インフォグラフィック(インフォグラフィック)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
インフォグラフィック(インフォグラフィック)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
インフォグラフィック (インフォグラフィック)
英語表記
infographic (インフォグラフィック)
用語解説
インフォグラフィックとは、「インフォメーション」と「グラフィック」を組み合わせた造語であり、データ、情報、知識を視覚的に表現する手法、またはその表現物自体を指す。目的は、複雑で膨大な情報を、図やイラスト、グラフ、チャートなどを用いて整理し、受け手が迅速かつ直感的に内容を理解できるようにすることである。文字だけで構成された情報に比べて、インフォグラフィックは人間の視覚に訴えかけるため、情報の認知や記憶定着を促進する効果が高い。システム開発の現場においても、技術的な内容やプロジェクトの状況を関係者にわかりやすく伝えるためのコミュニケーションツールとして、その重要性が増している。単に情報を図解するだけでなく、特定のメッセージを効果的に伝えるために、デザインの原則に基づき、ストーリー性を持って情報を構成する点が特徴である。
インフォグラフィックは、主にビジュアル、データ、テキストの三つの要素で構成される。ビジュアル要素には、アイコン、イラスト、写真、地図などが含まれ、情報の意味を象徴的に示したり、読者の注意を引いたりする役割を担う。データ要素は、インフォグラフィックの根拠となる統計データや調査結果などの数値情報であり、棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフといった多様なチャート形式で表現される。このデータ要素の正確性と信頼性が、インフォグラフィック全体の説得力を左右する。テキスト要素は、タイトルや説明文、各ビジュアル要素のキャプションなど、ビジュアルだけでは伝えきれない文脈や詳細な情報を補完する役割を持つ。テキストは可能な限り簡潔に、要点を押さえて記述されることが求められる。これらの要素が一体となって、一つの完結した情報伝達媒体として機能する。
インフォグラフィックには、その目的や表現する情報の内容に応じていくつかの代表的な種類が存在する。数値を主役とする「統計型」は、アンケート結果や市場調査データなどをグラフやチャートで可視化し、傾向や比較を明確に示す。物事の変遷や歴史を表現する「時系列型」は、タイムラインを用いて出来事を時系列に沿って配置し、プロジェクトの進捗やシステムのバージョンアップ履歴などをわかりやすく示すのに適している。特定の作業手順やワークフローを説明する「プロセス型」は、フローチャートを用いて各ステップの流れを視覚化するため、システム開発の工程や業務フローの解説に有効である。地図上にデータを配置する「地理型」は、地域ごとのユーザー分布やサーバーの物理配置などを表現する際に用いられる。また、複数の製品やサービスの機能、価格などを並べて比較する「比較型」は、技術選定の際の意思決定を支援する資料として活用される。
システムエンジニアの業務において、インフォグラフィックの知識と作成スキルは様々な場面で役立つ。例えば、複雑なシステムアーキテクチャを説明する際、サーバー、データベース、ネットワーク機器などの構成要素とその関連性を図式化したシステム構成図は、インフォグラフィックの一種と言える。これにより、プロジェクトメンバーや顧客はシステムの全体像を正確に把握できる。また、システムのパフォーマンス監視で得られたCPU使用率やメモリ使用量、レスポンスタイムといった大量のログデータを、時系列の折れ線グラフやヒートマップとして可視化することで、システムのボトルネックや異常の予兆を早期に発見することにつながる。プロジェクト管理の文脈では、タスクの依存関係やスケジュールをガントチャートで示すことにより、チーム全体の進捗状況の共有が容易になる。障害発生時には、発生から検知、対応、復旧に至るまでのタイムラインや、影響範囲を示した図を作成することで、関係者への迅速な状況報告と、根本原因の分析、効果的な再発防止策の立案に貢献する。このように、インフォグラフィックは、技術的な情報を非技術者にもわかりやすく伝え、円滑なコミュニケーションと迅速な意思決定を促進するための、システムエンジニアにとって極めて有効なツールなのである。