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Web Storage(ウェブストレージ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

Web Storage(ウェブストレージ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ウェブストレージ (ウェブストレージ)

英語表記

Web Storage (ウェブストレージ)

用語解説

Web Storageは、ウェブブラウザがクライアントサイドでデータを保存するための仕組みである。ウェブアプリケーションにおいて、ユーザーのブラウザ内に永続的または一時的にデータを保存し、後でそのデータを利用することを可能にする。これは、ウェブページを訪れるたびに同じ設定や情報が表示されるようにしたり、オフライン環境でも一部の機能を利用できるようにしたりする際などに活用される。従来のデータ保存方法であるCookieが持ついくつかの制約を克服するために登場し、より大容量で柔軟なデータ保存を実現している点が特徴である。

詳細に入ると、Web StorageはHTML5で導入された機能であり、主にlocalStorage(ローカルストレージ)とsessionStorage(セッションストレージ)の二種類がある。これらのストレージは、いずれもキーと値のペア形式でデータを格納する仕組みを提供し、JavaScriptを通じて簡単に操作できるAPIを持つ。

従来のCookieには、いくつかの根本的な課題があった。第一に、保存できるデータ容量が極めて小さいことで、一般的に数KB程度に制限されていた。これにより、複雑なデータや大量の情報を保存することが困難であった。第二に、Cookieに保存されたデータは、そのサイトへのHTTPリクエストが発生するたびに自動的にサーバーへ送信される。これは、サーバー側での認証状態の管理などには有用だが、クライアントサイドでしか使用しないデータまで毎回サーバーへ送信されるため、ネットワーク帯域の無駄遣いとなり、ウェブアプリケーションのパフォーマンスを低下させる原因にもなっていた。第三に、Cookieは文字列データしか扱えず、複雑なデータ構造を直接扱うのには向いていなかった。

Web Storageは、これらのCookieの課題を解決するために設計された。まず、保存できるデータ容量が大幅に増加し、多くのブラウザで5MBから10MB程度のデータを保存できるようになった。これにより、ウェブアプリケーションはより多くのユーザー設定、一時的なデータ、またはオフラインでの利用に必要なデータをブラウザ内に保持できるようになる。次に、Web Storageに保存されたデータは、HTTPリクエスト時に自動的にサーバーへ送信されることはない。データへのアクセスは完全にクライアントサイドのJavaScriptから行われるため、ネットワーク帯域を節約し、サーバーの負荷も軽減できる。これにより、ウェブアプリケーションの応答性が向上し、より快適なユーザーエクスペリエンスを提供することが可能になる。また、Web Storageはキーと値のペアでデータを保存するが、値は文字列型として扱われる。オブジェクトなどの複雑なデータは、JSON形式にシリアライズ(文字列化)して保存し、利用時にデシリアライズ(オブジェクトに戻す)することで、実質的にどのようなデータでも扱えるようになる。

localStorageは、永続的なデータ保存を目的とする。一度保存されたデータは、ブラウザを閉じたり、PCを再起動したりしても削除されることなく保持され続ける。明示的にJavaScriptコードで削除するか、ユーザーがブラウザの設定から削除しない限り、データは残る。この特性から、ユーザーのパーソナライズされた設定(例:テーマ、フォントサイズ、表示言語)、ユーザーが過去に閲覧した商品の履歴、オフラインで利用するアプリケーションのデータキャッシュなど、ウェブサイトを再訪問しても引き継がれるべき情報を保存するのに適している。

一方、sessionStorageは、セッション期間中のみ有効なデータ保存を目的とする。データは、ユーザーがそのウェブページを開いているブラウザのタブやウィンドウが閉じられると同時に消去される。この特性により、一時的なデータ、例えばフォーム入力の一時保存、シングルページアプリケーションにおける現在のセッション固有の状態管理、ユーザーがサイト内で移動する間にのみ必要な情報などを保存するのに役立つ。重要な点として、sessionStorageはタブやウィンドウごとに独立している。つまり、同じウェブサイトを異なる複数のタブで開いた場合でも、それぞれのタブには独立したsessionStorageが存在し、互いに影響を与えない。これにより、複数の作業を同時に行う際にデータの混同を防ぐことができる。

Web StorageのAPIは非常にシンプルである。localStorageオブジェクトやsessionStorageオブジェクトに対して、setItem(key, value)でデータを保存し、getItem(key)でデータを取得し、removeItem(key)で個別のデータを削除し、clear()で全てのデータを削除するといったメソッドが提供されている。

Web Storageを利用する上での注意点もいくつかある。まず、保存されるデータはオリジン(プロトコル、ドメイン、ポートの組み合わせ)ごとに分離されるため、異なるオリジン間で直接Web Storageのデータを共有することはできない。これはセキュリティ上の重要な仕組みである。また、APIが同期的に動作するため、大量のデータを一度に読み書きすると、メインスレッドをブロックし、一時的にウェブページの応答性を損なう可能性がある。機密性の高い情報はWeb Storageに保存すべきではない。ユーザーのブラウザ上に保存されるため、XSS(クロスサイトスクリプティング)などの攻撃によってデータが漏洩するリスクも存在する。パスワードやクレジットカード情報といった個人を特定できる情報や認証情報は、安全にサーバーで管理すべきであり、Web Storageはあくまで一時的または非機密性のデータを保存するために利用すべきである。

総じて、Web Storageは、ウェブアプリケーションがより高度な機能や快適なユーザーエクスペリエンスを提供する上で不可欠な技術である。Cookieの限界を克服し、大容量で柔軟なクライアントサイドデータ保存を可能にすることで、現代のインタラクティブなウェブ環境を支えている。