ソーシャルブックマーク (ソーシャルブックマーク) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
ソーシャルブックマーク (ソーシャルブックマーク) の読み方
日本語表記
ソーシャルブックマーク (ソーシャルブックマーク)
英語表記
Social bookmarking (ソーシャルブックマーキング)
ソーシャルブックマーク (ソーシャルブックマーク) の意味や用語解説
ソーシャルブックマークとは、インターネット上のウェブサイトのURLやコンテンツをオンライン上に保存し、整理し、共有するためのサービスである。個人のウェブブラウザにローカルで保存される通常のブックマークとは異なり、ソーシャルブックマークはウェブ上のサービスとして提供されるため、インターネットに接続されたどのデバイスからでも自身のブックマークにアクセスできるという利点がある。また、単にURLを保存するだけでなく、そのURLに説明文やキーワード(タグ)を付与して分類できる点が特徴であり、これにより情報の検索や再利用が容易になる。 詳細に入ると、ソーシャルブックマークサービスの利用者は、興味を持ったウェブページを見つけた際に、そのURLとタイトル、必要に応じてコメントや説明文を入力し、さらに内容を表すキーワードである「タグ」を複数付与してサービスに登録する。このタグ付けの機能がソーシャルブックマークの核心をなす部分であり、これにより利用者は自分の登録した情報を効率的に管理できるだけでなく、他の利用者が登録した情報もタグを介して検索・発見することが可能になる。たとえば、「Python」というタグが付与されたブックマークを探すことで、Pythonプログラミングに関する情報を一覧できる。 タグは、特定の権威によって体系的に分類されるのではなく、利用者一人ひとりが自由に設定する。この利用者によって生成される分散型の分類体系は「フォークソノミー」と呼ばれ、特定の専門知識を持たない一般の利用者の視点から、より自然で多様なキーワードで情報が分類されるという特性を持つ。これにより、従来の階層的な分類では見落とされがちだった、ニッチな情報や複数のカテゴリにまたがる情報も効果的に発見しやすくなる。 さらに、ソーシャルブックマークサービスは、登録されたブックマークを公開設定にすることで、他の利用者と共有できる機能を持つ。利用者は自分以外の人が登録したブックマークを閲覧し、人気の高い情報や特定のタグが付与された情報を探すことで、自分では知らなかった有用なウェブページを発見できる。これは、個人の知識や興味に基づいた情報の集約が、コミュニティ全体で共有される知識基盤を形成するソーシャルな側面を強調している。ウェブサイトの運営者やコンテンツクリエイターにとっても、自サイトがブックマークされることで、多くの人々に情報が拡散され、サイトへのアクセス数増加に繋がる可能性がある。 システムエンジニアを目指す観点から見ると、ソーシャルブックマークは大量のユーザー生成コンテンツ(UGC)と、それに付随するメタデータ(タグ、コメントなど)を効率的に管理・検索・表示するためのシステムの好例である。データベース設計においては、URL、ユーザー情報、タグ、ブックマーク間の関連付けをどのように永続化し、高速にクエリを実行できるかが重要となる。また、多くのユーザーが同時にデータを登録・参照する際の並行処理や負荷分散、セキュリティ対策も考慮する必要がある。情報の検索機能を実現するためには、全文検索エンジンの統合や、タグ付けされた情報の重み付けや関連性スコアリングといった情報検索技術が応用される。ソーシャルな要素を取り入れることで、ユーザー間のインタラクションを促進し、新たな価値を創造するウェブサービス設計の基礎を学ぶ上でも、ソーシャルブックマークの仕組みは良い教材となるだろう。 近年では、特定のソーシャルブックマークサービスがかつてのような中心的な存在感を失いつつあるが、その根底にある「オンラインでの情報管理」「タグによる分類」「他者との共有による情報発見」といったコンセプトは、各種ソーシャルメディアの共有機能や、個人用知識管理ツール、あるいは「後で読む」サービスなど、さまざまな形でウェブサービスに組み込まれ、今日の情報社会においても引き続き重要な役割を果たしている。ソーシャルブックマークの概念を理解することは、現代のウェブアプリケーションがどのように情報を扱い、ユーザー間のつながりを構築しているかを理解するための第一歩となる。