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【ITニュース解説】AI面接練習で教育現場の課題を解決! 揺れながら進化し続ける、マイナビ『AI-m』開発の舞台裏

2025年09月11日に「CodeZine」が公開したITニュース「AI面接練習で教育現場の課題を解決! 揺れながら進化し続ける、マイナビ『AI-m』開発の舞台裏」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

マイナビは、高校生の面接練習を支援するAIサービス「AI-m」を開発した。教員の面接指導負担軽減という教育現場の課題解決を目指す。エンジニアと事業部が連携し、技術と現場の要求をすり合わせながら、プロダクトの進化に取り組んでいる。

ITニュース解説

現代の高校生が自身の進路を決める際、学力試験だけでなく、面接、書類審査、小論文といった多様な評価方法が重視されるようになっている。実に高校3年生の約7割がこれらの要素によって進路を決定する時代だ。これは生徒一人ひとりにとって、自身の個性や学びへの意欲を直接伝える重要な機会となる一方で、教育現場には新たな、そして大きな課題を生み出している。多忙な教員たちは、多くの生徒に対して十分な面接指導を行う時間も機会も確保することが難しくなり、その負担は年々増大の一途をたどっているのが実情である。

このような教育現場が抱える深刻な課題に対し、ITの力、特に人工知能(AI)を活用して解決を試みたのが、マイナビが開発した高校生向けの動画面接練習サービス『AI-m(エイム)』だ。このサービスは、生徒が自宅や学校で手軽に面接練習を行い、AIがその内容を分析してフィードバックを提供することで、教員の指導負担を軽減し、同時に生徒の面接スキル向上を支援することを目的としている。

『AI-m』の核となる機能は、生徒が想定される質問に対して回答する様子を動画で記録し、その動画をAIが分析することにある。具体的には、AIは生徒の話し方、表情、声のトーン、話の内容の論理性や具体性といった多角的な要素を評価する。そして、改善すべき点や、より効果的な表現方法などを具体的なアドバイスとして提示する。これにより、生徒は自分の面接の様子を客観的に把握し、AIからのフィードバックに基づいて繰り返し練習することで、自信を持って本番に臨めるようになる。教員側は、個々の生徒に付きっきりで指導する必要が減り、より本質的なサポートや個別の相談に時間を割けるようになるというわけだ。

しかし、このような画期的なサービスがスムーズに生まれたわけではない。その開発の舞台裏では、多くのシステムエンジニアが直面する現実的な困難と、それを乗り越えるための努力があった。マイナビ『AI-m』の開発は、実際にシステムを構築する「技術面を担うエンジニア」と、高校教育や進路指導の現場を熟知している「事業部」が協力し合うことで進められた。

システム開発において、技術と現場のニーズの間には常にギャップが存在する。「技術と現場の狭間」とはまさにこのことだ。エンジニアは、最新のAI技術をどのようにシステムに組み込むか、データの処理速度や安定性をどう確保するか、といった技術的な実現可能性や効率性を追求する。一方、事業部は、実際の高校生や教員が「使いやすいか」「教育的に効果があるか」「求めるフィードバックが得られるか」といった、現場での実用性やユーザー体験を重視する。

例えば、AIがどこまで細かく、どのような観点で評価すべきか、フィードバックはどのような言葉遣いで、どれくらいのボリュームで表示すれば、生徒にとって理解しやすく、前向きな改善につながるか。これらは、技術だけで決められるものではなく、教育現場の知見が不可欠な部分だ。エンジニアは「こんなこともできます」と技術的な提案をするが、事業部は「それは現場では使いにくい」「もっとこうしてほしい」と具体的な要望を出す。時には両者の意見が対立し、開発は一時的に「揺れる」こともあっただろう。しかし、そうした議論を重ね、互いの専門性を尊重し、歩み寄ることで、最終的に現場で本当に役立つサービスが形作られていったのだ。

さらに、『AI-m』は一度開発して終わりではない。サービスは「揺れながら進化し続ける」という言葉が示すように、利用開始後も現場からのフィードバックを継続的に収集し、機能改善や精度向上に努めている。例えば、実際に利用した高校生からの「もっと質問の種類を増やしてほしい」「フィードバックが少し分かりにくい部分があった」といった声や、教員からの「特定の学校の入試形式に対応できないか」といった要望を受け、AIの学習モデルを更新したり、ユーザーインターフェースを改善したりといった地道な作業が続く。これは、プロダクトが単なる完成品ではなく、常にユーザーと共に成長し、変化する生き物のようなものであることを示している。

この『AI-m』の開発事例は、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、非常に多くの示唆を与えてくれる。単にプログラミングのスキルや最新技術の知識を習得するだけでなく、目の前にある社会の課題を深く理解すること、そしてその課題を解決するために、異なる専門性を持つ人々と密に連携し、時には意見をぶつけ合いながらも、共通の目標に向かって粘り強く開発を進めることの重要性が分かるだろう。技術と現場の狭間で試行錯誤を繰り返し、ユーザーの声に応えながらプロダクトを「進化」させていくプロセスこそが、システムエンジニアの仕事の醍醐味であり、大きなやりがいにつながるのである。

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