が頻繁に行われるため、厳密不等価演算子の利用が推奨される。 例えば、ウェブアプリケーションにおいて、ユーザーからの入力値を検証する際に、厳密不等価演算子は非常に有効である。ユーザーが入力した値が、想定されるデータ型と異なる場合に、エラーを検知し、適切な処理を行うことができる。また、データベースから取得したデータを処理する際にも、データの型と値の両方を検証することで、データの整合性を保つことができる。 具体的な使用例として、JavaScriptを例に挙げる。以下のコードは、変数xがnullまたはundefinedでないかを判定するものである。 ```javascript if (x !== null && x !== undefined) { // xがnullでもundefinedでもない場合の処理 } ``` このコードでは、厳密不等価演算子「!==」を用いることで、変数xがnullまたはundefinedであるかどうかを正確に判定し、適切な処理を行うことができる。もし、等価演算子「!=」を用いた場合、nullやundefinedとの比較において、予期せぬ型変換が発生する可能性がある。 厳密不等価演算子は、多くのプログラミング言語でサポートされている。JavaScript、PHP、Pythonなど、ウェブ開発でよく用いられる言語はもちろんのこと、JavaやC++などのシステム開発で用いられる言語でも利用可能である。ただし、言語によって記号が異なる場合があるため、使用する言語のドキュメントを確認することが重要である。 まとめると、厳密不等価演算子は、二つの値が厳密に等しくないかどうかを判定するための重要な演算子である。型変換を行わずに比較を行うため、予期せぬバグを防ぎ、プログラムの信頼性を向上させることができる。システムエンジニアを目指す上で、厳密不等価演算子の概念と利用方法を理解しておくことは、高品質なソフトウェアを開発するために不可欠であると言える。

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