コンディションカバレッジ (コンディションカバレッジ) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

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コンディションカバレッジ (コンディションカバレッジ) の読み方

日本語表記

条件網羅率 (ジョウケンモウラリツ)

英語表記

Condition Coverage (コンディションカバレッジ)

コンディションカバレッジ (コンディションカバレッジ) の意味や用語解説

コンディションカバレッジは、ソフトウェアテストにおける網羅性基準の一つで、プログラムの各条件式の真偽が少なくとも一度は実行されるようにテストケースを作成する手法のこと。より具体的に言うと、プログラム中のif文やwhile文などの条件分岐において、それぞれの条件式が取りうるすべての結果(真または偽)を網羅的にテストすることを目的とする。 コンディションカバレッジを理解するには、まずソフトウェアテストの目的と網羅性基準について知っておく必要がある。ソフトウェアテストは、作成したプログラムが仕様通りに動作するかどうかを確認し、バグを発見・修正するための活動。テストの網羅性基準とは、プログラムのどの部分までテストを実行するかを判断するための指標。様々な網羅性基準があり、その基準を満たすようにテストケースを作成することで、より高品質なソフトウェアを開発できる。 コンディションカバレッジは、この網羅性基準の中でも比較的シンプルな部類に入る。例えば、以下のようなJavaのコードを考えてみよう。 ```java public class ConditionExample { public boolean checkNumber(int num) { if (num > 0 && num < 10) { return true; } else { return false; } } } ``` このコードにおける条件式は `num > 0 && num < 10` の部分。コンディションカバレッジを達成するには、この条件式が真になるケースと偽になるケースをそれぞれテストする必要がある。真になるケースとしては、例えば `num = 5` を入力した場合。偽になるケースとしては、例えば `num = -1` や `num = 12` を入力した場合が考えられる。 つまり、コンディションカバレッジを適用する場合、少なくとも以下の2つのテストケースが必要となる。 1. `num > 0 && num < 10` が真となるテストケース (例: `num = 5`) 2. `num > 0 && num < 10` が偽となるテストケース (例: `num = -1`) コンディションカバレッジの利点は、比較的簡単にテストケースを作成できること。条件式に着目するだけで、網羅的にテストケースを設計できる。しかし、欠点も存在する。それは、条件式の中の個々の条件(上記の例では `num > 0` と `num < 10`)の組み合わせまでは考慮しない点。例えば、`num > 0` は真だが `num < 10` は偽となるケース(例: `num = 15`)や、`num > 0` は偽だが `num < 10` は真となるケース(例: `num = -5`)は、上記の2つのテストケースだけでは網羅できない。 より網羅性の高い基準としては、デシジョンカバレッジ(分岐網羅)や複合条件カバレッジなどが存在する。デシジョンカバレッジは、条件分岐の結果(真または偽)が少なくとも一度は実行されるようにテストケースを作成する。上記の例では、コンディションカバレッジと同じテストケースでデシジョンカバレッジも達成できる。複合条件カバレッジは、条件式の中のすべての個々の条件の可能な組み合わせを網羅するようにテストケースを作成する。上記の例では、以下の4つのテストケースが必要となる。 1. `num > 0` が真、`num < 10` が真 (例: `num = 5`) 2. `num > 0` が真、`num < 10` が偽 (例: `num = 15`) 3. `num > 0` が偽、`num < 10` が真 (例: `num = -5`) 4. `num > 0` が偽、`num < 10` が偽 (例: `num = -15`) このように、網羅性基準が高くなるほど、必要なテストケースの数も増え、テストの労力も増大する。どの網羅性基準を採用するかは、ソフトウェアの重要度や開発リソースなどを考慮して決定する必要がある。コンディションカバレッジは、比較的簡単に適用できる網羅性基準として、初期段階のテストや、比較的単純なロジックのテストに適していると言える。より複雑なロジックや、高い品質が求められるソフトウェアでは、より網羅性の高い基準を採用することが望ましい。 システムエンジニアを目指す上で、コンディションカバレッジのようなソフトウェアテストの基礎知識は非常に重要。様々な網羅性基準を理解し、適切なテスト戦略を立てることで、より信頼性の高いソフトウェア開発に貢献できるようになる。

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