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【ITニュース解説】All about Big O Notation

2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「All about Big O Notation」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Big O表記は、コードが扱うデータ量に応じて処理時間やメモリ使用量がどう変化するかを示す指標だ。効率的なプログラム作成やシステムの性能予測に役立ち、採用面接でも重要視される。O(1)やO(n)などがあり、これらを理解することで、データが増えても高速に動作するコードを書けるようになる。

出典: All about Big O Notation | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Big O記法は、システムエンジニアを目指す上で非常に重要な概念の一つである。これは、あなたの書いたコードが、処理するデータ量が増えたときにどれくらいの時間(またはメモリ)を必要とするかを予測するための方法である。具体的な実行時間を測るのではなく、入力サイズが大きくなるにつれて、コードの実行時間がどのように「成長」するかを相対的に表現する。つまり、コードの効率性を測るための物差しだと考えるとよい。

なぜこのBig O記法が重要なのか。第一に、GoogleやAmazon、Metaといった大手IT企業のコーディング面接で頻繁に出題されるテーマだからだ。これを理解していることは、あなたの技術的な基礎知識の深さを示すことになる。第二に、より効率的なコードを書くために役立つ。ある問題を解決するアルゴリズムが複数ある場合、Big O記法を知っていれば、その問題に最適なアルゴリズムを選択できる。そして第三に、将来的な問題解決に繋がる。大規模なデータを扱う際に初めて明らかになるパフォーマンスの低下やバグを、Big O記法の知識があれば未然に防ぎ、開発の頭痛の種を減らすことができる。

Big O記法には様々なカテゴリがあるが、特に頻繁に目にする主要な4つのタイプについて説明する。

まず一つ目は「定数時間」を表すO(1)である。これは、入力データのサイズがどれだけ大きくなっても、コードの実行時間が常に一定であることを意味する。例えば、配列の最初の要素を取り出す関数を考えてみよう。配列に10個の要素があっても、1000万個の要素があっても、最初の要素にアクセスする時間は変わらない。このように、常に一貫した時間で処理が完了する場合、それはO(1)に分類される。

二つ目は「線形時間」を表すO(n)である。これは、コードの実行時間が入力データのサイズに直接比例して増加することを意味する。例えば、配列内のすべての要素を一つずつ表示する関数を考えてみよう。配列の要素数が2倍になれば、処理時間も約2倍になる。このように、入力サイズ(n)が増えるのと同じ割合で処理時間も増える場合、それはO(n)に分類される。

三つ目は「二次時間」を表すO(n^2)である。これは、コードの実行時間が入力データのサイズの二乗に比例して増加することを意味する。このタイプは、通常、ネストされた(二重になった)ループで発生しやすい。例えば、配列内のすべての要素のペアを出力する関数を考えてみよう。要素が10個の配列であれば100通りのペアを出力するが、要素が100個になると10,000通りのペアを出力することになる。このように、入力サイズの増加に対して処理時間が爆発的に増える場合、それはO(n^2)に分類される。

四つ目は「対数時間」を表すO(log n)である。これは、コードの実行時間の増加が非常に緩やかで、入力データが非常に大きくなっても処理時間はほとんど変わらないタイプである。このタイプの処理は、問題を段階的に半分に減らしていくようなアルゴリズムでよく見られる。典型的な例が「二分探索」だ。ソート済みの配列から特定の要素を探す場合、毎回探索範囲を半分に絞り込んでいく。例えば、100万個の要素がある配列でも、二分探索なら約20ステップで目的の要素を見つけられる可能性がある。このように、入力サイズが飛躍的に大きくなっても処理時間がわずかにしか増加しない場合、それはO(log n)に分類される。

実際のコーディングにおいて、Big O記法の理解は多くの場面で役立つ。例えば、リストの中から特定の項目を探す場合を考える。一般的な配列に対して、最初から順に一つずつ要素をチェックしていく方法では、最悪の場合、すべての要素をチェックする必要があるため、これはO(n)の線形時間となる。しかし、もしSetのような特殊なデータ構造を使用する場合、要素の存在確認はO(1)の定数時間で実行できることが多い。これは、データ構造の選択によってアルゴリズムの効率が大きく変わる典型的な例である。

また、ソートアルゴリズムもBig O記法の良い例となる。例えば「バブルソート」は、隣り合う要素を比較して入れ替えを繰り返すことで配列をソートするが、これは一般的にO(n^2)の二次時間である。要素の数が増えると、その処理時間は非常に遅くなる。一方で、「クイックソート」や「マージソート」といったより効率的なソートアルゴリズムは、平均的にはO(n log n)の性能を持つことが多い。

さらに、パフォーマンス改善策として「キャッシュ」という手法がある。これは、一度計算した結果を保存しておき、同じ計算が再度必要になったときに保存された結果を再利用することで、処理時間を短縮する技術である。例えば、階乗計算のような再帰的な処理で、以前計算した結果をMapなどに保存しておくことで、同じ入力に対する再計算を省き、効率を高めることができる。これにより、繰り返し発生する重い計算を実質的にO(1)で済ませられる場合がある。

このように、Big O記法は、データ量が増加してもコードが迅速に動作し続けるようにするために不可欠な知識である。コーディング面接の準備のためだけでなく、より良いコードを書くプロフェッショナルなシステムエンジニアになるためにも、Big O記法を理解することは強力なスキルとなる。

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