【ITニュース解説】うんちをする時にトイレに座っている時間が長すぎると生じる「7つの健康問題」とは?
2025年09月12日に「GIGAZINE」が公開したITニュース「うんちをする時にトイレに座っている時間が長すぎると生じる「7つの健康問題」とは?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
スマートフォンなどでトイレに長居する習慣は、様々な健康問題を引き起こす可能性がある。イギリスの解剖学教授が、排便時に便座に長時間座り続けることで生じる「7つの健康リスク」について詳細に解説した。
ITニュース解説
現代社会において、スマートフォンなどの普及は私たちの生活習慣に大きな変化をもたらした。特に、トイレでの排便時間もその影響を受けており、便座に座ったままスマートフォンで動画を見たりゲームをプレイしたりして、ついつい長居してしまう人は少なくない。しかし、こうした習慣は、イギリスのランカスター大学で解剖学教授を務めるアダム・テイラー氏が指摘するように、私たちの体にさまざまな健康問題を引き起こす可能性がある。トイレでの滞在時間が長すぎることによって生じる主な七つの健康問題について、具体的なメカニズムを交えながら見ていこう。
まず一つ目は、痔である。トイレでの長時間滞在が引き起こす最も一般的な健康問題の一つに痔がある。痔は肛門周辺の血管がうっ血したり、皮膚や粘膜が炎症を起こしたりすることで発生する。便座に長時間座ることは、肛門周囲に継続的な圧力をかけ、血流を悪化させる原因となる。特に、排便が済んでもそのまま座り続けることで、重力によって血液が肛門部に集中し、血管が拡張しやすくなる。また、スマートフォンに夢中になることで、つい不自然な姿勢で長時間いきんだり、あるいは排便が済んでも肛門への負担がかかり続ける状況が、痔の悪化や発生リスクを高めることになる。
二つ目は、便秘の悪化である。長時間トイレに座っているからといって、便がスムーズに出やすくなるわけではない。むしろ、無理にいきみすぎたり、排便反射を無視して座り続けたりすることが、かえって便秘を悪化させる可能性がある。人間の体には、直腸に便が到達すると排便を促す信号が送られる「排便反射」という機能がある。しかし、長時間トイレに座って反射が起きていないのにいきんだり、反射が起きていても排便を我慢したりすると、この反射機能が鈍化してしまうことがある。結果として、体が排便のタイミングをうまくつかめなくなり、慢性的な便秘につながる恐れがあるのだ。
三つ目は、直腸脱である。直腸脱は、直腸の一部が肛門から外に出てしまう状態を指す。これは特に、排便時に長時間にわたって強く腹圧をかけすぎることが原因の一つとなる。長時間いきむことで、直腸とその周囲を支える骨盤底筋群に過度な負担がかかり、その結果、これらの組織が弱くなって直腸を支えきれなくなることがある。特に高齢者や出産経験のある女性に多く見られるが、トイレでの誤った習慣がリスクを高める可能性は、年齢や性別を問わない。
四つ目は、骨盤底筋の弱化である。骨盤底筋は、膀胱や子宮、直腸などの臓器を支えるハンモック状の筋肉群で、排尿や排便のコントロールにも重要な役割を果たす。トイレに長時間座ることは、この骨盤底筋に不適切な圧力をかけ続けたり、逆に弛緩させすぎたりする原因となる。これにより、骨盤底筋が本来持つ弾力性や筋力が低下し、排尿障害(尿漏れなど)や便失禁、さらには臓器脱といった問題を引き起こすリスクが高まる。適切な排便姿勢と短い時間での排便習慣が、骨盤底筋の健康を保つ上では不可欠だ。
五つ目は、尿路感染症のリスク増加である。特に女性において、長時間便座に座っていると、外陰部が便器に触れる機会が増え、便器表面に存在する細菌が尿道口から侵入しやすくなる可能性がある。また、不衛生な環境のトイレでの長時間滞在は、さらに感染リスクを高めることになる。尿道から侵入した細菌が膀胱内で増殖すると、膀胱炎などの尿路感染症を引き起こし、排尿時の痛みや頻尿などの症状が現れることがある。
六つ目は、下肢静脈瘤である。これは、足の静脈が拡張し、蛇行して瘤(こぶ)のように膨らんでしまう病気だ。トイレに長時間座っていると、足が下がる体勢が続くため、重力の影響で足の静脈に血液が滞留しやすくなる。これにより、静脈にかかる圧力が上昇し、静脈の弁が損傷したり、静脈壁が弱くなったりして、血液の逆流を防ぐ機能が低下してしまう。結果として、下肢静脈瘤が発生・悪化するリスクが高まる。初期には足のむくみやだるさを感じる程度だが、進行すると皮膚の炎症や潰瘍につながることもある。
そして七つ目は、足のしびれや血栓症リスクの増加である。長時間同じ体勢で座り続けることは、足の神経や血管を圧迫し、血流を悪化させる原因となる。これにより、足がしびれたり、冷えたりといった症状が現れることがある。さらに深刻なケースでは、血流の停滞によって血管内で血液が凝固し、血栓が形成されるリスクが高まる。特に、足の深部静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症」は、肺に血栓が飛んで「肺塞栓症」を引き起こす可能性があり、命に関わることもある重篤な病気である。飛行機の長時間移動で知られるエコノミークラス症候群とメカニズムは類似しており、トイレでの長時間滞在も同様のリスク要因となりうる。
これらの健康問題は、いずれも日々の習慣が深く関わっている。トイレは排泄のための場所であり、必要以上に長居することは、体の構造や機能に悪影響を及ぼす可能性が高い。健康的な排便習慣とは、便意を感じたら我慢せずにトイレに行き、短時間で排便を済ませることだ。スマートフォンを持ち込む習慣を見直し、トイレでの滞在時間を意識的に短くすることで、これらの様々な健康リスクを効果的に低減できるだろう。日々の小さな習慣を見直すことが、結果として私たちの体全体の健康を守り、快適な生活を送るための基盤となることを理解することが重要である。