コンカレントライセンス(コンカレントライセンス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
コンカレントライセンス(コンカレントライセンス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
コンカレントライセンス (コンカレントライセンス)
英語表記
Concurrent license (コンカレントライセンス)
用語解説
コンカレントライセンスとは、ソフトウェアの利用形態の一つで、同時にソフトウェアを利用できるユーザー数を制限するライセンスのことだ。固定されたユーザーまたはデバイスにライセンスを割り当てるのではなく、同時に利用するユーザーの最大数に基づいてライセンスを管理する。
例えば、ある会社がCADソフトウェアのコンカレントライセンスを10ライセンス購入した場合、同時に10人のユーザーがCADソフトウェアを利用できる。11人目のユーザーが利用しようとすると、誰かがCADソフトウェアを終了するまで待つ必要がある。
コンカレントライセンスは、ソフトウェアの利用頻度が低いユーザーが多い環境や、ユーザーが交代でソフトウェアを利用する環境に適している。なぜなら、すべてのユーザーに個別のライセンスを割り当てるよりも、コストを削減できる可能性があるからだ。
次に、コンカレントライセンスの詳細について説明する。
コンカレントライセンスの仕組みは、通常、ライセンスサーバーと呼ばれるソフトウェアによって管理される。ユーザーがソフトウェアを起動すると、ソフトウェアはライセンスサーバーにライセンスの要求を送信する。ライセンスサーバーは、利用可能なライセンスがあるかどうかを確認し、利用可能なライセンスがあれば、ユーザーにライセンスを付与する。ユーザーがソフトウェアを終了すると、ライセンスはライセンスサーバーに返却され、他のユーザーが利用できるようになる。
コンカレントライセンスには、主に以下の3つの種類がある。
-
フローティングライセンス: ネットワーク上のどのユーザーでもライセンスを利用できる。ライセンスサーバーがネットワーク上のライセンスの利用状況を管理する。最も一般的なコンカレントライセンスの形態だ。
-
トークンライセンス: ソフトウェアの機能ごとにトークンと呼ばれる単位が割り当てられており、ユーザーが特定の機能を利用する際に必要なトークンを消費する。ライセンスサーバーはトークンの利用状況を管理する。複雑なソフトウェアで、機能ごとに利用頻度が異なる場合に適している。
-
メーターライセンス: ソフトウェアの利用時間や利用量に応じて課金されるライセンス。ライセンスサーバーは利用状況を記録し、課金情報を生成する。クラウドサービスでよく利用される。
コンカレントライセンスのメリットとしては、主に以下の点が挙げられる。
- コスト削減: すべてのユーザーに個別のライセンスを割り当てるよりも、ライセンス費用を削減できる可能性がある。特に、ソフトウェアの利用頻度が低いユーザーが多い場合に有効だ。
- ライセンス管理の容易さ: ライセンスサーバーが一元的にライセンスを管理するため、ライセンスの割り当てや回収が容易になる。
- 柔軟性: ユーザーは、必要なときに必要な場所でソフトウェアを利用できる。
一方、コンカレントライセンスのデメリットとしては、主に以下の点が挙げられる。
- ライセンス不足のリスク: 同時にソフトウェアを利用するユーザーが想定以上に多い場合、ライセンスが不足し、利用できないユーザーが発生する可能性がある。
- ネットワーク依存: ライセンスサーバーがネットワーク上で動作するため、ネットワークに障害が発生すると、ソフトウェアを利用できなくなる可能性がある。
- ライセンスサーバーの管理コスト: ライセンスサーバーの構築、設定、保守には、ある程度の専門知識が必要となる。
システムエンジニアは、ソフトウェアの導入や運用において、コンカレントライセンスのメリットとデメリットを理解し、最適なライセンス形態を選択する必要がある。ライセンスの利用状況をモニタリングし、必要に応じてライセンス数を調整することも重要な役割となる。また、ライセンスサーバーの安定稼働を確保し、ネットワーク障害への対策を講じることも、システムエンジニアの重要な責務だ。コンカレントライセンスの適切な管理は、企業のソフトウェア投資の最適化に貢献する。