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【ITニュース解説】演算子の優先順位の設計比較

2025年09月14日に「Zenn」が公開したITニュース「演算子の優先順位の設計比較」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

プログラミング言語における演算子の優先順位設計を比較する。多くの言語では算術演算がビット演算より優先されるが、GoやSwiftは混在する。また、冪乗と単項マイナスの順序に特別なルールを持つ言語があることを解説する。

出典: 演算子の優先順位の設計比較 | Zenn公開日:

ITニュース解説

プログラミングにおいて、複数の計算が混じり合ったときに、どの計算を先に実行するかを決めるルールを「演算子の優先順位」と呼ぶ。この優先順位を正しく理解していなければ、意図しない計算結果となり、プログラムが正しく動作しない原因となることがある。そのため、システムエンジニアを目指す上で、この概念の理解は非常に重要である。

プログラミング言語の設計者たちは、この演算子の優先順位について、さまざまな考え方に基づき設計を行ってきた。主要な言語におけるその設計思想を比較してみよう。

まず「算術演算」と「ビット演算」という二種類の演算子について考える。算術演算とは、足し算(+)、引き算(-)、掛け算(*)、割り算(/)といった、私たちが日常的に使う数値計算のことである。一方、ビット演算とは、コンピュータの最も基本的な単位であるビット(0か1)に対して直接操作を行う演算である。例えば、ビット論理積(&)やビット論理和(|)などがあり、主に低レベルな処理や効率的なデータ操作に用いられる。

多くのプログラミング言語、例えばC、Java、Pythonなどでは、これらの演算子に対して明確な優先順位の階層が設けられている。具体的には、掛け算(*)や割り算(/)は足し算(+)や引き算(-)よりも優先される。これは、私たちが学校で習う数学の計算順序と同じであるため、直感的に理解しやすい。さらに、これらの算術演算子全体が、ビット論理積(&)やビット論理和(|)といったビット演算子よりも優先されるように設計されているのが一般的である。 例えば、「A + B & C」という式があった場合、まず「A + B」が計算され、その結果と「C」のビット論理積が取られる、という順序になる。この設計は、人間の思考パターンに沿っており、コードの読みやすさにも貢献している。

しかし、GoやSwiftのような一部の言語では、この伝統的な優先順位の階層が異なっている。これらの言語では、掛け算(*)、割り算(/)、そしてビット論理積(&)が同じ優先順位グループに属している。同様に、足し算(+)、引き算(-)、そしてビット論理和(|)も同じ優先順位グループに属する。つまり、算術演算子とビット演算子の一部が同じ階層に混在しているのである。 これは、これらの演算子が数学的に特定の構造(半環と呼ばれるもの)と関連があるという考え方に基づいている可能性がある。つまり、異なる種類の演算であっても、数学的な性質が似ているため、優先順位の階層を混ぜ合わせることで、より統一された、あるいは異なる視点からの表現を可能にしているのである。この設計の違いは、コードの記述や解釈に影響を与えるため、各言語の特性を理解し、特に複数の言語を扱う際には注意が必要となる。

次に、「単項マイナス」と「冪乗(べきじょう)演算」の優先順位について見てみよう。冪乗演算子(多くの言語では**^で表される)は、ある数値を指定された回数だけ掛け合わせる演算である。例えば、2**32 × 2 × 2を意味し、結果は8となる。単項マイナス演算子(-)は、数値を負の値にする演算である。

この冪乗演算子を持つ言語では、単項マイナスとの順序について特別なルールを持つことがある。一般的な数学の規則では、単項マイナスよりも冪乗が優先される。そのため、-2**2という式があった場合、通常は「2**2」が先に計算されて4となり、その結果にマイナスが適用されて-4となる。つまり、-(2**2)と解釈されるのが数学的な慣習である。

多くのプログラミング言語も、この数学的な慣習に沿うよう設計されており、-2**2-(2**2)と解釈される。記事ではこれを「基数にマイナスがついた場合、それは項全体を反転させると考える」と表現している。これは、2**2という計算結果全体に対してマイナスを適用するという意味合いであり、特別なルールとして意識すべき点である。 もし、-2という数値を基数として二乗したい、つまり(-2)**2という計算をしたい場合は、明示的に括弧を使用して計算の順序を制御する必要がある。この場合、(-2)**2の結果は4となる。このように、単項マイナスと冪乗の優先順位は言語によって解釈が異なることがあり、特に注意を要するポイントである。曖昧な表現を避け、意図した通りの計算を行うためには、迷ったときは常に括弧を使い、計算の順序を明確にすることが、安全なプログラミングの基本的な習慣となる。

プログラミング言語における演算子の優先順位の設計は、その言語の思想や目的、あるいは歴史的経緯に基づいて行われている。伝統的な設計が採用されている言語もあれば、GoやSwiftのように新たな視点を取り入れた設計もある。これらの違いを理解することは、記述するコードの正確性を保ち、期待通りの動作を実現するために非常に重要である。特に、異なる種類の演算が混在する式や、単項マイナスと冪乗のような特殊な組み合わせにおいては、各言語がどのようなルールを採用しているかを正確に把握し、必要に応じて括弧を使って明示的に計算順序を指定する習慣を身につけることが、システムエンジニアとして不可欠なスキルとなる。この知識は、自身のプログラムをより堅牢にするだけでなく、他の開発者の書いたコードを正確に理解するためにも大いに役立つだろう。

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