アクティブタグ(アクティブタグ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
アクティブタグ(アクティブタグ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アクティブタグ (アクティブタグ)
英語表記
Active Tag (アクティブタグ)
用語解説
アクティブタグとは、それ自体が情報発信能力を持つタグのことである。従来のバーコードやRFID(Radio Frequency Identification)タグのように、単に情報を記録し、リーダーによって読み取られるだけの受動的な存在とは異なり、アクティブタグは自ら周囲の状況を検知したり、無線通信機能を用いて情報を外部に発信したりできる。
アクティブタグの概念を理解するには、まず従来のタグと比較すると分かりやすい。バーコードは、印刷された線の太さや間隔によって情報を表現する。RFIDタグは、微小なICチップとアンテナを持ち、リーダーからの電波エネルギーを利用して情報を送信する。これらのタグは、いずれも情報を読み取るための専用の機器(バーコードリーダーやRFIDリーダー)が必要であり、タグ自体は情報を発信する能力を持たない。
一方、アクティブタグは、バッテリーを内蔵し、マイクロプロセッサやセンサー、無線通信モジュールなどを搭載している。これにより、温度、湿度、加速度、位置情報など、様々な情報を取得し、処理し、ネットワークを通じて送信できる。例えば、倉庫内の温度を定期的に測定し、異常があれば管理者へアラートを送ったり、輸送中の貨物の位置情報をリアルタイムで追跡したりといったことが可能になる。
アクティブタグの活用分野は多岐にわたる。物流業界では、輸送中の商品の状態を監視し、品質管理を向上させることができる。医療分野では、医薬品の温度管理や患者のバイタルサインのモニタリングに利用される。建設業界では、資材の位置管理や作業員の安全管理に役立つ。農業分野では、農作物の生育状況を把握し、最適な栽培管理を実現できる。
アクティブタグの種類も様々である。温度センサーを搭載したものは、食品や医薬品の輸送・保管時の温度逸脱を検知するのに適している。GPS(Global Positioning System)モジュールを搭載したものは、車両やコンテナの位置情報を追跡するのに利用される。加速度センサーを搭載したものは、輸送中の衝撃を検知し、製品の損傷を防ぐのに役立つ。Bluetooth Low Energy(BLE)やWi-Fiなどの無線通信機能を搭載したものは、スマートフォンやネットワークを通じて情報を送信できる。
アクティブタグの導入には、いくつかの課題も存在する。まず、従来のタグに比べてコストが高いことが挙げられる。バッテリーの寿命も考慮する必要がある。また、無線通信を使用するため、電波干渉やセキュリティ対策も重要となる。さらに、大量のデータを処理するためのシステム構築も必要となる場合がある。
しかし、これらの課題を克服することで、アクティブタグは様々な分野で大きなメリットをもたらす。リアルタイムな情報に基づいて迅速な意思決定が可能になり、業務効率が向上する。サプライチェーン全体での可視性が高まり、リスク管理が強化される。新しいサービスやビジネスモデルの創出にもつながる。
システムエンジニアを目指す上で、アクティブタグの知識は重要である。IoT(Internet of Things)の普及に伴い、アクティブタグのようなセンサーデバイスから得られるデータを活用する機会はますます増えると考えられる。アクティブタグの仕組みや特性を理解し、適切なシステム設計やデータ分析を行うことが、今後のシステムエンジニアに求められるスキルとなるだろう。アクティブタグを活用したシステム開発では、センサーデータの収集、処理、蓄積、分析、可視化といった様々な技術が必要となる。これらの技術を習得することで、より高度なシステム開発に携わることができるようになる。