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【ITニュース解説】ランニングは膝に悪影響を与えるのか?ランニングを始める際の注意点は?

2025年09月13日に「GIGAZINE」が公開したITニュース「ランニングは膝に悪影響を与えるのか?ランニングを始める際の注意点は?」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ランニングは健康に良いが、「膝を痛める」という不安の声も聞かれる。この記事は、ランニングが本当に膝に長期的なダメージを与えるのかという疑問に対し、運動科学の専門家が解説している。

ITニュース解説

ランニングは、カロリー消費や心肺機能の向上、ストレス解消など、心身の健康増進に多くの利点をもたらす運動として広く認識されている。しかし、「ランニングは膝を痛める原因になるのではないか」という懸念もまた、多くの人が抱く疑問の一つだ。南オーストラリア大学の運動科学講師であるハンター・ベネット氏が、この長年の疑問に対し、ランニングが膝に長期的なダメージを与えるという考えが必ずしも正しくないことを解説している。

ランニングが膝に悪影響を与えるという誤解は、関節への衝撃や摩耗を連想させることから生じやすい。しかし、研究結果は、適度なランニングが膝関節の健康にむしろ良い影響を与える可能性を示唆している。膝関節は、骨、軟骨、靭帯、筋肉などで構成される複雑な構造体だ。軟骨は関節の衝撃を吸収し、骨同士が滑らかに動くためのクッションの役割を果たすが、この軟骨には血管がなく、栄養は関節液の循環によって供給される。ランニングのような関節に負荷がかかる運動は、この関節液の循環を促進し、軟骨に栄養を行き渡らせる効果があると考えられている。これは、ランニングが軟骨の健康を維持し、強化する一助となることを意味する。さらに、ランニングによって膝周りの筋肉、特に大腿四頭筋やハムストリング、臀部の筋肉が強化されることで、膝関節にかかる負担が軽減され、安定性が向上する。適切な筋力は、膝への衝撃を効率良く分散させ、関節の保護に貢献する。

一方で、ランニングが膝に問題を引き起こすケースも確かに存在する。しかし、これらは通常、不適切な方法や過度な負荷に起因するものであり、ランニングそのものが膝に根本的なダメージを与えるわけではない。最も一般的な問題は、間違ったランニングフォーム、不適切なシューズ、急激な運動量の増加、そして膝周りの筋力不足などが挙げられる。これらが複合的に作用することで、膝への過度な負担が生じ、痛みや損傷につながる可能性がある。

ランニングを安全に始め、膝の健康を維持するためには、いくつかの重要な注意点を理解し、実践することが不可欠だ。

まず、ランニングを始める前に、自身の体の状態を把握することが重要である。特に、過去に膝の怪我や疾患の経験がある場合は、事前に医師や専門家のアドバイスを受けるべきだ。体の準備が整っているかを確認することで、予期せぬトラブルのリスクを減らせる。

次に、正しいランニングフォームを習得することは、膝への負担を軽減する上で非常に重要である。頭からかかとまでが一直線になるような姿勢を意識し、体幹を安定させる。着地の際は、かかとからではなく、足の真ん中あたりで優しく着地し、膝を軽く曲げることで衝撃を吸収するように心がける。ストライドを短くし、ピッチ(足の回転数)を増やすことで、一歩あたりの衝撃を減らすことができる。これは、専門家による指導を受けることで、より効果的に身につけることが可能だ。

適切なランニングシューズを選ぶことも欠かせない要素だ。シューズは、足や膝にかかる衝撃を吸収し、安定性を高める役割を果たす。自分の足の形やランニングスタイルに合ったシューズを選び、クッション性やサポート性を重視することが大切だ。シューズの寿命にも注意し、クッションがへたってきたと感じたら、定期的に買い替える必要がある。

運動計画を立てる際は、無理のない範囲で徐々に運動量と強度を増やしていくことが鉄則だ。いわゆる「10%ルール」、つまり週ごとの走行距離や時間を前週の10%以上増やさないという目安は、急激な負荷による怪我のリスクを減らす上で有効な指針となる。焦らず、段階的に体力を向上させていくことが、長期的にランニングを続ける秘訣だ。

ウォーミングアップとクールダウンも忘れてはならない。ランニング前に軽い体操やストレッチを行うことで、筋肉や関節を温め、柔軟性を高めることができる。これにより、怪我の予防につながる。ランニング後には、疲労した筋肉をゆっくりと伸ばすクールダウンを行うことで、筋肉の緊張を和らげ、回復を促進させる。

ランニングだけではなく、膝周りの筋力トレーニングを並行して行うことも非常に効果的だ。特に、大腿四頭筋(太ももの前)、ハムストリング(太ももの裏)、臀筋(お尻)、そして体幹の筋肉を鍛えることは、膝関節を安定させ、ランニング中の衝撃から保護するために重要である。スクワットやランジ、プランクなどのエクササイズを日常に取り入れると良いだろう。

何よりも大切なのは、体のサインに注意を払うことである。ランニング中に痛みや不快感を感じたら、無理をせず運動を中断し、休息を取ることが重要だ。痛みがあるのに無理をして走り続けることは、怪我を悪化させる原因となる。十分な休息と栄養摂取も、筋肉の回復と体のコンディション維持には不可欠だ。

このように、ランニングが膝に長期的なダメージを与えるという単純な結論は、誤解に基づいていることが多い。適切な知識と準備、そして体の声に耳を傾けることで、ランニングは膝の健康を損なうことなく、むしろ強化し、全身の健康増進に大きく貢献する優れた運動となり得る。

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