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【ITニュース解説】火星に生命存在か NASAが「最も有望な兆候」を発見 

2025年09月11日に「CNET Japan」が公開したITニュース「火星に生命存在か NASAが「最も有望な兆候」を発見 」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

NASAは火星探査で、古代生命の「最も有望な兆候」とされる「バイオシグネチャー」(生命の痕跡)を発見した。探査機パーサビアランスが捉えたこの手がかりは、火星に生命が存在した可能性を示すものだ。

ITニュース解説

NASAが火星探査において、かつて火星に生命が存在した可能性を示す「最も有望な兆候」を発見したと発表した。これは、惑星科学界全体にとって極めて重要な出来事であり、地球外生命の探求における大きな一歩となる。今回注目されているのは、火星の地表で発見された「バイオシグネチャー」と呼ばれる、生命の痕跡を示す可能性のある物質だ。

この重要な発見を成し遂げたのは、NASAの最新鋭火星探査機「パーサビアランス」である。パーサビアランスは2021年2月に火星のジェゼロ・クレーターに着陸し、以降、このクレーターの地質学的調査と生命の痕跡探しに尽力してきた。ジェゼロ・クレーターは、かつて大きな湖と河川が存在したと考えられており、生命が誕生し、維持されるのに適した環境であった可能性が指摘されている場所だ。そのため、この地点はパーサビアランスの探査にとって極めて重要なターゲットであった。

パーサビアランスは、高精度な科学機器を多数搭載している。その中でも、今回特に重要な役割を果たしたのは、火星の岩石や土壌を詳細に分析する能力を持つ機器群だ。探査機は移動しながら地表を調査し、ドリルでサンプルを採取する機能も備えている。このドリルで採取されたサンプルは、将来的に地球に持ち帰られる計画が進行中であり、そこで詳細な分析が行われることで、今回の発見の真偽が最終的に明らかになることになる。

今回パーサビアランスがジェゼロ・クレーターで発見したのは、堆積岩の中に含まれる「有機分子」である。有機分子とは、炭素原子を主成分とする分子の総称で、地球上の全ての生命体の基本を構成している。アミノ酸、タンパク質、核酸(DNAやRNA)なども有機分子の一種だ。火星で有機分子が見つかること自体は、これまでの探査でも報告されてきたが、その発見場所や状況、そしてその分子の種類によっては、生命活動の痕跡である可能性が高まる。

特に注目すべきは、今回発見された有機分子が、かつて水があった環境で形成された堆積岩の中に、高濃度で存在していたことだ。水は生命の存在に不可欠な要素であり、堆積岩は古代の環境情報が閉じ込められている「タイムカプセル」のようなものだ。水が存在した場所の堆積岩の中から有機分子が見つかることは、単に宇宙空間から飛来した有機物が堆積しただけではなく、火星の古代の環境下で、何らかの生命活動によって生成された可能性を示唆している。これは、生命が活動したことによって生み出される特有の「バイオシグネチャー」である可能性が極めて高いとされている。

しかし、現段階では、これらの有機分子が「生命の痕跡である」と断定することはできない。有機分子は生命活動によって作られるものだけでなく、宇宙空間の化学反応や地質学的なプロセス、例えば火山活動や地熱活動によっても生成されることがあるからだ。地球上でも生命とは関係のない有機物が存在するように、火星で見つかった有機物が必ずしも生命由来であるとは限らない。さらに、探査機自体が地球から運んだ微生物や有機物が火星のサンプルを汚染している可能性も、ごくわずかではあるが考慮に入れる必要がある。これが、科学者たちが「最も有望な兆候」という表現を用いる理由であり、決定的な結論を下すにはさらなる検証が必要だという慎重な姿勢の表れでもある。

この「最も有望な兆候」の真偽を明らかにするためには、サンプルを地球に持ち帰り、地球の最先端の分析装置で詳細に調べる必要がある。NASAと欧州宇宙機関(ESA)は協力して、パーサビアランスが採取した火星のサンプルを地球へ帰還させる「マーズ・サンプル・リターン・ミッション」を計画している。このミッションは、火星のサンプルを安全に地球に持ち帰るという、これまでにない壮大な挑戦だ。もしサンプルが地球に到着し、分析の結果、これら有機分子が確かに火星の古代生命の痕跡であることが証明されれば、それは人類の宇宙観、生命観を根本から変える、歴史的な大発見となるだろう。

火星における生命の探求は、地球以外の惑星で生命が誕生する条件や、生命がどのように進化しうるのかという、生命科学の根源的な問いに対する答えをもたらす可能性がある。また、もし火星でかつて生命が存在し、そして滅びたのだとすれば、それは地球の未来にとっても重要な教訓となるかもしれない。パーサビアランスが捉えたこの有望な手がかりは、人類が宇宙に目を向け、未知の生命を追い求める旅の、新たな章の幕開けを告げるものだと言えるだろう。この発見は、科学者だけでなく、宇宙に夢を抱く全ての人々にとって、大きな希望と探求心を掻き立てるものとなっている。

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