【ITニュース解説】Why Precedence Matters 🤓
2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Why Precedence Matters 🤓」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
プログラムの計算では、演算子に優先順位があり、掛け算は足し算より先に実行される。同じ優先順位の演算子の計算順序は結合規則で決まる。計算順序を明確にし、コードを読みやすくバグを防ぐため、括弧を使い意図的に順序を指定するのが最善策だ。
ITニュース解説
プログラミングにおいて、計算や処理の順序を正しく理解することは、意図通りのプログラムを作成するために非常に重要だ。特に、複数の演算子が一つの式の中に含まれる場合、その評価順序を決定するのが「演算子の優先順位」と「結合規則」である。これらを無視すると、プログラムは期待とは異なる結果を返すことになり、深刻なバグの原因となり得る。
具体例として、C++の int x = 5; int y = 10; int z = 2; int result = x + y * z; という式を考えてみよう。もし単純に左から右へ計算すると、5 + 10 = 15、次に 15 * 2 = 30 となるが、これは誤りだ。正しい結果は 25 で、これは掛け算の演算子 * が足し算の演算子 + よりも高い優先順位を持つため、まず y * z が計算され (10 * 2 = 20)、次にその結果と x が足される (5 + 20 = 25) からである。
C++には多くの演算子が存在し、それぞれに優先順位が定められている。主な演算子を優先順位の高いものから順に挙げると、以下のようになる。まず、関数呼び出しや配列のアクセスに使われる後置演算子 (), [], ->, . がある。次に、単項演算子として、インクリメント/デクリメント ++, --、論理否定 !、ビット否定 ~、参照外し *、アドレス取得 & などがある。その後に、掛け算 /、割り算 *、剰余 % といった乗法演算子が続き、足し算 +、引き算 - の加法演算子が続く。さらに優先順位が下がると、ビットシフト演算子 <<, >>、大小関係を比較する関係演算子 <, <=, >, >=、等しいか否かを比較する等値演算子 ==, != がある。そして、論理AND &&、論理OR || が続き、最も優先順位が低いのは、代入演算子 = や複合代入演算子 +=, -=, *= などだ。
さらに複雑な演算子の優先順位の例を挙げると、int a = 10, b = 5, c = 2; bool result = a + b * c == 20 && b > c; のような式が考えられる。この式では、まず乗法演算子である b * c ( 5 * 2 = 10 ) が計算され、次に加法演算子である a + 10 ( 10 + 10 = 20 ) が計算される。その後、関係演算子 b > c ( 5 > 2 で true ) が評価される。そして、等値演算子 == の 20 == 20 ( true ) が評価された後、最後に論理AND演算子 && が評価され、true && true の結果として true が result に代入される。このように、異なる種類の演算子が混在する式では、それぞれの優先順位を正確に把握していなければ、計算の途中で誤った判断をしてしまう可能性がある。
演算子の優先順位と同様に重要なのが「結合規則」だ。これは、同じ優先順位を持つ複数の演算子が並んだときに、どちらの方向から評価を進めるかを定めるルールである。例えば、足し算や引き算といった多くの二項演算子は「左結合性」を持つ。a - b + c という式は、左から右へと評価され、まず a - b が計算された後、その結果と c が足される。つまり (a - b) + c と解釈される。もしこれが右結合性であれば a - (b + c) となり、結果は大きく異なるだろう。
一方、代入演算子 (=, +=, -=) や、一部の単項演算子は「右結合性」を持つ。a = b = 5 という式は、右から左へと評価され、まず b = 5 が実行される。この結果、b に 5 が代入され、その値 5 が次の代入演算子へと渡される。そして、その値が a = 5 として a に代入される。この右結合性のおかげで、複数の変数に同じ値を一度に代入するような簡潔な記述が可能になる。単項演算子の場合、例えば *ptr++ のような式では、++ (後置インクリメント) が * (参照外し) よりも優先順位が高いが、結合規則の観点では ptr に ++ が適用され、その後元の ptr の値が * でデリファレンスされるという順序で評価される。
演算子の優先順位や結合規則を理解することは重要だが、これらを過度に頼ることは推奨されない。いくつかの一般的な落とし穴が存在する。一つは、日常の算数感覚とプログラミング言語の優先順位が直感的に異なる場合があることだ。特に論理演算子と算術演算子の組み合わせや、ビット演算子と論理演算子の区別は混乱しやすい。例えば、& (ビットAND) と && (論理AND) は異なる優先順位を持つため、誤って使用すると予期せぬ結果を生む。二つ目は、前置インクリメント/デクリメント (++x, --x) と後置インクリメント/デクリメント (x++, x--) の違いだ。これらは式の評価中に変数の値を変更するため、同じ式内で同じ変数を複数回操作すると、その挙動が未定義となり、デバッグが極めて困難なバグにつながる可能性がある。三つ目は、プログラミング言語によって優先順位や結合規則が微妙に異なる場合があることだ。ある言語での常識が、別の言語では通用しないということも起こりうるため、常に各言語の仕様を確認する必要がある。
これらの落とし穴を回避し、コードの可読性と堅牢性を高める最も有効な手段は、明示的に「括弧 ()」を使用することだ。例えば、x + y * z と書く代わりに x + (y * z) と書けば、誰もが掛け算が先に実行されることを一目で理解できる。括弧はコンパイラに対して計算の順序を強制し、コードを読む人に対して意図を明確に伝える役割を果たす。これにより、複雑な式でも誤解が生じにくくなり、将来コードを修正する際の保守性も向上する。演算子の優先順位や結合規則を暗記するよりも、括弧を効果的に活用する習慣を身につけることが、バグの少ない、分かりやすいプログラムを書くための最善策となるだろう。