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【ITニュース解説】味の素冷凍食品、企業経営管理統合プラットフォームを導入--損益レポートの作成を即日化

2025年09月11日に「ZDNet Japan」が公開したITニュース「味の素冷凍食品、企業経営管理統合プラットフォームを導入--損益レポートの作成を即日化」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

味の素冷凍食品は、経営管理システム「CCH Tagetik」を導入した。その結果、会社の損益レポート作成が即日で可能になり、予算策定の準備や集計にかかる業務時間を大幅に削減できた。

ITニュース解説

味の素冷凍食品が「CCH Tagetik」という企業経営管理統合プラットフォームを導入し、会社の経営状態を把握するための「損益レポート」を、これまで時間がかかっていたのを「即日」で作成できるようになったというニュースだ。さらに、次年度の計画を立てる「予算策定」にかかる業務時間も大幅に削減できた。このニュースは、現代の企業経営において、ITシステムがいかに重要な役割を果たしているかを示している。

会社を経営していく上で、経営者は常に「今、会社がどれくらいの利益を出しているのか」「目標に対してどれくらい達成しているのか」といった情報を正確かつ迅速に知る必要がある。これまでの多くの企業では、会計システム、販売管理システム、生産管理システムなど、さまざまなシステムが個別に運用されていた。それぞれのシステムが異なる形式でデータを保持しているため、これらのデータを集めて「損益レポート」のような全体像を示す資料を作成するには、手作業でのデータ抽出、整形、集計といった非常に手間と時間のかかる作業が必要だった。例えば、月末にその月の損益状況を把握しようとしても、データ集計に数日かかり、実際にレポートが手元に届くのは翌月の半ばになる、ということも珍しくなかった。これでは、市場の変化が激しい現代において、迅速な経営判断を下すのが難しくなる。また、来年の予算を立てる際も、過去の実績データを集めるのに時間がかかり、何度も修正が必要になるため、多くの時間と労力が費やされていた。

味の素冷凍食品が導入した「CCH Tagetik」は、このような企業の課題を解決するための「企業経営管理統合プラットフォーム」と呼ばれる種類のシステムだ。このプラットフォームは、会社が持つあらゆる経営データを一箇所に集約し、統合的に管理・分析することを目的としている。具体的には、売上データ、費用データ、在庫データ、人事データなど、会社運営に関わる多種多様な情報を一元的に収集し、それらのデータに基づいて自動的に損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書といった経営レポートを作成する機能を持つ。また、将来の事業計画を立てるための予算策定機能や、策定した予算と実際の実績を比較分析する機能も備えている。これにより、経営者は常に最新の正確なデータに基づいた情報を受け取ることができ、会社全体の状況をリアルタイムに近い形で把握できるようになる。

味の素冷凍食品は、この「CCH Tagetik」の導入により、顕著な効果を上げている。最大の成果は、「損益レポートの即日化」だ。以前は数日かかっていたレポート作成が、システムがデータを自動で集計・分析することで、その日のうちに完了するようになった。これは、経営陣が日々の経営状況を素早く把握し、問題が発生した場合にも即座に対応策を検討できるようになったことを意味する。例えば、特定の商品の売れ行きが悪いと分かれば、翌日にはプロモーション戦略の見直しに着手できるかもしれない。さらに、「予算策定事前準備・集計作業における業務時間の削減」も大きなメリットだ。これまでExcelなどの表計算ソフトを使って手作業で行っていた、過去データの収集や部門ごとの予算案の集計作業が自動化され、従業員の負担が大幅に軽減された。これにより、本来集中すべき「どうすれば会社がもっと成長するか」といった戦略的な議論に時間を割けるようになった。このように、データ収集や集計といった定型業務をシステムに任せることで、人間はより高度な判断や創造的な業務に集中できるようになる。結果として、経営のスピードアップと効率化、そして精度の向上を実現している。

このような企業経営管理統合プラットフォームの導入は、システムエンジニア(SE)が活躍する典型的な事例の一つだ。SEは、まず企業が抱える課題や「何をどのように改善したいのか」という要望をヒアリングし、「要件定義」を行う。次に、その要件を満たす最適なシステム(CCH Tagetikのようなパッケージ製品か、あるいは自社開発か)を選定し、どのように導入するか「システム設計」を具体化する。パッケージ製品を導入する場合でも、その企業独自の業務フローに合わせてシステムを「カスタマイズ」したり、既存の他システム(会計システムや販売管理システムなど)と連携させるための「インタフェース開発」が必要になることが多い。導入後も、システムが安定して稼働するように「運用・保守」を行い、利用者からの問い合わせに対応したり、機能改善の提案を行ったりする。このように、SEは単にコードを書くだけでなく、ビジネスの課題をITの力で解決するための橋渡し役として、非常に重要な役割を担っている。企業の経営層や各部門の担当者と密接にコミュニケーションを取りながら、プロジェクトを成功に導くための多岐にわたるスキルが求められる。

味の素冷凍食品の事例は、企業がデジタル技術を積極的に取り入れ、経営の効率化とスピードアップを図る「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の好例だ。ITシステムを導入することで、これまで時間と手間がかかっていた定型業務を自動化し、経営資源をより価値の高い活動に集中させることが可能になる。これは、企業が市場で競争力を維持し、持続的に成長していく上で不可欠な取り組みである。そして、このような企業の変革をITの側面から支えるのがシステムエンジニアであり、彼らの存在が現代のビジネスにおいてはますます重要になっている。

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